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夏を越す


上半期もあっという間に過ぎ、6月最後の日、散歩がてら外へ出た。

公園に着くなり、むせかえるような懐かしい夏の匂いがして、紫陽花や木々の緑が、いつもより間近に迫ってきた。

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そのエネルギーに圧倒的な愛を感じて、身体が内側から躍動する。

空を見たら、雲も夏の準備万端。

本格的な入道雲まではいかないけど、確実にボリューム感を増した雲が、ユニークにお迎えしてくれる。

ハートまである〜❤️

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大きいのと小さいの、ふたつあるね❤️

上流の方へ向かって歩く途中、ベンチで休んで、また友人と電話する。話したいタイミングが合うってうれしい。

電話してたら、リードなしで自由に散歩する白のチワワが近づいてきて、わたしの座っているベンチの足におしっこをした。

そのまま行くのかな?と思ったら、すりすりしてきたので首元や頭、背中を順番に撫でてあげる。時々見上げてくるつぶらな瞳が、とてつもなくかわいい。もういい?と聴いても、動かないから、これでもかってくらい撫でまくる。

飼い主のおじいちゃんは、6〜7m先にポツンと立って、ただ待ってくれている。素敵な飼い主さんだ。

ワンコに、おじいちゃん待ってるよって言ってみるけど、まだ、動かない。

こんなに撫でさせてもらっていいの?ってくらい撫でさせてくれて、覗き込むように見上げてくるクリクリの瞳、その愛くるしさがたまらなくて、悦びが込み上げる。そしてしばらくして、そろそろお腹いっぱいだよって時に、ちょうどウォーキング中のおばちゃん三人が賑やかな雰囲気でワンコに興味を示し、近づいてきた。

するとワンコは、その小さな身体で元気いっぱいにおばちゃんたちの足もとを飛び跳ね、まとわりつき、一緒に飼い主さんの方へと向かっていった。

なんとも自然な成り行きでバトンタッチ。

そっか、別に、急いで飼い主さんのところへ返す必要なんてなかったんだね。

ついつい、人のこと気にして、急いでしまう癖が出る。飼い主さんも焦らず待ってくれてるんだし、何も気にせず、ただワンコとひとつになってればよかったね。

そのまま、近所の神社へお参りへ。

ちょうど夏越しの大祓いという行事をやっていたので、せっかくだしこの半年の穢れをリセットするつもりで輪っかをくぐろう。

15分ほど、急な坂道をのぼってたどり着いた境内前には、愛らしい風鈴と短冊が、風に吹かれ涼やかな音色で迎えてくれた。

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どこへ行っても、誰かが、何かが、大きな腕を広げて温かく迎えてくれる。

なんかわたし、迎えられてばっかりだな。

そんなことを感じて、すぐに涙腺が緩む。


境内には人がいたので、参拝はあとにして、先に御神体の岩の方へいく。

大きな甑岩をぐるっと回り終わると、さっき境内でお参り中だった人たちがのぼってきた。

入れ違いで境内へ降りると、もう誰もいない。

心置きなく静かにお参りをすませる。

そのまま、帰ろうと階段を降りたタイミングで、輪っかをくぐり忘れたことを思い出す。

すぐに引き返して、無事に輪っかをくぐり、今日のやりたいことは完了。

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決めたことやり終えるとすっきりするね。

山を越え、また山をくだる。

今年の夏は、少しずつエネルギーの動きが活発になる予感がする。

目には見えない、その存在から溢れる愛に触れて、

自分らしさが、取り戻されていく。

一期一会がたまらなく好きだ。



夏が始まる。


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