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選手の日常やトップチームへの道のり、年代別の補強方針など。知られざる、ばいやん下部組織の内情

—— 以下、翻訳 (ドイツ『SPOX』記事全文)

FCバイエルン・ミュンヘンが、キャンパスをオープンしてから4年が経つ。選手やスタッフたちは、そこでどのように生活し、働いているのか?これまでの成果はどうなのか?今後はどうなっていくのだろうか?また、他に注目すべきポイントも。

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定期的にFCバイエルン・キャンパスの寮生が談話室に集まり、皆でテレビを見る機会が2回あるという。「チャンピオンズリーグはいつも、それに時々、バチェラーもだね」。ドイツメディア『SPOX』と『Goal』に対して、マルセル・ヴェーニヒ選手は、笑顔でこう語る。やや楽しげであり、やや照れ気味でもある。これほど他愛ない内容の番組を見ていることを包み隠さず明かしてくれるのか?

マルセル・ヴェーニヒ選手は、17歳のミッドフィルダーだ。キャンパスの寮で生活し、現在はFCバイエルン・ミュンヘンのU-19のチームでプレーしている。しかし、深刻なメンバー不足により、ここ最近では、リザーブチームでレギオナルリーガ・バイエルン地区(4部相当)の試合や、トップチームでテストマッチにも出場している。実際、チャンピオンズリーグや、テレビ番組「バチェラー」というのは、彼自身の人生や夢、ひいては、あらゆる有望なサッカー選手の人生や夢に、まさに似つかわしいものと言えよう。

チャンピオンズリーグは、究極の目標であり、最も憧れの舞台である。アンセムや、多くの星が散りばめられてはためくセンターサークルフラッグ、スポットライトや、有名な相手選手たち。ある意味、テレビ番組『バチェラー』にも匹敵するような道のりだ。なお、この番組を知らない人のために説明すると、ある男性が偉大な愛を求めて、求愛する数多くの女性の中から候補者を毎回一人ずつふるいにかけていくという、恋愛リアリティショーだ。バラをもらえなかった人は脱落となる。そして最後に残るのは、たった一人だ。ちなみに、この男女逆転版『バチェロレッテ』という番組もある。

この「バチェラー」と同様に、プロサッカー選手への道のりもまた、成功よりも失望の方が多い選考過程だ。より上の年代別チームへの昇格は、いわば架空のバラの花とも言えるだろう。しかし、このテレビ番組では最終的な勝者は1人だが、理論的には、すべてのサッカー選手の中から複数の勝者が生まれる可能性もある一方で、まったく生まれない可能性もある。FCバイエルンはかつて、常に勝者を生み出すことを誇りとしていた。例えば、バスティアン・シュバインシュタイガーやフィリップ・ラーム、そしてホルガー・バドシュトゥバーや、トーマス・ミュラー、ダビド・アラバなどだ。

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