kanamori

写真を撮りながら少しずつ文字も書いてます

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マガジン

  • 主人公でもなければ、一ミリも成功していないアラサー

  • 優しい時間

    日常にありふれたどうしようもない葛藤の話

最近の記事

主人公でもなくて、一ミリも成功していない私の話

私は今人生で初めての就活をしているんですが(齢27)、自己分析をするうえで自分の気持ちを少しだけ整理したくて、大学から今までを自戒の念を込めて書き留めておこうと思います。 ※以下有料にしておきます。不特定多数には見せたく無いけど、ネットに転がしておくことで見られているかもしれないという気持ちになりたいだけです。読みたい方は自己責任です。万が一にも購入してくれる方がいたらそれは私への応援の気持ちだと思って大事にします。

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    • 海外で生きること 語学学校でのお話

      早いもので、日本に帰国して早4ヶ月経ちました。今回は、私が去年在学していた語学学校での出来事とそれにまつわる英語のフレーズについてのお話です。 私はもとよりとてもネガティブな人間で、人見知りも激しくコミュニケーション能力もそれほど高いわけではありませんでした。そんな私が、英語もままならないまま海外の語学学校に入学して、すぐに馴染めるはずもありませんでした。 それは私が入学してから1ヶ月ほど経ったころの出来事です。その時は学校の制度上同じ英語レベルのクラスがいくつかあり、人数

      • 海外で生きること 第3回

        お久しぶりです、今期の日本のアニメにはまりすぎて英語を忘れかける日々です。本末転倒かよ。勉強しよ。 さて、前回は学校のことについて書きましたが今回は食のお話。 アイルランドの食のイメージってなんですか?ポテト?私も日本ではアイリッシュパブで働いていたので、とりあえずポテトとか魚とかのイメージでした。 まあその通りですね。韓国で何にでもキムチがついてくる感覚と同じ感じで、何にでもポテトが付いてきますね。それだけじゃないんだろうけど、ダブリンで知り合った日本人はみんな口を揃え

        • 海外で生きること 第2回

          こんにちは、こんばんは。Hello 最近風邪をひきました。なのでやっとの第二回です。そういえば今週、学校を卒業しました。今回は前回約束した通り、学校と食について書いていこうと思います。 私はワーキングホリデービザなので、語学学校もしくは大学などに行く義務はありません。英語に自信がある人は、学校には通わずに仕事を探すのもいいでしょう。私は学生のころの英語の勉強には自信があったものの、しばらく勉強していませんし、せっかく海外なのだからこっちの学校の授業を受けてみたいと思い語学学

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        • 主人公でもなければ、一ミリも成功していないアラサー
          1本
        • 優しい時間
          10本

        記事

          海外で生きること 第1回

          お久しぶりです。アイルランドに来て早5ヶ月が経とうとしています。初めてダブリンへ着いた日にいろいろトラブルがあり、その後もトラブルが続いていて、めまぐるしい毎日だったのですが、ようやく落ち着いて来てこうやって記事をかけるようになりました。 日本はおろか、地元名古屋でさえも長期ではなれたことがない私が、まさかの海外、しかも超マイナーなアイルランド。え、アイルランドってどこ?イギリス?と思う方もたくさんいると思われますが、近年アイルランドに語学留学やワーキングホリデーで住まれてい

          海外で生きること 第1回

          さよならメビウス

          さよならメビウス

          君と群青。

          君を追いかけていた。群青の空を眺めている、近くて遠い君を。 夜の歩道橋、遠くには煌びやかな街のネオン。そっと手を伸ばしても、この手は届かない。手すりから身を乗り出して、道ゆく車をただ眺めていた。 知る限りでは君は甘党で、苦いコーヒーも缶ビールも好きじゃない。飲んでいるのは決まって糖分の塊の炭酸飲料か、アルコールといえば缶酎ハイ。 一緒に出かけたある日、適当に通りかかったカフェで甘いケーキと甘いジュースを飲みながら微睡む昼下がり。君は眠そうに目を擦りながら、窓際のテラス席か

          君と群青。

          嘘つき side A

          「ウソツキって鳥、知ってる?木を長いくちばしでつついて食べ物を取るの」 「それはキツツキでしょ」 「違うんだって、ウソツキ。そういう鳥なんだよ」 何を言ってるんだと、今日も俺は呆れ顔をする。向かいに座ってる男は飄々とした態度で、面白くないダジャレにしては自信ありげな表情だ。 こいつは小学校からの幼馴染だ。明るいポーカーフェイスで、冗談や嘘が上手い。このくだらない話だって、彼が言うもんだから本当のように聞こえてくるから怖い。 俺たちは中学高校、偶然にも大学と就職した会社

          嘘つき side A

          箱庭

          人生は箱庭である。この街も、学校の教室も、スマートフォンの中でさえも。 人は常に何かに囚われながら生きている。まるで堅牢な壁に囲まれた世界。 そんな自由のない息苦しさに耐えきれなくなって、仕事を辞めた。もうあの意地悪上司に悪態をつかれることもなければ、意味のない残業に苦しむこともない。 毎日朝早く起きなくてもよくなって、暇と思える時間が増えた。 植物を育ててみる。毎朝、適度な水をやる。 「おはよう。」 朝の挨拶をしたら、朝食を作る。トーストと、マーマレード。時々目

          とある話

          雨が、春先のあたたかい空気を濡らす。 きっとこの雨で桜が落ちてしまうだろうな。 ゆっくりとした自殺願望が私にはある。毎年この季節になるとその思いが強くなる。桜を見上げる私の手にはいつでも首吊りロープ。春の匂いに、私の視界が歪む。 幸せでないというわけではなかった。でもどこか寂しかった。愛されてないわけでも愛していないわけでもない。けれど。 桜の木に、ロープをかけた。人の通らない時間を見極めていた。コンクリートブロックの上に立つ。 不自由はなかった。そこそこの家に住み、

          とある話

          僕の隣に。

          君はいつでも生きるのが上手くない。 そんなところが好きになったといえば、間違いではないのだけれど。 僕だって生きるのが上手くない。落ち込んでは何度もホームに足を向けていた。君と出会う前 は。 それは晴天のある日。花屋の店先に並ぶ数多くの花たちを、恨めしげに眺めていた時、その花にも負けない笑顔を向けてくれたのが、君だった。一目惚れというのは、こういうのを言うんだな、そう感じた。というか、その笑顔につられてポピーの花を一輪買ってしまったのだけど。 それからというもの、花屋に足繁

          僕の隣に。

          きこえる。後編

          ああ、猫の声がうるさい。 ふと気がつくと、部屋に夕暮れの光が差し込んでいた。そうか、私は仕事を休んで1日こうしていたのか。机の上のコンビニ弁当は、昨夜のままで手付かずだ。 時間を確かめようとして、携帯を手に取る。 無断欠勤をしたのだから、上司から着信が来ているであろうと思ったが、そんなことはなかった。 着信はありませんの文字を見て、ついに私は今世の中からはじき出されたと悟る。 携帯が手から落ちて床に転がると同時に、ごとんと無機質な音を立てた。 また、猫の声が聞こえた。どこ

          きこえる。後編

          マリッジブルー

          深い青。 いつものように訪れた朝。 慌ただしい人たち。 ぼんやりとした頭のまま、椅子に座る私。 半透明の白いヴェール。 誰かが何かを言った気がした。 私には聞き取れなかった。 白い手袋をはめる。 その手に、小さくて美しい、青と白のブーケ。 最愛の人が呼んでいる。 行かなくちゃ。 純白のドレスの裾を踏みそうになりながら。 私は、今日、結婚する。 #ショートショート #詩

          マリッジブルー

          きこえる。 前編

          猫の声が聞こえる。 どこがで私を呼んでいるように、小さな猫の声が。 灰色の空は、このごみごみとした都会を表しているようだ。私はそんな小さな、けれども大きなビルが立ち並ぶ世界に住んでいる。12月の寒い空気に晒されながら、人々は忙しそうに行き交う。スクランブル交差点、駅前のロータリー、不思議なモニュメントがあるそこは見慣れた景色で、私は今日もその人々の中の1人だ。 こんな灰色の街を、不思議と寂しく思うことはない。帰れば電気さえ出迎えてくれないワンルームのマンション。部屋に足を

          きこえる。 前編

          こんにちは。 金森と言います。 作品は全て私の実体験や考えたこと、思ったことに脚色して文字化しています。 世の中の皆さんが、共感したり、また共感できない作品もあるとは思いますが、リアルを感じ取ってもらえたら嬉しいです。 誰かと対になるお話を書いてみたい、そんな金森でした。

          こんにちは。 金森と言います。 作品は全て私の実体験や考えたこと、思ったことに脚色して文字化しています。 世の中の皆さんが、共感したり、また共感できない作品もあるとは思いますが、リアルを感じ取ってもらえたら嬉しいです。 誰かと対になるお話を書いてみたい、そんな金森でした。

          煙草の火

          帰り道、私はふと煙草を取り出す。 暦の上ではもうすぐ春一番が吹く、けれどもまだまだ外は冬の装いだ。 煙草に火をつける。使い古したジッポライター。そういえばこれは昔好きだった人からもらったものだったな、センチメンタルな気持ちになってみる。 冬はいい、煙草がうまい。風に乗せて煙が流れていく。冷たい空気と煙が混ざっていつもとは違う匂いがする。 春がやってくる。私の一番好きで一番嫌いな季節。 貴女と別れてどれくらいだろう。今も変わらず元気だろうか。遠い地で、あの時と同じよう

          煙草の火