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「メンヘラ」が日常単語となることで、「身体機能、認知機能、個人因子、環境因子」が置き去りにされる危険①

WHO(世界保健機関)の推定では、うつ病患者は人口の約3%いるとされている。


高齢者の約5%は、うつ病を抱えているとされる。


人間は加齢によって、「身体機能、認知機能」が低下する。


「身体、精神、認知」は互いに影響を与える存在である。


加齢によって2%もうつ病が増加するのは、「本当に精神機能だけの問題なのか」を熟考する必要がある。


加齢によって20人に1人がうつ病になるなら、単純に精神科受診で薬物療法やカウンセリングだけで解決できるのか疑問もある。


「メンヘラ」という言葉がカジュアル化して歌舞伎町に若者が居場所を求めて彷徨う時代に、精神のみに特化する危険性を感じる。


日本漢字の難しい「高次な脳機能障害」は、見えにくい「谷間に陥った症状」と呼ばれることがある。

うつ病が精神機能のみに特化されることで、「谷間の見えにくい症状の全て」がうつ病診断となる可能性もある。

うつ病が精神科や心療内科で完治すれば万事解決であるが、うつ病の再発率は極めて高い。


うつ病の偏見が軽減したことで、薬物療法やカウンセリングによって救われている人達も多い。


薬物療法やカウンセリングと休息によって、救われているうつ病患者が多いことも事実である。


精神科や心療内科での治療はとても大切であるが、「身体、認知、個人因子、環境因子」を置き去りにしてはいけない。


「個人因子、環境因子」はカウンセリングなどで当然に評価分析するが、「身体機能、認知機能」が置き去りにされることを危惧している。

日本でも心を病む人の人数は年々増加しており、精神科医や心療内科医の数は増えている。


メンタルクリニックが増加して、「メンヘラ」という言葉が日常的になっている。


うつ病の診断と治療後に職場復帰した人の約半数が、5年以内に再休職をしている研究結果もある。


うつ病の再発回数が増えるごとに再発率が高まり、パフォーマンスが低下すると日本厚労省の調査で報告がされている。


日本人のメンタルは弱くなったのではなく、「メンヘラ」という言葉が日常的に使われて精神科や心療内科の受診がカジュアル化している可能性もある。


日本の精神医療ではメンタルの不調が治せていない現実がある。


精神疾患と診断するべきかどうか不明な人にも安易に病名がつけられる。


「適応障害」や「軽いうつ」と簡単に診断されるケースもある。


2024年にうつ病患者が急増しているわけではなく、精神科や心療内科の受診者が増加している背景を見逃してはいけない。

日本ではかつてメンタルの不調に対する偏見が強かった。

かつての日本は偏見や差別から、精神科を受診する人が少なかった過去がある。


「うつ病を発症するのは、心が弱いからだ」という、勝手な偏見がかつての日本には多かったように思う。


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