妻の行方〜サレ夫の話⑧〜

今度はしっかりGPSをチェックしよう！

そして迎えた日曜日。

私「今日はカラオケ行くの？」

妻「んー最近疲れてるからな〜。でも気晴らしになるし行こうかな。」

白々しい女である。

ともあれ娘とお出かけを楽しみながらもマメにGPSをチェック。

これが探偵みたいで実に面白い。

午前中はまだ動きがないか。自宅にいるようだ。

昼前くらいに動きがあった！

ふむふむ、駅に向かっているな。つまり車でお迎えとかではないな。

駅に着いて数分後、線路に沿ってアイコンが動く。

iPhoneの画面にアイコンが表示されてるだけなのに何だか生々しい。

とある駅に着いて、線路からアイコンが外れる。

なるほど、この駅の近くなのね、カラオケは(笑)

繁華街を抜けて住宅街に向かうアイコン。

まあわかっていたことだがカラオケではないだろう。

駅から数キロ離れた地点でアイコンが停滞。

なるほど、住宅街だし…自宅だな。

便利なことにおよその住所まで分かった。
おそろしい世の中になったものだ。

しかし分かっていたこととはいえ、かなりショックだった。
その日は娘に対して無理に笑顔を作っているのが自分でも分かったし、何だかいろいろ娘に申し訳ない気持ちで一杯になった。

夕方過ぎまで滞在していて、その間、鬼のように電話して困らせてやろうかとも思った。
が、虚しくなりそうでやめた。

今は娘を守ることだけ考えよう。

あと証拠を集めること。

LINEの履歴なんかも付加価値があるようなので、その日の夜もLINEチェックは怠らない。