記事一覧
4 クラスCのコンパクト複素多様体について
クラスCコンパクト複素多様体は、正確には、Fujiki-Class Cと言われる。その名の通り、藤木先生が最初に定義した多様体である。現在では、クラスCコンパクト複素多様体は、コンパクトケーラー多様体と双有理同値なコンパクト複素多様体と定義されるが、もともとは、コンパクトケーラー多様体の正則写像による像としてクラスCは定義された。この二つの定義の同値性が証明されたのは、すこし後になってからである。
もっとみる2 複素幾何学におけるPositivityについて
Positivity in Algebraic Geometryという有名な代数幾何学のテキストがある。筆者はこのテキストを読んだことはないが、Positivityについては、思い入れがある。このテキストと同様の意味において筆者がPositivityを考えているのか不明だが、筆者が思うに、代数幾何学や複素幾何学では、Positivityという性質が重要な役割を果たすことが多い。今回はこれらの事実に
もっとみる1 複素多様体の計量について
今回の記事から本論を述べる。いろいろと考えたが、以下、述べる事実に対して、証明はほとんど書かないことにする。この小論を読んで、勉強する人は皆無だと思うので、読み物風に述べたほうが、読者にとっても面白いと考えるからである。もし、気になった記述などがあれば、論文等を参照してもらえるとありがたい。
以後、$${X}$$と書いて、コンパクト複素多様体とする。今回の記事では、計量について述べたい。計量とは