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2018年10月の記事一覧

蒼井ブルー(2018)『もう会えないとわかってから』河出書房新社



こんなにも親しかったのにこんなことになるのだから、もう何が起きてもおかしくないというような気持ちでいないとならないのかもしれない。愛しいという感情に、今を守ってくれる力でもあればいいのに。

わかるよ、想いはいつも一方的で、それは相手にとっても同じことで。人の心は見えない。見えたところできっとなんちゃらだって、誰か言っていた。会えないって言葉の恐ろしさ、世界がひとつなくなるなんて。

住野よる(2018)『青くて痛くて脆い』角川書店



人に関心を向けられるということが、如何にその人の心に大きな力を加えるのかが痛いくらい良く描かれた一冊。うれしんだよ、人間って。あなたという私とおんなじ人間が、私に語り掛けてくれるその事実だけで。

寡黙な男の子に、元気な女の子が近づいていくお決まりの構図。この世界、男だったら不機嫌そうにしてればモテんのだろうか。羨ましい。。。あとはあれかな、あっという間に時間って経っていくけれど自分の心の周り

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日本経済新聞社編(2017)『日経大予測2018 これからの日本の論点』日本経済新聞出版社



この時期に読むと、まるで答え合わせのような楽しさがあった。驚くのは、多くの予測が的を射ているということ。世界は基本的にはゆっくりこれまで通りの流れ方で動いているのだろうか。人間が歴史から学び予測できるくらいには。

ただまぁそれでも、全くこの執筆時点では予測できていなかった大事件も何個か起きているわけで、そうしたイベントで歴史は絶えず綴られていくのでしょう。この国の行く末や如何に。来年がまた楽

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