みやまわこ@民宿カラフル

瀬戸内海の豊島で小さな民宿のお手伝いをしています. https://colorful-color.net/

みやまわこ@民宿カラフル

瀬戸内海の豊島で小さな民宿のお手伝いをしています. https://colorful-color.net/

最近の記事

1.境界の縁側で

1今日は朝から台風の影響で民宿も休業状態。 朝食を食べて少し作業して、ちょっと横になったらお昼まで眠ってしまいました。 曇り特有の仄白い光のなかで目を覚ました時に、あ、昼夜逆転になってしまう、とおもう。 その瞬間、ほんとうにふっと思い浮かんだのが、i 病院で出逢ったAくんのこと。 2神楽坂からほど近い i 病院は割と軽めの半閉鎖病棟で、許可さえもらえば院外へ散歩にも出かけられる、軽度の精神疾患の人が多かったようにおもいます。 わたしの主な症状はいわゆる摂食障害で、その

    • アルフォートというお菓子の正義

      台風が近づいてきて家に籠っているから、久しぶりにPCのキーボードに指を置いてみました。 1秒もせずに条件反射というか、無意識にというか、何を書こうか考えていなかったわたしの指が打ち出したのは、この記事のタイトル。 「アルフォートというお菓子の正義」 なんのこっちゃ、です。 ただ、書いてから、昨日の深夜に寝ぼけながらアルフォートを食べたことを思い出して、その時の背徳感というか、背徳感を感じていて尚これでいいんだ、今これを食べているのは真っ当なことなんだ、という全能感を思

      • 0. 境界の縁側で

        年をとってくると、思い出すことが増えるなぁと思います。 特にふとした瞬間に、バッと。 わたしの場合、20代・30代の精神病院での日々を思い出すことが多くて。 壁の冷たさとか、食器の軽さとか、薬の苦さとか、叫び声とか、簡易メスの切れ味とか、喉の奥のチューブの感覚とか、いろんな要素が一瞬で押し寄せてきます。 思い出すたびに、その想い出を夫に聞かせるのだけど、割と興味津々で聴いてくれます。 いわく、自分の知らない世界が現実にあったことに驚くのだそうです。 そりゃそうだ。 夫

        • 何度でも 20240627

          いつのまにか継続して書くことが止んでしまっていました。 あぁまただ、とおもう。 続けるということの、なんと難しいことか。 もうやめちゃおうかな、ともおもったりする。 でも、ゼロにしてしまうのは勿体無いし、ほんのすこしだけ悔しいから、また何度でも書き始めたいとおもいます。 中途半端なところからだって、始めてみれば積み重ねてゆけるし、それはひとつの形を成してわたしのなかに降り積もってゆくものだから。 昨日は大好きなひとたちに会って、お好み焼きとパンケーキを食べ、それか

          in vitro

          不妊治療に向かう時に通る道や街並みは、なぜかとてもよそよそしい。 ふと、そうおもいました。 そういえば、今まで不妊治療で通った病院までの道のりはどれも、ノイキャンで好きな音楽を聴いていてさえ、なぜが心細くて虚ろな感覚がしました。 心持ちの問題なんでしょうね。 夫が付き添ってくれるときはそんなことはないのに。 おなじ街並みでもひとりのときは、声をあげたのにだれも振り向いてくれないみたいみたいな、自分が取り残されてどこにもたどり着けないような、そんな気持ちになるのです。

          光を観にゆく

          6月ですね。 これを書いて居る今は、深夜の2時。 相変わらずの変則的な睡眠リズムで笑っちゃいますね。 笑いながら、新しい月に入ったことを寿ぎたくてPCを開きました。 5月は本当にバタバタとしたひと月で、びっくりするくらい生きてるって感じがしていました。 「生きてる」なんて大きな言葉、あんまり使わないんだけど、使ってもいいよね、っておもえるくらい、生きていたとおもいます。 ご宿泊のお客様が多かったことはもちろんのこと、自分のやりたいことを目いっぱいやり切った。 けっこ

          また歩きだせる場所 20240411

          たまにはいつもと全く違う、午後4時にPCの前に座ってみました。 すこしだけ日が傾いて、食堂にはやわらかい光が差し込んでいます。 そういえば、一昨日泊ってくれた韓国のお客さんは、無事空港についたかな。 「ワコサン、光ガキレイデス」と言って、カラフルでたくさん写真を撮っていった彼。 宿を出発する時に、行ってきますと言いたいところを「イタダキマス」と言ってしまって恥ずかしそうに笑っていた。 いいんだよ、いただきますでもいいんだよ。 わたし達には、ちゃんと伝わってるから。

          また歩きだせる場所 20240411

          ちいさい世界だし 20240408

          思い返してみれば、「折り合いをつける」ということが苦手だったなぁと。 色々なことに対して、常に0か100かで対応していて、そりゃ疲れるよね、と今となったら笑ってしまう。 好みに対しても、嫌いか好きかしかなくて、「別にどうでもいい」「なんとも思わない」というグレーゾーンがなかったんですね。 常に白黒つけて、善悪つけて、goodかbadでしか判断しないから、世界が広がらないし、居心地がわるい。 前の夫に「わこは世間知らずだね」と何度も言われたけど、確かにそうだったのだと、

          ちいさい世界だし 20240408

          それだけのこと 20240405

          今日、またひとり、友人が豊島を旅立っていきました。 行き先は外国で、豊島に帰って来るかは未定。 いつかまた会える。 そう思っていても、今まで過ごした時間が押し寄せてきて、見送りのみんなの一番うしろで泣きそうになりました。 そんなに多くの時間を一緒に過ごしたわけじゃない。 そんなにたくさんの歌を共に口ずさんだわけでもない。 でも長さでもなく量でもないんだよな。 ただ、顔を合わせた時に、一緒に笑い合うことが、とても心地好かった。 それだけのこと。 でもそれだけのこと

          それだけのこと 20240405

          ほんとうの神さま 20240403

          雨降りの水曜日でした。 だからかな。 一日中眠くて、今日は宿泊客がいないことをいいことに、ちょっと寝ては活動し、また眠っては動き出し、を繰り返していました。 眠っている間は夢を見ていて、夢の内容はほとんど覚えていないのだけど、なんだか穏やかな気持ちで目覚めるので、大量のアイロンかけも水まわりのお掃除も気持ちよくできました。 今日の雨は催花雨(さいかう)だって、テレビが言ってました。 桜をはじめとする春の花々の開花を促す雨のこと。 雨はいつだって、次の季節を連れてきて

          ほんとうの神さま 20240403

          みずみずしい未来 20240402

          昨夜、ナオさんとラヂオを収録しながら、別れ=旅立ちなんだって、唐突にはっきりと感じました。 そんなこと、昔からみんなわかっている当たり前のことなのかもしれないけれど、昨日はその当たり前の認識をさらに深めた夜でした。 次のステップへ進むための別れが旅立ちであることはもちろん、たとえば、それが最期の別れであったとしても、それはまた別の世界への旅立ちであり、そう考えることで、その魂も、生きているわたし達も、前に進めるのだとおもいます。 きっとまた逢えると信じて。 なにかを考

          みずみずしい未来 20240402

          この本があるってことを知れてよかった 20240401

          昨日はお隣の小豆島に渡って、山七文庫として古本を販売を行いました。 お店を開かせてもらった場所は、地元のおしゃれなカフェ「BLUE BEAT BLAND CAFE」で、開店からコンスタントにお客さんが訪れ、多くの方がコーヒーのついでに山七文庫のコーナーも覗いてくれました。 BLUE BEAT BLAND CAFE Instagram →@bluebeatbland 昨日は春らしいあたたかな風が吹く日で、本の販売の合間にテラス席でコーヒーを飲んだり、店主やお客さんとお喋り

          この本があるってことを知れてよかった 20240401

          劣等感ブースト 20240330

          昨日、檀山に登ったら、頂上付近では桜がひらき始めていました。 いよいよ。 いよいよ春ですね。 宿の方も忙しくなってきて、日々、バタバタと動き回ることが多くなりました。 忙しいとは言っても、ちゃんと休み休みやる余裕はあるし、以前に比べて心地好く仕事ができているなぁとおもいます。 豊島に来たばかりの頃は、プライベートにしても民宿の仕事にしても、とにかく余裕がなかった。 嫁入りした家に慣れることにまず四苦八苦したし、短期間で結婚を決めてしまった夫と足並みを合わせることに

          劣等感ブースト 20240330

          からだはもう走りだしている 20240328

          昨日は友人と朝活をしました。 朝活というたいそうな名前がついていますが、わたし達の朝活は30分間と時間を決めて、近況報告をしたり、話しながら出てきたテーマについてお喋りするだけの気軽な時間です。 昨日は「今後実現したいことベスト3」の発表となりました。 マジメか、と突っ込みをいれながらも、真剣に考えるわたし達。 お互いやりたいことはわんさかあるけれど、結局伝え合ったことはすべて、お互いが大事にしている「軸」に関することだったようにおもいます。 だれかの暮らしがちょっと

          からだはもう走りだしている 20240328

          わたしはわたしの畑を耕す 20240326

          日記をつけるようにnoteを書くことが、すこしだけ習慣になってきたようにおもいます。 朝起きて、PCの前に座って、おもったことをそのまま打ってゆく。 これは、アカイトコーヒーのナオさんに勧められた書き方。 ナオさんのリスペクトしている方が、そうやってブログを書いているそうです。 あれこれ考えていたら、こだわりが出てしまうし、時間もかかってしまう。 わたしの本業は民宿スタッフであり、物書きではない。 技巧を凝らして書けるスキルも、書くことに割ける時間も多くは持ってい

          わたしはわたしの畑を耕す 20240326

          うつくしくない日など一日もない 20240325

          「書くことが祈りだった」 その言葉を受け取ったのは、ずいぶん昔のことだから、もう誰の言葉であったのか忘れてしまったけれど。 その言葉はわたしにとっては、首がもげるほど頷けることの一つです。 誰に向けるでもない、ただ記すことへの信頼は、そのまま自分自身と自分以外の誰かへの手紙となります。 わたしはきっと、「元気でいますか」と問うように、ものを書いて居るのだとおもいます。 ここ数日、雨や霧の日が続いていて、流れる空気がとてもしっとりとしています。 憂鬱、というよりも、

          うつくしくない日など一日もない 20240325