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#文学フリマ

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定番の記事一覧

[詩]ムンクは叫ばない

僕の不完全な感情を もっと早く君に伝えるべきだった 他意はないよなんて 戯曲を述べるくらい余裕ないなんで 夜に溶けて蒸発するのを 鈍色のメロディにのせて奏でるよ 壊れたべき論でお笑い草 もっと自由に羽ばたかったなんて 季節はいつも回るのに 蝉時雨は折り重なる命 なんだか自分にはパイが 回ってこないことに気がづいた どこまでも伸びる影法師 どこまでも落ちる黄昏が くだらないプライドが足を引っ張って 真実を告げる事ができない また朝が見えたら笑えるかな 今日は海洋を泳ぐ双

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719

【初心者】文字書きが初めて文庫エッセイ同人誌を完成させるまでにお世話になったリンクまとめ

※このnoteは、”同人誌など「紙の本」を自主制作してみたいけれど、まだ一度もやったことがなくていったい何をどうしたらいいのか右も左もわからない状態の文字書きの方(数ヵ月前の私)”に向けて書いているものです。 すこし前、文学フリマに初出店するのを目標に文庫サイズのエッセイ集を自主制作しました。 本づくりの知識はゼロ。編集や校正はまだ勘どころがわかるものの、レイアウトやデザイン、印刷などはほんとうにほぼ知識ゼロで、まさに手さぐり状態の制作でした。それでもなんとか、形にするこ

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718

[詩]アフタヌーン

素敵な映画だったねと 君が横で囁いた 僕はその言葉を聞いて 次もまた期待した 投げつけたように運命ってやつは 突然やってくるから 大きな手を合わせて祈って 君の笑顔が僕の心に住み着いた 穏やかな昼下がりを灯して 溢れるばかりの愛情に僕は今 愛というものを形にしたんだ 瞬きする暇がないほど どのカットも映える 街路樹の下を歩く日々 フィクションのようだ ちょっと照れた時の髪をかき上げるその 君の仕草が好きだった はいチーズカメラに向かって 君の笑顔が僕の心に住み着いた

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714

[詩]cancer

これは貴方がくれた感情 キチンとした由来は蟹座 日々の隙間に映る三乗 結んで解いて試行錯誤 眠らせてくれない痛みが送る 弱がりな自分の意思が残念 曖昧な貴方の態が腐ってる 星の群れが輝く観戦してられない 呆気ない安心感が木製 2人で歩める未来に鐘が鳴らない 炸裂する文字配列は水性 蝕んでいく恋心 それは貴方が魅せた艶笑 ヘムラインは緑に光る 同窓会、想いを警鐘? 嫌味にしか聞こえないでしょう 透過する不器用なリップの紅 思わなぶり軌跡に入るかな? 後図思ってドックに刺

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704

[詩]於母影

なあ月の見えない夜は 何を見ればいい そんな無粋なことはもう聞かないでよ あからさまなその態度に 不貞腐れている 子供みたいだねほら機嫌直してよ まばゆい光の矢が解き放たれた 白い病室の中で君は怖がっていた 君の影になりたい そうすればずっとそばにいれるから 私たちが紡いだナターシャに飾られて 彩られることを望んでいる 坂道を見ると思い出す 暑すぎた春を 転がる石ころみたいに勢いよく降ったね 宝探しみたいな日々を 繰り返していた 積み重ねるごとに研磨される宝石 フ

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694

[詩]北斗七星になれたら

放課後の星空を 双眼鏡がなくても ひとりで入相を覗いた星の声 初めから持っていないのに 失ってしまったかのような喪失感 ひとりぼっちの六等星 春の夜にはまだ冷たすぎたみたいだね 何億光年離れた世界なのに 線と線を繋いで光の虹を描ける 眩しい糸いつか紡げたら 短六度で響かせる事ですらできず 君には届かない夢はいつ叶うのだろう 北斗七星になれたらいいのに 突破口は不明で 好感度も不明だ 雨を降らせた夜空は僕等を隠す 問題はいつもシンプルで 複雑なのは僕の心の方みたいだ 木

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689

[詩]だいじょばない

負の感情がプラークみたいにこびりついて ワンルームに溢れる 換気扇はいつから回ることをサボり始めた 錆びれた剃刀 頭の中がゴミ箱になって 恋だとか萌える人とか 久しく現れない なんだか急に涙が溢れだした だいじょばない大丈夫 滑るだけのすべり台夢見るだけの夢芝居 誰かにヨシヨシって撫でられたい 知らない部屋に閉じこもってた マンネリ化したルーチーンワークに今 終止符を打ちたい やりたくもない仕事をして擦り切れるなら 放り出してしまいたい インスタに載せた生活 ネガやフ

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680

[哲学] 地獄

地獄ってなんだろう? 暗い闇のような存在だろうか。 現代アートの表現者は孔を描いた。 これが地獄だと。 コンクリートに開いた孔をずっと私は見つめる そこには何もなかった。 十分間。私は覗いた。 しかし何も見えることはなかった。 別の現代アートの表現者は喜劇のような映像を流した。 これが地獄だと。 永遠と繰り返されるビデオを私は見つめる。起承転結すらもわからない映像。 正直苦痛でしかなかった。 別の現代アートの表現者は光り輝くオブジェクトを飾った。 これが地獄だと。 地獄

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676

[詩]stain

丁寧な暮らしなんて 苦いだけのスパイス 今日を生きる感情で 焙煎したスマイル 雨上がりの蒸し暑さ 背中にかく汗のメンヘラはグライフ 何にでもなれるよなんて嘘つきの言葉 子供の僕は悪い大人に唆された 適当な論理に納得させられて 気づいたら常識という名の奴隷になった 色素の抜けたI love youでも 伝わりますか?僕の推しには 授業じゃ教えてもらえないんだ 正しいI love you 恋しい 仮装を纏うよ 愛想を振り撒いている 痛いだけのスタイル 都合のいい人を装い の

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673

[詩]Hi-Fi

レーコードをなぞる指を温めて 掠れたメロディーに口笛を重ねて 優しい夢を見よう 瞬きを忘れていてはdry eye そんな僕に優しいkissのおまじない angelを探している 焼き切れた夢が今日も明日を探している 溢れそうな黒い雲を飲み込んだ 夢中で追いかけた栄光は重すぎた 背負い込んだ期待も希望も 普通の生き方ってなんだろうと思う 砂漠で砂金を探すよう radioは今日もお便りを届けているよ 馬は走っているのに僕は止まる 閉店の音が鳴る時刻はまもなく いっそ錆びれて

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668

[詩]cry boy

こぼれ落ちたハンバーガーの ピクルスは甘酸っぱい それは恋のようだ 写真よりも潰れた見た目の 方が不景気あんぱい 寂しい片想いだ 忘れられない思い出は 偶然出会った帰り道 くだらないこと話しては またねって言えたけど Cry cry cry 切なすぎる悲しさが why why why お前は誰だなんでそんなに親しげに 話しているんだ余裕なんてない 駆け出したのはお昼過ぎなの 重ね掛け目覚まし賽 は投げられないようだ 街を歩けばどこかにいるの? そんな期待はやめなさい

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611

[詩]メサイア(狂言)

マッチを売る少女に同情の念を向け偽善を語る 花向けの言葉でなくてまだまだ頑張れる精を出せと 圧死される未来に他人行儀を重ねてシラを切る あばずれになれとでもいうの?収束点はどこあるのかと 誰かを傷つけることに快楽を得ている ジレンマがシナプスを揺らし インモラリティを感じて気持ちいいでしょ? 猛り立つ声はいつも何も聞こえない 紙吹雪を浴びたいと呟く 返り咲くそもそも咲いていない 腐るだけじゃ嫌よと 今我は勇者から英雄に成るのだ 画期的な広がる格差は埋められない底なし沼る

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592

[詩]正義主義者(ヒーロー)

あなたのその正義が私を傷つけているんだよ 気づいている?気づいていないでしょその罪を 触れれば振り下ろす正論という刃を恐れて 沈黙を被ることでしか平和は来ない 今の私に何を求めているのかが分からない 深夜ドラマみたいに脚本はないから マイノリティにガムをつけられたようだ悲しい話 ダイオキシンみたいな扱いはご勘弁 傲慢な正義にレイプされた 誰もが見て見ぬふりそれどころか 手を叩いて感動ポルノで祥ってる 何が正義で何が悪なのか 鳴り止まない罵声が答えないのか? そりゃそうさ勝

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592

[詩]ザルモクシス

降り注ぐ鱗粉が最悪で大好き 気管支に詰まらせて あの女を犯してしまいたい ぶち殺す興奮が最悪で大好き 動かないおもちゃに サヨナラを添えて夜空を泳ぐ 憎悪も愛も受け入れて 瞬きと共にこんにちは あなたの描く物語は誰といるの? 薄雲から溢れる天使の梯子 私を救う救世主 薄氷を溶かす あなたのことが最悪で大好き 世界に火を焚べた いつか逸れてしまうとしても 裸の心が一番星になりたいと 夜空に願ってしまった 糠星が儚いものを抱いてしまった 今日は機嫌が悪いやって 誰と喧嘩し

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556

[随想]燃えいぬ馬

馬が燃える燃えている 焼ける煙が上がる パチパチと音を立てて 生死ような様子 怒る教員浴びせる罵声 可愛らしい異邦人 微笑む彼女の ブロンドの髪を揺らして ああ、馬が燃える 真っ赤に燃える 真紅の炎が愛を探して

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524

第3章 ライ麦畑で僕を追う-1

Vol.1  水卜先輩が会社を辞めてしまう。そんなことを考えながら日々の業務に追われ、1週間、2週間と時は進んでいき、とうとう水卜先輩がいなくなる最後の日になってしまった。先輩は変わらず、いつも通りの笑顔を咲かせながら業務をこなしていた。 「ねえ、話聞いてるの?ちゃんとやってもらわないとこまるのよ。ここ最近ミスが多すぎ、やる気あんの。」 「すみません。すぐ直しますんで。」 K先輩に怒られた。ここ最近いつも怒られている気がする。最近では残業も日に2時間を超えている。世の

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496

第4章 罪と罰のレクイエム-1

Vol.1 「あら、もう起きたの。」 ベッドの上ではだけたバスローブを戻しながら少し乱れた黒奈が僕に囁いた。 「うん。なんか目が覚めちゃった。」 黒奈は起き上がると私もコーヒーを飲みたいと言ったので、僕が新しいものを用意した。黒奈の横に座る。二人で飲むコーヒーはなんだか不思議な気持ちになった。黒奈が僕に寄りかかる。黒奈の熱が僕に伝わってくる。僕も黒奈の頭をなぞった。コーヒーをベッド脇のテーブルに置く。そして、朝日が差し込むベッドの上で僕らはキスをした。コーヒーの味のする熱いキ

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第6章 アルテミスの器−1

Vol.1 バシャバシャ。  水溜りというには大きすぎる水面を雨を仰ぎながら僕と黒奈は歩いていく。激しい雨のせいで歩いてきた後の足跡がすぐに消えていく。顔にあたる雨粒が痛い。そう思いなが歩いていると、いつの間にか道が川になっていた。ザーザーと鳴り止まない雨が降る中、僕は少し不安になっていた。このまま雨がしゃんと止んでくれるだろうか。このまま夜まで雨になってしまったらどうしようか。 「不安。大丈夫よ。きっと通り雨よ。」 「そうだね。すぐ止むよね。」 「それにしても、地球

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第5章 Utopia−1

「ーのぞみ88号、間もなく発車いたします。ドア付近のお客様ご注意ください。次の停車駅はー。」  年末ということもあり、新幹線を待つ駅のホームはとても混雑していた。キヨスクでコーヒーと卵サンドを買って指定席に座る。自由席の方を軽く見たが、立っている人もおり乗車率の高さに驚いた。まあ、これを見越して指定席を取ったのだが。地元に帰る時、普段は飛行機を使用するのだが、値段が普段の2倍近くする。そのため年末の帰省は新幹線で帰ることにしている。昨日凛が自殺してしまったことを知った僕は、

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第5章 Utopia -2

「もうすぐ着くわね。」 一時間くらい揺られただろうか。僕らは東所沢駅で電車を降りた。都会のビルの摩天楼に比べて静かな世界が広がっており、家族連れが街を歩いていた。ベービーカーを押す人や子供を肩車して歩く人々で溢れていた。 「こんな住宅街に何があるの。」 僕が不思議そうに聞くと、黒奈が答えた。 「角川武蔵野ミュージアムって知ってる。私そこに前から行ってみたかったの。」 「聞いたことある。美術作品とプロジェクションマッピングを交えたみたいなのでSNSで人気のスポットだっ

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450