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あの山の向こうに

久しぶりに、私のフォトライブラリーを見返してみた。
すると、山の尾根や稜線を撮ったものが多いことに気づく。

長野県小梅町から八ヶ岳連峰を眺める。


稜線は空と大地の境界線

見えているのに、
なかなか辿り着けない。
手が届きそうで、
とても遠い場所

私はそこに、こころ惹かれる。

鳥取県伯耆町の「みるくの里」から大山。
美味しいソフトクリームと共に♫


山登りによく出かけていた頃、
ようやく辿り着いた稜線は、
視界が開け、空にも近く、
開放的で、そして感動的だった

滋賀県高島市 箱館山から

鳥になる。
そんな気持ちに近いような。
風を感じ、お日様を仰ぎ、そして大地を見下ろす。

そこには見たことの無い景色と暮らしが広がっていた。

そんなかつての記憶が底にあるのか、今でも稜線への興味は尽きない

京都市内から車で1時間。隠れた名所。
京都市右京区京北の山々

稜線は大地と大地の境界線。
昔から、山がクニや文化を隔ててきた。

奈良・東大寺二月堂から生駒山。
奈良と大阪の県境。
子どもの頃は、大阪側からずっと見ていた山


あの山の向こう側に、どんな暮らしがあるのだろうか。
隔てられた先への憧憬
道路や鉄道で、向こう側には容易に行けることもある。
しかし、山は屹立として意識を境界する。

比叡山から続く尾根上に民家が並ぶ。
奥は比良山
滋賀県大津市仰木

山から人の気配が消える夕暮れ時
そこには“神の時間”とも言うべき静寂に包まれていく。

イメージ 
「もののけ姫」から
© 1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND


天と地を分ける境界線。
夕闇迫るそこには、何があるのか。
底知れぬ畏れと、触れてみたい衝動が湧き上がる

稜線には憧れと畏れが共にある

奈良県曽爾村の「曽爾高原」。
夕暮れ時が絶景

京都のまちは三方を、山に囲まれている
比叡山と愛宕山、そして鞍馬山。

いずれもいにしえよりあがめられてきた霊山。
都を守る鉄壁の防御体制だ。

朝靄にかすむ比叡山。
霊山だけに、なお神秘を感じる。


囲われたものの安心と鬱屈うっくつ
そして囲いの外への羨望。

朝靄あさもやのように京都のまちに薄く漂う。

変化への不安と期待。

私も再び、山に登ってみようか

*見出し画像は滋賀県伊吹山山頂から

比叡山延暦寺に続く登山道

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