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臨床心理士への随録

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大学院入学から臨床心理士になるまで/2018.3-2020.12/心理学/臨床心理学/臨床心理/臨床心理士/公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/心理カウンセラー…
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2019年11月の記事一覧

「脱サラ心理士のメリデメ」 臨床心理士への随録 心理学

都心にあるクリニックには、会社での人間関係や仕事を通じてのコミュニケーションで精神異常をきたすクライエントが数多く来院する。

私はこれまでアパレル、旅行情報、シニアサービスの3つの会社に勤め、営業、デザイン、マネジメント、営業推進、人事総務と様々な職種を経験してきたこともあり、転職や転勤事情も含めてクライエントが語る職場での出来事への理解や共感ができているように思う。しかし一方で、本当のところで

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「うつになったら体を休める?逆に動かす?」 臨床心理士への随録 心理学

「うつになったら体を休める?逆に動かす?」 臨床心理士への随録 心理学

うつ病は10人にひとりが経験する病気です。うつうつしい気分が二週間継続したら、クリニックの門戸を叩きましょう。早期発見・早期治療が功奏します。

うつ病の治療が始まると「まずは寝ましょう」と言う先生と「寝てばかりいないで体を動かしましょう」と言う先生がいます。どちらが正しいのでしょうか。

結論から言えば、どちらも正しい。うつ病治療は、抗うつ剤(SSRIなど)の服薬と、十分な休養をとることから始め

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「中年の星」 臨床心理士への随録 心理学

「中年の星」 臨床心理士への随録 心理学

巨人の星は星飛雄馬、愛知の星は諸星大(スラムダンク)、さて中年の星は。

中年は何歳か中年とは何歳くらいだろう。中高年と言われたら幅の曖昧さが一気に増す感じがする。高齢者は65歳以上が一般的かもしれないが、定年退職や年金支給が70歳になったらどうだろう。かつては60歳が高齢者と言われていた。発達心理学においても、時期・期間の呼称や区切りの年齢は学者によって定義が異なる。

生涯発達理論で中年期また

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「知能検査で発達障害は弁別できない」 臨床心理士への随録 心理学

「知能検査で発達障害は弁別できない」 臨床心理士への随録 心理学

大人のADHD(注意欠如・多動症)なんて言葉がメディアで取り上げられるようになり、自分の生きづらさを発達障害に求める人が増えてきたように感じます。私が勤めるメンタルクリニックで実施できる心理検査は少ないのですが、世間の動向からか、WAIS-Ⅳの導入が検討されています。

WAISとは16〜90歳を対象としたウェクスラー式知能検査です。Wechsler Adult Intelligence Scal

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