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サレ夫の話

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期待を裏切らないクズっぷり〜サレ夫の話20〜終

サレ夫の話、最終回です。 慰謝料は分割にし、月々5万円を月末に振り込む予定になっていた。 最初の振込日にはきちんと振り込まれていたが、翌月の振り込みが滞った。 ホント、クズ。 もう連絡なんかしたくなかったが、分割を許可したのは自分なので仕方ない。 私『本日、振込を確認できませんでした。初回なので目を瞑りますが、明日までに振込が確認できなければ書類にある通り遅延損害金を上乗せして振り込みしていただくことになります。金額は日数により変わりますので、振り込み可能な日を連絡

公証役場〜サレ夫の話19〜

人生初の公証役場である。 中は役所の出張所のような感じで、受付の対応も極めて事務的だ。 こちらは様々な思いを経て、今この場所にいる。 だからといって事務員に何かを求めるわけではないのだが、何というか、情緒的な何かがあったらあったで違和感はないと思った。 取り扱っているのは不倫問題だけではないことをこの時は忘れていただけなのだが。 公証人は厳格な雰囲気が漂う初老の男性だった。 時間より早く来ていたからか、別室に案内されて着席してしばらく、まだ隣は空席だった。 じき

ナメるなよ〜サレ夫の話18〜

後日、公証役場にアポを取り日程をメールでHに伝えた。 すると意外な反応があった。 H『かえる様。やはり公証役場に行くことはできません。すみません。』 え?どしたどした? 私『なぜですか?』 この問いについての返事は無かった。 ははーん、さては逃げる気でいるな? そう容易く逃げ切れると思うなよ。 ナメるのもいい加減にしろ。 私『わかりました。では内容証明をお送りします。それでも反故にするようであれば民事訴訟、最終的には強制執行になると思います。その面倒な手続きを省

サイコパスH 後編〜サレ夫の話17〜

前回の続き 私「もういいです。Hさんはこれからどうやって償いをするつもりですか?」 H「お金ですか?」 私「それ以外ありますか?」 H「そうですか、そうですね、分かりました。金額は言ってくれればお支払いします。」 ふむ、良い心がけである。 私「では書類を作ったので目を通してください。金額は総額200万で、OKならサインしてください。」 貯金がいくらかは知らないが工場勤務、実家住まいのやつに200万一括は厳しいと思った。 書類には ・分割払いのこと ・支払いが滞った時の

サイコパスH 前編〜サレ夫の話16〜

不倫をする奴ってのはやはりクズなのだろう。 人様の家庭を故意に破壊するわけだからね。 サイコパスじゃないとできないね。 Hも例に漏れずクズ野郎だった。 妻から入手した携帯番号を登録する際、名前をクズ野郎にしたのは正解だった。 私「残念でしたね、うちの妻とチョメチョメするつもりだったんでしょ今日?何でこんなことになってると思います?」 H「僕が社会的にいけないことをしたからです。」 私「社会的にいけないこと?具体的に言ってもらえます?」 H「いや、その、不倫です。」

天然パーマH~サレ夫の話⑮~

妻との話し合いの翌日、Hとの待ち合わせ場所へと向かった。 家族で3人で(笑) おでかけ気分かよ。 当然だが妻と子供は別場所で待機。 待ち合わせは駅のロータリー。車で来るとのこと。車種は不明だが軽自動車とのこと。 ロータリーに行くと軽自動車が1台停まっていた。 妻に確認したところHの車とのこと。 深呼吸をして気合を入れ、軽自動車に近づく。 窓をノックして話しかけた。 私「こんにちは。今日は妻は来ませんよ。なぜ私がここにいるか分かりますか?」 丁寧な口調だが顔は

妻と和解〜サレ夫の話⑭〜

何で離婚しなくないかって? そりゃあ娘のために決まっている。 まだ3歳だ、母親が必要だろう。 と言いたいところだが、50%、いや、それ以上か。 自分の為なのだ。 結婚前に少なくとも3回浮気されていた私は、ある程度の免疫がついていた。 そりゃ浮気と不倫は違うさ。 しかし妻以上のパートナーはこの先見つからないと思っている。 それ程までに苦労を乗り越え、共に築き上げてきたのだ。 妻は程良く私を頼り、程良くできない部分があり、程良く私を理解している。 この"程良く"は私にとって

いざ参る!〜サレ夫の話⑬〜

「ただいま〜」 いつも通り帰宅する。 夕飯を食べ子供と遊ぶが、正直身が入らない。 妻は明日のことでも考えているのだろうか、あまりしゃべらない。 子供を寝かせて、いざ決戦の時! 私「話がある、座って。」 妻「なになに、どうしたの?」 まさか不倫を問い詰められるなんて夢にも思っていないだろうな。 私「なんか俺に黙ってることない?」 妻「えー何もないけど?」 私「もう全部バレてるよ。話しなよ。」 妻「いや何のことかさっぱり分からない。」 こういう時のマニュアルでもある

決戦は土曜日〜サレ夫の話⑫〜

さて、武器も入手しまずは妻との決戦の日をいつにしようかというところ。 ”制裁”といったら大袈裟か。 いや、そのくらいの覚悟を持って迎えないとどこかで手心を加えてしまいそうだ。 私は被害者なのだ。徹底的に打ちのめす覚悟で挑まねばなるまい。 録音機器は必須アイテム。 本来録音は許可を取った方が良いのだが、妻のことだ、それすらもわかるまい。ここは隠し録りしようではないか。その方が事実を吐くだろう。 性格が悪いのは私も一緒で、妻のことばかり悪く言っては盛大なブーメランである。

報告書〜サレ夫の話⑪〜

興信所から連絡があった。 「報告書ができあがりました。お会いできますか?」 3度の調査を経た後だった。 一刻も早く調査結果を見たい。 すぐにアポをとった。 会って間もなく興信所の方から言われた。 「落ち着いて聞いてください。結論から言いますと、黒です。」 ドラマでしか聞かないセリフだった。 まさか自分に向けて発せられる日が来ようとは夢にも思わなかった。 「はい、分かっていました。続けてください。」 報告書には、詳しい記述が写真付きで綴られていた。 これまたド

調査初日〜サレ夫の話⑩〜

今日から興信所の調査が始まる。 毎週日曜日にお願いしてあるので、「今日は出かけない」と言われないかヒヤヒヤ。 でも先週は家族で出かけたから今週は99%会うと確信。 案の定、「ヒトカラ行ってくるね」 ホッと胸を撫でおろす。 自分の妻が不倫相手に会いに行くのに安堵するなんて終わってるな(笑) ともあれこれで証拠をひとつゲットできると思うと楽しみが勝るのも仕方ない。 私と娘はお弁当を持って水族館へGO! GPSを確認する必要もないし、娘と二人で思い切り水族館を楽しみま

閑話休題〜サレ夫の話⑨〜

今日は家族でショッピングモールに買い物に行く。 最近は妻が怒りっぽく子供に対してもきついので、皆で一緒に行っても娘と2人で妻の機嫌を伺いながら買い物をしている。 娘はまだ3歳でいろいろなものに興味がある。 今日も寄り道が多く買い物が思うように進まない。 案の定、妻は徐々にイライラ。 娘にとっては、私と2人で行くといつも楽しい買い物なのに。 「最近娘に対してきつくない?イライラが伝わって可哀想だよ。」 私がそう言うと妻は決まって、 「いつもイライラしているつもりはな

妻の行方〜サレ夫の話⑧〜

今度はしっかりGPSをチェックしよう! そして迎えた日曜日。 私「今日はカラオケ行くの?」 妻「んー最近疲れてるからな〜。でも気晴らしになるし行こうかな。」 白々しい女である。 ともあれ娘とお出かけを楽しみながらもマメにGPSをチェック。 これが探偵みたいで実に面白い。 午前中はまだ動きがないか。自宅にいるようだ。 昼前くらいに動きがあった! ふむふむ、駅に向かっているな。つまり車でお迎えとかではないな。 駅に着いて数分後、線路に沿ってアイコンが動く。

痛恨のミス!〜サレ夫の話⑦〜

隠し事を暴こうとする時というのはこうも研ぎ澄まされるものなのか。観察眼半端ない。 土曜日の夜。 妻がiPhoneをいじっている時に見せた一瞬の表情の変化。 今の俺が見逃すわけないぜ。 案の定「明日カラオケ行ってくる」と言われたので、快く承諾。 行っておいで、むしろ行ってくれ。 翌朝、「今日はどこか行くの?」と聞いてきたので、少し不安にさせてやろうと「まだ決めてない。」と返す。 本当はイオンモールに行くけどね! 出かけた後も、 「お昼はどうするの?」 「結局、ど