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「ブルータス」編集長の言葉に学ぶ、雑誌編集で一番大切なこと/編集者の言葉#6

はじめまして。そして、いつも読みにきてくださってありがとうございます! 古今東西の編集者の名言から仕事のヒントを学ぶ「編集者の言葉」。今回は、雑誌「ブルータス」元編集長の西田善太さんの言葉から、雑誌の編集で忘れてはいけないことについて考えてみました。

たまに、売れない号をつくってそのテーマが2年後とかに流行ったりすると、「やるのが早すぎた」なんて言ったりする編集者がいますけど、僕は「それじゃ負けじゃん」と昔から思っている。「だから何?」雑誌の編集は、常に「ちょっと先」を一生懸命見つけることだと思うんです。/『

ブランド「メディア」のつくり方』

何の「ちょっと先」かといえば、読者の興味の「ちょっと先」ではないでしょうか。

1980年の創刊以来、ずっとそれを一生懸命見つけてきたのが、西田善太さんが編集長を務めていた雑誌「ブルータス」。この言葉は「ブルータス」が「ブルータス」であるために、と題された文章のなかにある一節です。

後出しジャンケンでなら誰にだって言えます。西田さん流にいうならば、やっていない時点で「負け」なのです。

売れない号続きとでもいうなら話は別でしょうが、一生懸命に読者の興味のちょっと先を見つけようとしていれば、ときにフライングしてしまうときだってあるはずです。

それを恐れるあまり、持ち前の一生懸命さをゆるめてしてしまえば、「ブルータス」は「ブルータス」でなくなってしまうでしょう。

ちなみに本書によると、西田さんが手がける「ブルータス」の特集は①「売るためのブルータス」、②「広告を取るためのブルータス」、③「色を出すためのブルータス」と、と3種のグラデーションで組んでいるそうです。

①はお取り寄せ特集など、売れ行きがある程度見込める特集、②はファッション特集など、広告タイアップがつきやすい特集、③はそんなに売れないかもしれないけれど、新しいことにチャレンジする特集です。

売れ線ばかりをやっているとコアなファンをがっかりさせてしまうし、コアなファン向けに特化しすぎてしまうと市場が狭くなってしまう。よく考えられたバランスだと思います。

3年ほどしか雑誌編集をやったことのない私が、雑誌のことを語るのは、本当におこがましいのですが、西田さんの言葉の熱さについご紹介したくなってしまいました。

どんな業界でもそうかもしれませんが、全力疾走で前に向かって走っていると、「そんなに熱くならなくても」と言う人たちがいます。

彼らは全力疾走だけがもたらしてくれる高みを知らないのです。

誰かを揶揄するヒマがあるなら、ほかにするべきことがあるはず。自分も頑張らねばと、心に力がわいてきた言葉でした。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!



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