こめ

読万巻書、行万里路

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    リレー形式のなんでも日記。目指せウィークリー。

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誰からもなにも問い詰められない世界に移り住みたい

「生きてるだけで価値がある」なんて建前で人を無条件に包み込むようなふりをして、 建前だけはご立派な世間は、今日もわたしを質問攻めにする。 「どうしてこの会社に入ったの」「どうして大学をやめたの?」「なにが得意?」「どんな番組がつくりたいのか君からは全く見えてこないけど」「何が好きで、大学では何を学んできたの」「それはなんで?どうして?」 ………… 「なんでこんなところで、あなたが生きてるの?」調子がよくないときは特にだけど、これらは全部、わたしの耳にはこう聞こえる。

    • ショック死 日記#13

      恐縮しちゃうような夜だった。 私にその意図はなかったはずだけれど、結果的に自分を晒すことだけは断固として避けながら、人の心を極限まで搾取したんじゃないかと思えてならない。 あまりのショックで、笑ってしまう場面もあった。それも、私の受け止め方を間違って伝えてないか、心配になる。 その人は、「自分の話をするのは全然苦しくない」と言った。「子ども欲しい?」って私に聞いたときどんな気持ちだったのか、考える。あらゆる言葉の裏に、驚くべき事実が隠されているような気がして、この人は一

      • 10月 見たもの読んだもの

        ヒコロヒー「きれはし」(Pヴァイン) ひとりで関西で仕事の下見に行った初日、新大阪駅で買って、その日で読んだ。おばあさんの性愛小説も手に取ったけど、それは買わなかった。新大阪から兵庫の丹波篠山を在来線で往復して、移動と待ち時間に4時間とか5時間とかあった日だった。私はどうも、気になる芸人にはエッセイから入ってしまうことが多い。すごく久しぶりに活字がするする読めて、そのことが嬉しかった。 金原ひとみ「パリの砂漠、東京の蜃気楼」(ホーム社) これもエッセイ。ニューオータニ3

        • 日記#12 結局、備忘録

          2021年11月14日(日) 久しぶりだから書き出し方がわからなくて、リズムが掴みたくて人の記事をいくつか"つまみ見"した。本当は、どうでもいいことだってなんだって、毎日少しずつ吐き出してその蓄積を残したいのに、日が空くとどうしたって「その時期の総括」みたいなことを書こうと頭が働きだしてしまう。これだけ多くのことに直面している毎日、全部の見たもの、全部の思ったことをここに言葉にするのは無理なのに。お父さんと南アルプスで飲んだペットボトルの赤ワインのこと、借りを相殺するために

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        誰からもなにも問い詰められない世界に移り住みたい

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          日記#11 正解のジャッジなんかいない世界で

          7月24日 分かれている気がしない。世間?世界?社会?自分の外なにもかも。昨日の夜、オリンピックが始まった。開会式を見ていた。国立競技場の外では、開催に反対してデモをしている人たちがいて、その音が入らないようにするためか、中継される会場の音楽は異様に小さかった。総合演出が解任され、アフリカ系だからとキャスティングから下ろされた人がいることが判明し、この後に及んで森がまた何らかの役職に就こうとするそんなニュースが出ていた前日に、何もかも忘れて盛り上げようとしているテレビとの落

          日記#11 正解のジャッジなんかいない世界で

          ふさわしさの前に反射したい 日記#10

          雨。原宿の、駅と国立競技場が見渡せるカフェのテラスにいる。最近まで「愛の不時着展」をやっていた建物に、ルイヴィトンの新しいサイネージが光っている。雨は細やかだけど空気は冷たくて、私はポンチョのフードを目深に被って、今季の文藝をぱらぱらと捲る。フードを被って、マスクをして俯いたら、もう本当に1人の部屋で雨音を聞いているみたい。自分しかいない世界。ポンチョ1枚隔てた外は雨。 昨日の夜、久しぶりの友達と電話した。電話自体は久しぶりどころか初めてだったし、かけようと思ってトーク履歴

          ふさわしさの前に反射したい 日記#10

          日記#9 二徹すると血尿がでるらしい

          2021年3月29日 今月に入って、急に忙しくなった。 というより、やっと普通に仕事がある状態になった。から、これまでがイレギュラー。半年ぐらい、仕事用の心は冬眠してたけど、ようやく起きてきて企画もまた書くようになった。 企画を書くようになると、やっぱり毎日が楽しい。このくだらない疑問は、角度とパッケージで真面目に考えられるのかしら。私にとっては説明不要なこの面白さ、はてどうやって切り取ろう。こんなに悲しいこと、どう提示したらみんなで考えられるんだろう。目の前がちょっと鮮

          日記#9 二徹すると血尿がでるらしい

          「答えないよ」って、言いたい。

          質問攻めにされると、傷つく。 数年前からときどき、そういう時に咄嗟に声が出なくて、どうしてかすごく泣きたくて、でもその人の前でこそ泣きたくなくて、心が欠けて異様に悲しい、そういう感覚はあったけど、あれは傷ついていたんだなと最近わかった。 いちいち、質問してもいいですか?って言わない。特に友人関係だと。私だって、たくさん質問する方だと思う。最近なにしてた?彼氏とはどうなの。えー、転職したんだ。次はなんの会社?あの映画どうだった?・・ それは私の、相手に対する関心で、その人

          「答えないよ」って、言いたい。

          日記#8 あけまして6日目

          2021/1/6 例年の如く、読みきれない数の本をリストアップして、見切れない量のDVDをTSUTAYAで調達して迎えた年末年始は、ほぼ未消化のまま今日、終わろうとしている。残されたのは、少し太って、より多くの睡眠時間が必要になった私の体だけだ。 量より質と言うと都合がいいが、ひたすら一冊の本と格闘していた。 大切な人が自ら死にたいと思ったとき、それを禁ずることはできないと思う。能力としてでなく、資格として。己の身体と魂を統べるのは、生の最後まで本人以外であってはいけな

          日記#8 あけまして6日目

          ただの日記 #7 パスポート

          しんどくてしんどくて、筋が通っていなくて人間的な生活なんて全然できなかったADの仕事に戻りたいなと思うぐらいには、この生活がまあまあいやだ。 「いっそ、野放しにしてくれよなあ」と同期と喋った。 ほんと、長期的には役に立ちますから・・本読まして。 景色が机の前のコルクボードから変わることのない毎日、ネットのニュースからのみ企画を見つけようなんて、考えてみたら難しい話だ。 都庁とレインボーブリッジが赤く光るだけの東京アラートが発令されたりとか、持続化給付金予算から20億円中

          ただの日記 #7 パスポート

          ただの日記 #6 BLM

          2020年5月31日 夕方までの時間の短さに、毎日騙されたような気持ちになる。 さっき起きたような気分なのに、あれこれやっていたらもう16時10分だ。 アメリカにいる友だちから、ジョージフロイド事件の映像が送られてきた。既に何が起こったか、大体のことは把握していたけれど、自分から全く調べていなかった。いつも、後追いで、猛烈な怒りの塊がムーブメントとして各地に派生した後になってからそれを知って、感情が湧いてくる。それが純なものか、それとも義務感から湧いてくるのかとか、考え

          ただの日記 #6 BLM

          匿名じゃないと裸になれない

          「自分を晒け出さないと、面白いものは作れない」 この言葉が社会人1年目のわたしを呪縛した。 最近、職場で言われた言葉を引用してばかりだ。 そんなに、覚えているような言葉を人に言われていたのかというのも驚きだし、自分の認識以上に人の言葉に囚われてるのかもなあという気持ちと、否応なしに考え続けてしまうような発言と出会えたのは喜ばしいなあという気持ちがないまぜになる。 きのうの夜、初めてnoteに書いた文章をinstagramのストーリーに全文あげた。ここに垂れ流している文章は

          匿名じゃないと裸になれない

          出演者と制作のリスクの不均衡

          入社半年の頃、「取材相手を守る覚悟が全くできていない」と叱られた。 見よう見まねで書いた企画案を見てもらったプロデューサーに言われた言葉だ。ドキュメンタリーの企画案だった。 「面白い」企画を成立させることだけに躍起になっていて、この中で取材させてもらう人にどんな影響が及び得るか、それを全く考えられていない、という話だった。 正直、少し頭にきた。新人だけど、入社前から自分なりに一番考えてきたことはまさにそこだったし、「企画を成立させるために誰かを犠牲にする」ことに鈍くあるな

          出演者と制作のリスクの不均衡

          トイレ掃除で思い出すフィンランド

          少し前から、友だちとマガジンを始めた。マガジンと言っても、決まりごとはリレー形式で投稿していくこと、投稿の終わりに相手にお題を与えること、ぐらいしかない。note頑張りたいけどサボりがちなお互いの尻を叩き合うのが目的で、補助線のためにマガジンの形を取ってみた。(追記:と、ここまで書いて寝かせ(逃げ)てから早2週間...まじごめん.....) 彼女から回ってきたお題は 「トイレ掃除と、その間に考えたこと」 唐突だけど、インタビューをするときのなにが緊張するって、自分の質問で

          トイレ掃除で思い出すフィンランド

          ただの日記 #5 これはキムチですか?

          朝起きて、鉢に水をやりにベランダに出たら最近では珍しく肌寒く、空もどんよりしていた。下に降りて「今日雨降りそう」と言ったそのタイミングで、パラパラと音がして雨が降り始めた。 「憧れの、雨が予感できる人になったかもしれない」と言ったら、「もう少し早く分かった方がいいね」と返された。 彼氏は朝から韓国語の勉強に没頭している。 学んだ端から、私に共有してくれようとするのだけど、直近の記憶を引き出しながら人に伝えるのを同時にやるのはどうも難しいらしい。一言言うごとに教科書を見直し

          ただの日記 #5 これはキムチですか?

          ただの日記 #4 書けない

          変化がない。 驚くほど変化がない。 毎日8時にアラームが鳴って、唸りながらごろんごろんしてスマホを眺めていると、あっという間に9時を過ぎていて、無に近いいちにちのやる気を絞り出して1階に降りてくる。コーヒーを入れて、適当にパソコンを開いて、適当に逃げて、4本指で Chromeと一向に進まない企画書を往復して、夜になって適当に店じまいする。自粛期間の唯一の変化は、筋トレとヨガが楽しくて習慣化したこと、ガジュマルとブルーベリーとトマトを今のところ枯らしていないこと。 自分な

          ただの日記 #4 書けない