マダムinNY

ENGLISH VINGLISH

3連休中に「マダム・イン・ニューヨーク」も見たので、感想を書いておきます。

主人公のシャシは反抗期の娘と学齢前の幼い男の子2児の母です。
家族からあまり尊重されていないので、ひそかに傷ついています。
英語が苦手で、「jazz」と言えずに「jaaz」と言ってしまうので、娘からかわれてしまったり、得意のお菓子作りを夫から軽んじられたりしたりという具合です。
ある日、NYの姉から、姪の結婚式を手伝ってほしいという電話が来て、単身NYにひと月あまり滞在することになります。
なんとかNYについたシャシは練習したのに空港での質問にうまく答えられなかったことやコーヒーショップで満足に注文できず店員を激怒させたりしてすっかり自信を失ってしまいます。
ベンチで悲しみに暮れているときに「4週間で英会話をマスター!」という広告を偶然目にして、英会話教室にこっそり通うことにします。

「きっと、うまくいく」につづいて、おとなしい映画を見てしまったので、(あーしまった)と思ったんですが、単館系の善良な映画が好きな層や、育児が一段楽した層にはとても評価が高くなる映画だなと思います。

ダンスがあり、音楽もガンガンなり、メリハリのきいた息もつかせぬストーリーとけれんみあふれるアクション、感情が強すぎる恋愛、ラスト近くのダイナミックなどんでん返し…!私が好きなのはそういうエンタメ映画なので、完全に選び間違えたんですが、「マダム・イン・ニューヨーク」ではそういう激しいことは何も起こらないです。日常のレベルで話が進んでいくので、安心して見られます。映像も美しいです。

美しいといえば、主演のシュリデヴィが可憐で清楚で見とれてしまいます。なんてきれいな顔なんでしょう。目が落っこちてしまいそうに大きい…。草刈民代になんとなく似ています。インドの女優さんはみんなものすごい美人なので本当に感心してしまう。年齢のことを言いたくないですが、50代でこんなにきれいな人を見たのは久しぶりです。
最初のほうのコーヒーショップで注文ができず店員にすごい意地悪されて怒鳴られ、泣いてしまうんですが、これは悔しい!と思って私ももらい泣きしました。
あと、反抗期の娘とうまくいっていないところの描き方がとてもうまく、娘がホントに憎たらしい。こんなすてきな奥さんをいじめるな!という気持ちにさせてくれるので、ずっとシャシに肩入れして見られるようになっています。
姪っ子(二人いて、結婚するのは姉のほう)の女子大生の妹がシャシの勉強をとても励ましてくれます。
シャシの姉が「娘は反抗期とても大変だった」というようなことを言うシーンがあるので、このすばらしい姪っ子も昔はかわいくなく、今かわいくないシャシの娘もいずれいい娘になるのかもしれません。

お子さんがいて、今まさに生意気盛りという方にとてもおすすめです。
私はそういう人生を送っておらず(今後も送らないだろう)、たいへんだよなあとどこか人ごとになってしまうので、「私の映画」ではなかったのですが、これがまさにどんぴしゃ!という人は決して少なくないと思います。

というか、この世代の女性の自尊心についての映画というのがそもそも恐ろしくなるくらいに少ないですよね。そういう見方をしてみるのもいいと思います。

次はバリバリのエンタメについて感想を書きたいです。

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