【数字嫌いな人向け】ビジネスで統計が役立つ理由
私は大学院で人工知能系の研究をしていました。
人工知能界隈の考え方の根本には「統計学」があり、それらを学んでいたため普通の人よりは詳しいです。
そこからビジネスに転向して5年ちょい経ったのですが、統計がビジネスに役立つと感じる場面が多数ありました。
今回は、なぜ統計がビジネスに役立つのか/統計の基礎の基礎をご説明します。
ちなみに数字が嫌いな人でも大丈夫です。ほとんど数字出しませんし、「統計って意外と使えそうだな」と感じていただき、本屋で簡単そうな本を立ち読みしてくれることがこの記事のゴールです。
※そのため、正確さよりわかりやすさ重視して書いています。
さて始めていきましょう。
なぜ統計学はとっつきにくいのか
統計学って、よく聞くけどなんだかハードル高いなあと感じている人多いと思います。
おそらくその理由は下記の通り。
1 なんか数字とか式とか出てくるからムリ
どこでどう使うのかも分からない中、学校で強制的に数学を勉強させられて数字に対して苦手意識が植え付けられている
2 本読んでも建設的に書いてあるので、覚える定義が多すぎ
統計は結局建設的な学問なので、多くの定義を組み合わせて、新しい定義を生み出す構造。なので、前の定義覚えてなくて知らない間に意味フ状態に。
3 網羅的に勉強するとなんか長い
大学の統計を10時間でとかいう本もあるけど、そんな時間ないよ。(あの本は素晴らしい本です。これ読んで興味出たらぜひ読んで下さい)
4 使う場面が全然想像できない
そりゃそうですよね。別にサイコロ二回振ったときの確率なんて知らんし。
今は「エクセルという魔法のツールがある」いい時代です。
大丈夫です。
統計学の捉え方さえ変えてしまえば、今は複雑な計算なんか不要です。なぜなら、今は「エクセル」という魔法のツールものがあるから。
いい時代になりました。大事なのは、どんなときにどんな手法を使うか?を抑えておくことです。
ビジネスで使う統計なら下記考え方で問題ないと思います。
・なんか数字とか式とか出てくるからムリ
数式なんかわからなくても、エクセルに数値入れてボタンぽちー。
・本読んでも建設的に書いてあるので、覚える定義が多すぎ
これも覚えなくていいです。エクセルがやってくれます。
・網羅的に勉強するとなんか長い
ビジネスで使う統計は限られます。そこまで覚えること多くないです。
※こちらは別記事でビジネスで使う手法のみに絞ってまとめる予定です。
・使う場面が全然想像できない
イメージできるように、この記事で書いていきます。
統計って何ですか?
wikiによれば
>統計学は、経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。統計的手法は、実験計画、データの要約や解釈を行う上での根拠を提供する学問であり、幅広い分野で応用されている。
出ました。コレでは、とっつきにくいのもよく分かる。
ビジネスにおける統計学とは
経験則が通用しない「初めての事象」に対して、正しい選択をするためのサポートツール
だと、個人的に理解しています。
なぜ、このサポートツールがビジネスの役に立つのかを説明していきますね。
人間は初めての事象に極めて弱い
あなたは森を歩いています。目の前に二手に分かれた道がありました。
あなたは、どちらに進みますか?
人間は、経験則という素晴らしい能力を持っています。何度もこの道来ていれば、どちらが安全か分かるんです。
でも、初めて自分がこの分岐に来た時にどうするべきか?これはなかなか難しい。
情報がなければ、人間は勘でしか判断できません。
もし片方の道にクマが出るのであれば、勘で判断していまっては生死の確率は50%
昔の頭のいい人は、もっといい方法はないか考えました。
勘で行くよりも、過去に行った人の生存率をみて判断した方が、安全な道を選ぶことができるのではないか?ということです。
直感的にも正解の方にたどり着くことができると思います。
この初めての事象に人間が向き合った時に、どちらに行くべきか?をひたすら考えてきた天才たちが必死に作ってきた学問が「統計学」です。
ビジネスは初めての事象が極めて多い
ここまで読んで、筋のいい人ならわかったと思います。
ビジネスは「初めて」のことが圧倒的に多い。
経営戦略も、企画も、社内の業務改善も。基本的にビジネスでは「今」を変化させることが求められるので、どっちに向かって歩けばいいか考えなければなりません。
つまり、過去の事象を読み解き、どちらに向かうべきかという指標がほしくなる。それを与えてくれるのが「統計学」というわけです。
だからこそ、ビジネスと統計はとても相性がいいんですね。
事例紹介:こんなときに役立ちます
別記事で、ビジネスに使う統計手法というまとめを書こうと思っていますが、イメージを持ってもらうために事例をひとつだけ書いて、終わろうと思います。
とあるときに、後輩からこんな提案を受けました。
「先輩!ABテスト(※)やったんですよ!そしたらこんな結果が出たので、Aの文面で今後進めてもいいですか?」
※ABテストとは、対象のユーザをランダムに半分に分け、AパターンBパータンでどちらが効果が高いか確認する手法。WEB界隈では当たり前のように使われる。
統計を知らないと「へえ、そうなんだね」となるかもしれませんね。
でも、統計の基礎の基礎の基礎の「平均・中央値」を知っているだけでも、上記判断を誤ることがなくなります。
平均:データの総和÷データの個数
中央値:データを大きい順に並べて、真ん中の数(偶数のときはその間の平均)
数字で見てみましょう。
もし、AとBそれぞれ、8個のサンプルが取れたとします。
そのときに平均だけ見ると、Aの方が高くなりますね。
でも、数字の並びを見るとなんとなくBパターンの方が良さそうに見えませんか?
そうです。Aパターンには100という外れ値があるので、こいつが悪さして平均を押し上げているのです。
中央値を見てください。そうすると、感覚値と合う気がしませんか。中央値は、外れ値の影響を受けにくいという特性があります。
このことを知っておくだけで、後輩からデータを見せられたあなたは判断を間違うことは少なくなるでしょう。
これが、統計をツールで使うということです。
どうでしょう。少しだけ便利だな、と思いませんか?
少しでも興味を持ったらぜひ本屋さんで統計の本を手に取ってみてください。
なぜこの記事を書いたか
最後に。
今回、統計の便利さを記事にしましたが、少し勉強をしたことがある人にとっては、当たり前のことだったかもしれません。
でも、ビジネスには、統計を少し勉強すれば確からしい判断ができるのに、勘だけで判断する人が多いと感じているからです。
少しでもこの記事を通じて、ビジネスで正しい判断ができる人が増えれば日本は良くなるのではないかと思い、記事にしました。
この記事を読んで、正しい判断ができるビジネスマンが増えていってくれることを祈っています。
※後日、ビジネスに使う統計手法という感じで、記事を書こうかと思ってます。興味ある方は「スキ」もしくはフォローいただければと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?