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【詩集4】副流煙

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副流煙とは、気持ち悪くて、私が凄く嫌いなものです
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#朝

世紀末、私

いつも何気なくやってくる朝に押し潰される。最近寒いからといって、無駄に布団を重ねているせいではない。明らかに嫌がらせと抗いようのない生々しさを伴った「現実」のせいだ。外から聞こえてくるやかましい車どもの排気音が、なおさら今私が夢の世界からほっぽり出されたんだなという事実の輪郭をはっきりさせやがる。この物凄い怠さの正体って一体何ですか。そうですね、私の腹の上に生意気に乗っていやがる「現実」ですよね。

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なんてことのない一日(裏)



曇り空と車たちの排気音で灰色のフィルターがかかる朝

ゴミ置き場に捨てられた少女にカラスがたかる

一羽が一つの眼球を大事そうに咥えて飛び立つ

二羽が顔に血を塗りながら腐り落ちた脇腹の肉を啄む



弱々しい日の光が伸びきる昼

公園の木についていた黒く変色した蛹を

亜実ちゃんが手でプチっと取って口に含んだ



無駄に多い街灯とネオンライトで埋め尽くされる夜

「だからそーゆー意味

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