元転職エージェントのキャリアアドバイザーが、「エージェントにいたら絶対にできなかった転職支援」を考える

元転職エージェントなので、

プライベートで転職相談に乗ることも時々あります。

※頑張って年間MVPとか獲ってましたよ!


そんなとき、

あー、エージェントにいたらこんな支援絶対できなかっただろうなぁ。。。

でも、今の方が求職者の満足度高いなぁ。。。

と思うことが、よくあります。


どうして個人的に支援した方が満足度が上がるのか?

今日はそんな観点から、『キャリア支援』について考えてみます。

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僕が友達の転職支援をするときのスタイル

まずは僕が(個人的に)転職支援をするときの流れをざっと。

①徹底自己分析
10年以上関わってきて磨いたコーチングのスキルと、

人事&転職エージェント視点で学んだキャリアデザインの知識

これらを組み合わせて、転職の目的から転職軸、

面接で語るための強みまで徹底的に自己分析に付き合います。


②エージェントに3社登録させて求人をかき集める

合言葉は「絶対に応募せずに持って帰ってきて」。

エージェントによって得意な領域(業界)や持っている求人が違うので、

より多くの機会(チャンス)を得るためには、

複数のエージェントに登録して多くの求人を集めるのが得策。

エージェントの応募してほしい求人と、本人が応募すべき求人は

違うことが多いので、一旦持ち帰ってもらいます。


③プロの目で求人を見極める

もちろん長きに渡って転職支援をしてきた(一応)プロなので、

その目で「いい求人」と「悪い求人」を見定めます。

そのうえで本人の興味と合わせて受ける求人を一緒に選ぶ。

自己分析から付き合ってきてるので、

「何があなたにとっていい求人か」も、だいたいわかります。


④書類をつくる

書類は、必要最低限の項目と、

豊富な自己PRで読みやすくかつ具体的に仕上げます。

自慢(じゃない)ですが、提出するとエージェントにはだいたい

「直すとこないです!素晴らしいです!」

というフィードバックをもらってきます。

当たり前です。

それくらいの質になるまで、めちゃくちゃ数をやってきたんです!

※余談ですが、ある程度のところまでは数と質は比例すると思ってます。


⑤応募する→落ちる→メンタルケア

いよいよ応募です。

「たくさん受けた方がいいですよ!」という

エージェントの声は無視して(笑)、

本当に受けたいと思うところだけ受けてもらいます。

でも5~7割は落ちます。

でも理由が大体分かるので、本人にはそのあたりも踏まえて

メンタルケアします。納得感があるので落ち込みません。

絶対的に相性はあるので、本来落ちなくていいところを

落とさずに進めることが大事なんです。


⑥面接対策

面接対策めっちゃ得意です!

7年面接官もやっていて、そのあとエージェントで数百回は

面接対策もやりましたから。

面接準備もコツがあるんです。

ポイントは「強み×評価基準」。

求人票から「どんな人物像が評価されるか」を推察します。

こればっかりは経験がないとアドバイスできないと思います。

僕の対策受けた求職者の人は、

だいたいテンション高く帰っていきました。

(面接でアウトプットできるかは、本人次第ですが。。。)

少なくとも丸腰で臨む面接よりかは、遥かに結果出せると思います。


⑦内定先の吟味(入社の検討)

内定が出たら、入社をするか検討します。

コーチの視点と、転職のプロの視点双方を持ってアドバイス。

しがらみがないので、フラットに相談に乗れます。

その会社に入社した方が本人が幸せになれると思う場合のみ、

背中を押します。


以上、7ステップでじっくり付き合うスタイルです。

ではなぜ、エージェントにいたらこういう方法で支援できないのか?

それを説明していきますね。


転職エージェントにいたらできないこと

まず前提として、押さえておくべきポイントはこちら。

●1人に割ける時間が全然足りない!
 とにかく時間がありません。
 1人のアドバイザーが50人の相手をしていることもザラです。

●成果報酬である
 アドバイザーも営業職です。
 「内定→承諾」にならないと一切報われません。


この事実と戦いながら、5年間アドバイザーをやってきました。

もちろん、個々の対応では想いを持って関わっていましたが、

全体感として言えるのは、アドバイザーは

■成約に繋がる(可能性の高い)業務を優先

するということです。これはもう、自然の摂理です。


これらを踏まえて、先ほどの7ステップをみてみましょう。

エージェントにいたら、

なぜ7ステップ支援ができないのかがみえてきます。


①徹底自己分析(×)
初回面談で応募してくれない求職者に掛ける時間がそもそもない。
自己分析を手伝ったところで、応募してくれなければすべて水の泡。
最初の面談以降、何度も相談に乗ることは物理的に不可能なんです。

②エージェントに3社登録させて求人をかき集める(×)
そもそも自社で取り扱っている求人で成約してくれないと売上は0。
他社登録を促すアドバイザーは、よほど余裕がある人か変態。
ほとんどは「いいサポートするから、うちだけ使って!」と思っています。

③プロの目で求人を見極める(×)
②と一緒で、できれば自社求人で進めてほしいから、
どうしても自分のところの求人びいきになってしまう。
人間だもの。仕方ないよね。受けてほしいもん。

④書類をつくる(△)
ここも時間がないので、じっくり一緒につくるのはムズカシイ…。
余裕があれば、少しはアドバイスできたりします。

⑤応募する→落ちる→メンタルケア(△)
ここはエージェントにいても変わらずフォローできるところ。
でも悲しいかな、落ち続ける(内定の確率が低い)と自然に注力されなくなっていきます(泣)

⑥面接対策(△)
これはエージェントというより担当の当たりはずれはある。
若手の担当とかだと、一般的なアドバイスしかできません。

⑦内定先企業の吟味(入社の検討)(×)
もう言うまでもないですが、どうしても自社経由で決めてほしい。
間違っても「他社さんで獲得された内定の方がいいと思いますよー」というアドバイザーはいない。
もしいたら、その人はビジネスを放棄している。


と、このような理由で僕が個人的にやっているような熱量での支援ができなくなってしまうんですね。


ここで僕が言いたいのは、

「エージェントは悪!」

などというようなことではなくて、

エージェントは、そもそもそういうビジネスモデルなのだから、

「使う側が賢くならないと、転職は上手くいかないし傷ついちゃうよ。」

ということです。


エージェントの人に怒られそうなのでフォローを入れておくと、

エージェントのアドバイザーだって、本当は一人ひとりに細かなフォローしたいんです!

でも物理的に、できない。

だから、その中で迷いながら優先順位を決めてサービス提供をしています。


だから、この状況はアドバイザーのせいでもなんでもなくて、

ただ単にそういうビジネスモデル(多くの求職者と多くの求人を掛け合わせる、確率のビジネス)というだけなんですよね。


だから利用する側が気を付けたいのは、

転職でもなんでも、

「自分の利用するサービスはどのような形態で成り立っているんだろう?」

という視点を持つことが大切だよ!

ということです。

※簡単に言うと、どこからお金が出ているんだ?ということ。

お金が出ているところにいいサービスが流れるのは自然の摂理。


もちろん、

エージェントは登録者にいい思いをしてもらうために頑張りますが、

それも限界があります。


ただ一方で、僕がやっている転職支援(最初に紹介したやつ)に限らず、

個人側への支援にコミットしたサービスも結構あります。

※個人がお金を払うビジネスモデルのやつ。これだと個人にかなり注力できるわけですね。


そういったところも色々と吟味してみながら、

「自分のキャリアの検討を誰と一緒にやるか」

真剣に考えるの、大事ですよ!という話でした。


Masaki


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