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MBAより編集力/編集者の言葉#19

編集の仕事をしていると、編集者って何をしているかわからないとよくいわれます。ましてや編集力となると、なんだかよくわからないとも。

KADOKAWAの編集者として担当コミックエッセイ累計約470万部、雑誌「レタスクラブ」の売上大幅V字拡幅という偉業をなしとげた松田さんは、編集力について次のように定義しています。

編集者のスキルって何?という方にあらためて説明します。
私が考える「編集力」とは「そこに横たわる名もなき〝価値観〟を言語化し、パッケージにして、『ほら』と差し出す力」。/

『悩んでも10秒』

つまり、作家さんご自身のなかにあって、ご自身が気づかれていない魅力を言語化して、1冊の本としてパッケージ化する。と同時に、それを欲しいと思っている人や、ご本人自身も気づいてない「欲しい」という気持ち、つまり潜在ニーズを持っている方に、届ける。

価値と読者の潜在ニーズがマッチすれば、当然売れます。ひょっとしたら大ベストセラーがうまれるやもしれません。そこで松田さんは気づきます。

これって本だけでなく、どんな商品やサービスについても言えるんじゃないだろうか?

例えば、「潰れかけた旅館の再生」とか。「シャッター商店街復活!」とか。当人たちは「価値がない」と思っているかもしれないことに、編集視点で新しい価値を見いだし、ほしがっている人に差し出す仕事。
そういうチャレンジ、してみたいなあと考えるだけで、ワクワクが止まらなくなってしまったのです。

『悩んでも10秒』

そして松田さんはKADOKAWAを退職し、自らの編集力をさらに活かせる場所を求めて『ファンベース』ほかの著書を持つさとなおさん率いるファンベースカンパニーに合流します。

これまで編集というと本一筋、雑誌一筋という場合が多かったですが、今後は松田さんのように編集視点で企業や組織の問題解決をする編集者も増えていきそうです。

ビジネスパーソンがスキルアップを図るためにMBAをとるように、編集思考を学ぶ日が来るかもしれませんね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!


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