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こころの専門医が教える、長生きの秘訣は『五〇歳からの勉強法』


『大人のための勉強法』をはじめ、勉強法の本をたくさん出されてきた和田秀樹先生らしい、面白い考え方だなと思って読んだのが、『五〇歳からの勉強法』です。なかでも心に刺さったのが次の言葉。

勉強こそが、なまじっかな運動や過度な運動よりも、長生きの秘訣なのである。

五〇歳からの勉強法

本書には、ご専門である老年精神医学の知見がふんだんに活かされていて、読みながらたくさん付箋をつけてしまいました。

では具体的にどんな勉強をすればいいのでしょう。本書のなかから個人的に大事だと思ったことを3つだけご紹介します。


知識量を増やすより、「知識のとらえ方」を鍛える


情報のアップデートをするための勉強は必要ですが、より大切なのは情報や知識に対するとらえ方。

いかにしてその人なりの独自な分析や意見・視点を生み出すかが、大切になります。つまり「知識人から思想家へ」が、50歳からの勉強法のキーワードになるそうです。

50歳からでも英語は学ぶ


50歳からの英語は「知識を獲得し、あるいは、意見を発信し、あるいは、日本語圏以外の人と交流するための手段」と和田先生はとらえています。だからこそ、50歳からでも英語は学んだほうがいいそうです。

といっても50代からの英語の勉強は、それ以前の勉強法とは少し違います。

ネイティブのような発音を目指して、話す力(スピーキング)に時間を費やすよりも、何を話すかという内容のほうが大事。また、他者と差別化できる情報収集力となるため、「読む力」(リーディング)を磨くことが大切になるそうです。

常に複数の解答を探す


脳のなかで意欲などを司る前頭葉は、使わなければどんどん老化していきます。老化を防ぐためにも、常に複数の解答を考えて前頭葉を刺激することが大事だそうです。

また「一般的に正しいとされている解、最初に出てくる解以外の別の解を探す」こともおすすめ。「通常なら気つかないユニークな視点を持てるようになるそうです。

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読み終わった後、印象に残ったのは和田先生の勉強に対する考え方です。

「答えを求めるためではなく、
いろいろな答えがあることを知るためにこそ、勉強するのである」

五〇歳からの勉強法

この言葉には、50歳から学ぶことの意味について考えさせられました。

定年後は悠々自適、という人ばかりではなくなったいまの時代、自分の生き方について、たくさんの答えを知っている人のほうが、生きやすくなるのは確かです。

そう考えていくと、勉強はどんなに歳をとっても、どんな状況にあっても、たくさんの可能性を創り出すための武器ともいえそうです。

老後の蓄えといえば、お金がまず思い浮かびますが、和田先生の説くような勉強をして、頭に資産を蓄えることも大切なのではないでしょうか。

アメーバブログ2017年1月11日の記事に修正を加えた再録記事です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!



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