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IOL2022体験記
○はじめに 的な何か(長らく解説を更新しておりませんでした)ClObです。お久しぶりです。幸運なことに悲願であった国際言語学オリンピック日本代表に選出され、2022マン島大会に参加したため、それに至るまでの過程と大会の感想、反省点を書き記しておきたいと思います。
本編は書きやすさの問題で終始常体で書いております。ご了承下さい。
(旅程に興味がない、言オリ要素だけ読みたい、という方はJOL2022、
JOL2018-4 古テュルク語
LevelC、文字、音韻
■問題の評価と解答のポイント難しいです。本当にJOLの問題なのでしょうか。少なくとも、この問題を本番で完答するのはほぼ不可能です。(データの数が少ない上、文字の対応の問題と見せかけて複雑な音韻規則も解明しなければならないという罠もあります。)
この解説の最後にもありますが、はじめに、この問題で分析すべき規則の一覧を書いておきます。
・右から左に書く
・狭母音/広母音の
JOL2018-3 ナーナイ語
LevelB、形態
接尾辞に関する規則を分析する問題です。(1)・(2)は比較的容易に解くことができますが、(3)では少々専門的な知識が必要になります。また、記述問題が2問あるため、見つけた規則をしっかりと整理しておくことが必要になります。
まずは、与えられた12個の文章の組を分析します。すべて動詞は同じで、それぞれ異なる接尾辞がついていることが確認できます。ここで、動詞の語幹を調べる必要
JOL2018-2 ベジャ語
LevelA、対応/統語
語彙の把握と、語順とそれに伴う意味の変化の特定をする問題です。日本語では少し解釈が難しい表現が出てきますが、しっかりと情報を整理して語彙対応と規則を導き出すことができれば難なく解くことができます。
対応問題であり、与えられた文章に対応する日本語訳はランダムな順番に並んでいます。そこで、まずはベジャ語の文と日本語訳のそれぞれについて使われている単語とその回数を整理し
JOL2018-1 「主の祈り」(チェコ語、ポーランド語、スウェーデン語、古英語)
※解く際にはあまり問題ないですが、スウェーデン語六行目の "vighet" は誤植で正しくは "evighet" だそうです。
LevelB、文章 / 対応
古英語と三つの言語の「主の祈り」の文章の対応を考える問題です。複雑な作業は要求されませんが、的を絞って解き進めていく必要があります。
また、現代の英語では馴染みのない "thine", "thy" という言葉がありますが、これは古英語
JOL2017-3 モンゴル語
LevelB、文章
対応する二つの文章を比較して、語彙の特定を行う問題です。情報の整理を簡潔かつ正確に行う必要があり、少々センスも問われます。
出現する単語の種類が多いため、文法の正確な整理は困難です。そのため、まずは問題に従いつつ頻出の語彙を整理します。手始めにモンゴル語と日本語の両方を一文ずつ区切り、それぞれ十文ずつの対応を見やすくしておきます。(画像では、モンゴル語と日本語の対応する
JOL2017-2 フリウリ語
LevelB、形態
定冠詞と所有形容詞の変化を問う問題です。正確な条件整理をして規則を導き出す必要があります。(イタリア語に女性名詞と男性名詞の区別があるという知識があればより簡単に解けます。)
まず、2,3番目の例文の「その(特定の)」という英語の教科書でよく見る訳から、「lis」や「la」が定冠詞であることが分かります。また、その後の例文からフリウリ語では所有形容詞がすでに付いている名
JOL2017-1 ロシア語
LevelA、形態
連用要素(係り結び)を問う比較的簡単な問題です。
例文を見てみると、語順が日本語と同じく形容詞-名詞であることがぱっと見て分かります。さらに、「家」を意味する名詞が同じ形で現れているのに対して形容詞 古い/新しい/黄色い に対応するロシア語の言葉は語尾が少しずつ違うことから、形容詞のみが形を変えるのだと推測できます。そこで、まずは語幹(活用などで変化することのない単語の