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視界

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海の馬と鹿

海の馬と鹿

冷たい風が吹く
走る、走る
手を握って
声を聞いて
目を見る
今日の布団は特に暖かい
笑いながら 眠ったのにも気づかない
寝言で話した

焼き付いてる
一番美しい瞳を知ってるの
入力された私の愚か
あなたの言葉によって変換される
その携帯 ヘッドフォンから
安堵と愛を閉じ込めて
大好きなのに忘じて
大好きだから忘じて
離さなくていいように長く長く抱きしめる
あなたしか大好きじゃないよ
もう染み付い

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空腹

空腹

お腹いっぱいまで食べることも無くなった
うつむいて歩いていたけど
涼しい顔をしていた
最近は大通りから帰ってる
大きすぎないマンションやアパートが好きだ

あの丸メガネが魅力的だったから絵に描くことにした

あなたの音楽の聴き方が好きだ
今日あの子に挨拶しなかったら
どうなるとか
くっついていなければ
どうなるとか
そんな面倒なことは考えない
夢に出てくるあなただけは実物と違って
気まぐれだ
私も

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私見た、東京。

私見た、東京。

その人はわーわーと嘆きながら電車に入ってきた
人の目は気にしなかった。

ここ、ドアの近くだから寒い
多分、時間を無駄にした
こころを乱して店に入る
美味しいと思えない、パンケーキを食べる
ふわふわしたそれ以外に何かが入っていそう
なんだかわからない味がした。
シロップは半分もかけず、大きなミルクティーを飲んでいた。
ドアの向こう、青い雨具の男の子がこっちを見てる。
ここまで超えてきてもう戻らない

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色に耽る

色に耽る

送ったメール
朝から甘ったるすぎた気がした
馳せる 馳せる
あの涼しい青が私を待ってる
流れる窓の外は変わらず
あなたのそばにいるよ

エンディングテーマ
別にわかりやすいドラマが嫌いでも
想像してるよりずっと切なく
公園の空と夜の海
透き通る肌と髪
素直な青が思いを馳せる

滅茶苦茶

滅茶苦茶

駅や車内
君ではない誰かに
じっと見られても
苛々しない

たくさんの蟻や
巣を張った蜘蛛にあう
そんな不運に見舞われても
怖くない、

固体炭酸

固体炭酸

ガチョウ、底抜けのバケツ。
 あの長い長い年月、それまでに半分くらい溶けた氷は再び固まっていた。けれど、不恰好な形になった。それはもう固体炭酸だった。
 ある日から、ものすごく寒い場所にいた。だから日向ぼっこをしたりした、美味しいものも食べた。暖かい布団で寝た。
 そのある日から、鏡というものが見えなかった。時計も凍って止まっている。雨を溜めようと、底が抜けたバケツは物の意味を成していない。
 勝

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距離を測る

距離を測るのが上手だ
あなたの共感に救われ
このままだと
どきどきして
また手を繋ぎたくなる

どきどきして

どきどきして

時を遡っている
隣にいる私はいつでも
手を繋いでいた
駅を過ぎる度に
時間が経っている
今日も もう外が暗い

私は笑っている

距離を測るのが苦手だ
誰かの不安に駆られて
このままだと
どきどきして
また手を繋ぎたくなる

好きな音楽を聴いて
好きな作品を観て
チョコレ

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此の中

此の中

鏡に言葉が映って見えた
口から退屈が溢れた
洗面台に落とした
口紅は流れていった

サヨナラ
悲観的 厭世的
必死にいようにも
有るもの、悲しく

林檎
憧景
渇望
林檎
憧景
渇望
葛藤
失敗
過信
奇矯
異常
過剰
居常
非凡
破綻
野望
憧景
渇望
覇気、覇気、覇気。

赤い酒

赤い酒

言い足りない幸せが
私、今も言い切れない幸せが
もう何か不思議なものを知った気がしている

より特別な日の朝
私は眠らなかった

朝焼けで溶けて
登るそれは何者だろう

邪魔してはいけない
邪魔をすることを言ってしまって
気が引けた

霰を、浴びたい
なら浴びればいいじゃん、

母に注がれたお酒を飲む

まだ大人になれなくて悔しい

すごく苦かった。

いつものこと。

いつものこと。

頭の中まで響いた
動けなかった
嬉しかった
電話、あなたは喧騒にまぎれている

私 どうしたらいいかわからないのに
すっごく落ち着いて
少しずつってそう言った

その言葉はあなたの体温
もうなんかあっつくなった

大人っぽくて
悔しい
好きだ

おはようも、おやすみも
頑張っても、お疲れ様も
これからも欠かすことはないんだよ

今日は寒い
新橋駅のホーム
前の無機質な壁を見るとまた思い出す

家まで

家まで

"完璧な人はいない"
あなたがしてたこと全部が強くなって
溢れそうになったところだった

この時間は静か
電車を降りて久しぶりに遠くを見た

あの曲のイントロが心地よくて
音量を上げる
あなたの声が近くにある事がよくて
引き伸ばす

星を見ると指先が冷たくなる

同じ道を歩くことは嫌いじゃない
ゆっくり なんか商店街みたいな場所を
歩いているみたいで
いつもの道の知らないところを見つけたりして

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さっきの夢

さっきの夢

あの明るい頃
月照らす夜

眠っても見ねない夢はもう見たよ
あきらめるとかそこまでもいかない
私だけの現実

どこにいても
変わらないよ
あの日はもう終わったことよ
周りを見てよく見てみて
何もないよ
誰もいないよ

この星はずっと光っている
いつか届いて私は手にする

あの空高く飛ぶ鳥よりも
ずっと飛んでいたいなんて
私は元気だから
きっとそうする必要はないけど

私はもう溺れている子供
そんな

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瞑らない

瞑らない

何もない空
夕方だった

少し似ているけど似ていない
別々の色の絵の具を重ねて塗っていた

私は新しいものを生み出したよう
喜怒哀楽は
抱えきれていない

あなたがかける眼鏡に
指紋がついていないか
少しだけ気にした

もっと遠くの景色を見ようと
繋いた手を目に焼き付けるように

コンタクトも乾くほど見つめたあとで
涙が溢れそうになる

頭を撫でられる感覚は
一人で立てたあの頃と変わらない
目を瞑

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背表紙

背表紙

もう断ち切ってしまおう
この魔法で
今がいいだろう
もう誰かを裏切ろう

舞台はそこじゃないよ
あなたとは違う
妬ましさ 私はあなたじゃない
舞台はそこじゃないよ
向かう場所 逆方向
誰かが見てる
黄色 赤信号
妬ましさ 私はあなたじゃない

音量は上がる
歌う
詩を歌う
なんでもある所
そのコピー機は粉々にして
お釣りも もうあげない

そろそろもう私なんか見ない方がいい
あなたなんか私じゃな

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