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臨床心理士への随録

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大学院入学から臨床心理士になるまで/2018.3-2020.12/心理学/臨床心理学/臨床心理/臨床心理士/公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/心理カウンセラー…
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2019年6月の記事一覧

「メンタルクリニックでの勤務、始まる」 臨床心理士への随録 心理学

「メンタルクリニックでの勤務、始まる」 臨床心理士への随録 心理学

産業カウンセラー資格と、臨床心理士および公認心理師取得予定者の看板で、都内にあるメンタルクリニックで心理カウンセリング業務を開始しました。

昨年よりは時間が取れるとはいえ今年は大学院生活が優先ということで、今のところは週一日のみの勤務にしています。有料のカウンセリングは既に大学院の心理相談室でも行なっていますが、クリニックで白衣を着て行うそれとはやはり意味合いが異なるため、私にとってはこれがデビ

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「うつ病〜気が滅入るレベルで病院に行こう」 臨床心理士への随録 心理学

「うつ病〜気が滅入るレベルで病院に行こう」 臨床心理士への随録 心理学

基本的な知識として、うつ病には単極生と双極性があり、気分の低下を示す抑うつエピソードと、気分の高揚を示す躁病エピソードのあらわれ方で区別をする。抑うつだけなら単極性、抑うつ期と躁期があるなら双極性となり、持続的な気分の変調によって困難が生じる点では同じである。うつ病の罹患率は10%程度といわれており、希少な病気ではない。ちなみに男女比は1:2で女性の方が多い。単極性は40〜50代に多く、双極性は2

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「本を読むときに何が起きているのか」ピーター・メンデルサンド著 臨床心理士への随録 心理学

「本を読むときに何が起きているのか」ピーター・メンデルサンド著 臨床心理士への随録 心理学

臨床心理学の教授は、小説を読めと奨めます。

本の中の物語は、読み手が活字を心象に変換し、それを自分の内側に描映することで進行します。心理面接も似ています。クライエントが発する情報から、セラピストはクライエントが体験した世界を想像するのです。他者のことを100%理解することなど不可能なのですが、準拠枠を豊かに耕しておくことが理解の一助になります。小説が準拠枠に与える影響は大きい。特に若い時に多くの

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「心理はメスではなく言葉で切る」 臨床心理士への随録 心理学

「心理はメスではなく言葉で切る」 臨床心理士への随録 心理学

「医療はメスで切って縫合するけど、心理は言葉で切って言葉で縫っていく。」

いつかのグループ・スーパービジョンでこんなことを言われてから、言葉で切ること、言葉で縫うこと、について考えさせられている。

ここでもまた言葉だ。どうやら心理屋にとって言葉は切っても切れない存在らしい。

「言葉」の語源は諸説あるようだけど、「言(こと)」と「端(は)」の複合語だとする説が自分にはしっくりくる。古くは「言」

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