コロナ感染7日目:世界の端っこからものを見ていると。。。
毎朝同じアナウンスで起こされる。
6日前からコロナ感染でホテル療養をすることになった僕は、朝の6時45分に館内放送で体温と酸素飽和度と脈拍を測って、LAVITA(ラヴィータって何だ!?)という計測システムに7時までに入力しないといけない。そのためのアナウンスで起こされるわけだ。
入力しないと内線が掛かってきて、内線も出ないようなら扉をぶち破って看護師が登場するという事態に至ってしまう。
夜も眠れず遅かったので朝は遅くまで眠っていたいのだが、計測は7時までで朝食は8時から一時間しかない。
そんなこんなで狭い部屋に1日中閉じ込められているとあまりいい気はしない。窓も数センチしか開かない。ずっと同じ風景で都会の高層ビルが拡がっているだけ、何の変化もない。眼下には小さく公園が見えており、幼い子供と母親が遊びに来たり、夜に中学生と思しき集団が騒いだりしている。変化と言ってもそんなものでしかない。
大好きな音楽も自分の無力さと閉塞感を逆に感じるだけで聞きたくもなくなってしまった。
仕事も休みながらリモートをやり始めた。家からパソコンは持ってきたので会社のパソコンと同期して資料を作ったりしていた。この日は商談がある。
本当は会社からは休んでいるのだから商談などやめておけと言われていたのだが、いちいち商談先に経緯の説明なども面倒だと思い、そのままリモートで商談をすることになった。
ただこの日はコロナ感染症発症から7日目ということもあり、保健所や診察した医師、看護師、薬局からの新薬追跡調査などの電話が何件もあった。こちらもネットで調べたことや疑問に思ったことを訊いたりしていたこともあり、思いのほか時間がかかって電話だけで30分くらいの電話が10件近く掛かってきた。
結構、うんざりだ。。。
それに食事の配布時間も決まっていて朝は8時・昼10時・夕18時で決まった一時間以内に終わらせなくてはいけない。必要なアメニティもそこで揃えなくてはいけない。とくにウェットティッシュはすぐに無くなってしまうので早めに行かないといけない。意外と消毒に使用したりもしてすごく重宝するのである。
時間で区切って管理されてしまうと資料作りが捗っているときなどはゲンナリしてしまう。
この日は入所1週間目と言うこともあり、下に食事の写真を載せたので見てほしいのだが、弁当の献立は1週間でメニューをまわしているらしい。
1週間前の入所した当日に食べた夕食がそのまま出てきた。昔の海軍の金曜日にカレーが振るまわれたことと同じようなことなのだろうか。唐揚げ弁当で木曜日を認識するみたいな?
まあ、どう言おうが、この弁当に自分は救われたと言っても過言ではない。「見捨てられていない」という感覚を持つことができたから。
このホテル療養の食事は、アレルギー配慮されたものも出してもらえる。
療養しているのは日本人だけではなく、ホテルでは金髪のモデルみたいなほそーい美女にも遭遇したし、ムスリムなのかな?という男性もいた。
そういう人たちに配慮してのアレルギー食と言うことで中身が見えないように部屋番号のみが記された袋に入っていた。
結構そういう人たちも多いみたいで毎食10袋以上が別テーブルに並べられていた。たしかに世界には牛や豚を食してはいけない戒律があったりもするのだろうし、菜食主義やクスクスしか食べたくないという人もいるだろうし、米はサラダなんだからそんなものは食べたくないという人もいるかもしれない。
それだけでも世界の広さを感じさせる。それをも選択のなかに入れてくれる都政の懐のふかさも感じられた。
僕たち、コロナ感染者は見捨てられてはいない。誰からもだ。
いろいろな行政からのサポートも受けられる。実際に様々な相談窓口や対応をしてくれる。調べてみるといい。コロナ不安は心理から金銭まで多岐に渡る。差別的な心情や体験もあるだろうし、会社によっては不平等な対応をしてくる会社もなくはない(自己責任なのだから有給休暇は認めない、とか)。
そういうコロナ感染における諸々の権利を都は認めている。
下手すりゃ、会社に出る前に陰性の検査をする必要があるのか?という僕の問いにも保健所の職員は丁寧に対応してくれた。それだけ税金を投入しているのだ。コロナ感染者ばかり手厚くしやがってという逆差別を生みかねないほど手厚い。胸を張れることではないけれど、生きていく権利を行政は保障しているということは理解しておいた方がいい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?