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純ジャパが世界9位の大学を受けたらなんか受かっちゃった話~UCLほか大学受験記~

こんにちは。ClObと申します。

この度、紆余曲折ありましてイギリス🇬🇧の名門UCL (University College London) のファウンデーションコース (詳しくは後述)からオファーをいただくことができました。
ちなみにヘッダーの画像はオファーを通知するメールの冒頭です。かっこいい!

この記事では私の国内・国外含む大学受験のプロセスについて、振り返りも兼ねて書いていこうと思います。
UCL受験についてだけ知りたい方は、下の目次から「■受験生生活⑥UCL受験」と「◯受験Tips③海外大学」に飛んでいただくとよいと思います。


■自己紹介

さらっと箇条書きにて失礼します。

  • 名前:ClOb

  • 年齢:18歳

  • 経歴:関東の私立中高一貫校(高2は放送大学と兼学)→東京外国語大学→UCL(予定)

  • 資格・実績:IELTS7.5、TOEFL iBT98、仏検4級、漢検2級、空手道初段、国際言語学オリンピック2022日本代表・団体戦銅メダル、中高生日本語研究コンテスト最優秀賞・特別賞、東京言語研究所の講座受講など

  • 肩書:国際言語学オリンピック日本委員会委員

  • 大学でやりたいこと:言語学、心理学、脳科学などの分野に渡る学際的(interdisciplinary)なアプローチからの言語獲得・学習等に関する研究

  • 受験校:❌東京大学文学部(推薦)、⭕東京外国語大学言語文化学部フランス語科(一般前期)、❌慶應義塾大学文学部(一般)、⭕University College London UPCH

■受験スケジュール

以下のチャートのようなスケジュールで受験をしていました。

■受験生生活①高3春〜夏

ほんの興味から受けた春休みの脳科学オリンピックを終えると、本格的に受験生生活がスタートです。
高3までにある程度の貯金はあって、駿台全国模試で安定してA判定が出るぐらいの学力はありました。

学校バレ防止のために母数を隠したらしい。180人くらい

この時期はひとまず志望校を東大文Ⅲに据えていました。
また、実績が十分あり将来学びたい分野がある程度定まっていたことから東大推薦を受けることを決めたのもこの時期です。
そのようなこともありつつ、高3の春からS台予備校に入りコツコツと(当社比)勉強していました。赤チャートの周回なんかやっちゃったりしてね。偉い。

ところが、8月の頭、夏期講習の古典の授業中に事件が起こります。
突然講師にいちゃもんをつけられ、グチグチとしょーもない説教を聞かされた挙句、授業中何度もこちらを揶揄するような発言をしてきて、相当頭にきてそのままS台をやめました。戦争とあの講師が嫌いです。

一方、この胸糞事件の後、東京言語研究所にて東大の西村義樹教授が開講された認知言語学の夏期集中講座を受講したりしていました。
こっちの方はとても面白くてためになる授業でした。西村教授がとてもいい人で、僕のガチ素人質問にも真剣に答えてくれましたし、ここでの議論は第2回中高生日本語研究コンテストで特別賞を受賞した研究テーマにもつながっていくことになります。

■受験生生活②高3秋〜冬

夏休みの一件の後、私は受験勉強というものの一切をやめ、言語学と非受験英語の勉強だけをちまちま続けていました。残っていた夏期講習の授業も受けるはずだった東大模試も当然ブッチ。
ちなみにTOEFL iBT98を取ったのはこの時期です。10月とかだったかな。

しかし、自分が受験勉強から撤退した一方で、高校のクラスメート達は受験に向けて目の色を変えつつあり、成績がどうの、東大がどうの、という話をしている人も多く見かけるようになっていました。
そんな気合の入った周囲と、惰性で生活しているだけの自分との乖離が怖くなり、次第に高校へ行けない日も出てきました。生活習慣もぐちゃぐちゃでした。

また、このころ、件の塾講師が東大出身であったことや東大の前期教養課程のつまらなさを耳にしたことから東大への不信感が高まり、「東大は推薦のみで受験して、そこで不合格なら海外大に行きたい」という考えを持つようになります。

さて、こうした状況の中、秋にはいよいよ東大推薦の受験が始まります。

■受験生生活③東大推薦

グエー落ちたンゴ〜〜〜

ということで、以下は不合格者の受験体験記と思ってお読みください。
(念の為書いておくと、国公立大の学校推薦は出願したら勝ちなんてことはなく、普通に落ちます。東大文学部の倍率は例年2倍~3倍、教養学部なんかは10倍近い競争が平気で発生します。)

東大推薦(正しくは「学校選抜型推薦」)では、出願から受験までにかなり多くのステップを踏む必要があります。
文学部(2024年度入試)の場合のおおまかな流れは以下の通りです。

① 出願書類(教員推薦状、志望動機書、論文、その他実績を示す資料)の提出(11月初旬)
② ①をもとに書類選抜(12月初旬)
③ 小論文試験(12月中旬)
④ 面接試験(プレゼン、質疑応答。小論文試験の1日後)
⑤ 共通テスト(総合8割ボーダーが目安、1月中旬)
⑥ ①〜⑤全てを加味し最終結果(2月初旬)

見ての通り、出願から結果が出るまでかなり時間がかかりますし、用意するものも多いです。
また、合否結果が出るのが私立の・国立の二次試験の直前なので、落ちると相当メンタルに来ると思います。私は無敵なので不合格通知の2日後に慶應文学部を受験しに行きましたが。
以上の理由から、一般受験の準備と並行して東大推薦を受けるかどうかは自分の現状をよく考えて決めることをおすすめします。(特に前期一般で東大を受けることを決めている方。)

基本的に小論文や面接でのスタンスや主張はUCL受験とほぼ同じだったため、東大推薦に落ちたのは東大と毛色が合わなかったとか、そんなところだと思います。
(もしくは、あまり考えたくないですが地方受験生・女子受験生を優先的に入学させるアファーマティブアクションがとられていたとか。)
私自身は「俺を落としたら日本の言語学は終わりだぞ〜」ぐらいの気持ちで東大推薦を受けていましたし、共テのボーダーも余裕を持ってクリアしていたので、意外な結果ではありましたが、「そうかそうか、つまり君はそんな大学なんだな」で済みました。
結局東大に落ちたことについて涙を流すことはありませんでしたね。ほんとに本気でやってたんか???

とか言って強がりつつも、全然学校に来ない私を、出願から面接まであらゆる面で手伝ってくれた高校の先生方には本当に申し訳なかったと思います。
まあ結果が不合格だったのは東大が悪いんですけどね。

東大推薦についてこの記事ではこれ以上のことは書きませんが、もし文学部受験を考えていて情報やアドバイスが欲しいという人がいれば、TwitterのDMにでも送ってください。
不合格者の意見でもよろしければお手伝いさせていただきます。

■受験生生活④共通テスト

先述の理由と後天性の怠惰から、高3の夏以降は受験勉強をほとんどしていませんでした。勉強らしい勉強は学校の授業でやる入試演習くらいでしたね。(その学校も2学期は2/3ぐらいしか行ってないわけですが。)

そんな生活を続けているうちに、ヤツがやって来ます。全国高校生塗り絵選手権(共通テスト)です。
12月末にJシリーズをちょこっとやってみたりして見えてきた科目ごとの学習状況は以下のような感じでした。

  • 英語:余裕。95%以上は絶対取れる

  • 国語:余裕。高校の授業で演習もしていたし、9割は固い

  • 数学:高2まで貯金があるので事故らなければ8割ぐらいは取れる

  • 日本史:ノー勉。50点ぐらいしか取れん

  • 地理:ノー勉。60点ぐらいしか取れん

  • 理科基礎(化生):貯金でなんとなくいける。7割は絶対取れそう

あれ???数理社まずくない???

東大推薦のボーダー目安は8割(720/900)ですが、この時点での得点見込みは700/900行くか行かないかぐらいです。実際秋の共テ模試は数学でコケて660とかだったので、そこから全く進歩していないことを考えると妥当な数値でしょう。

さて、数学は2週間足掻いたところでどうにもならないことはわかっていたため捨て(絶対にマネしないでください)、年が明けてから過去問と参考書で日本史と地理を全力補強(絶対にマネしないでください)。
理科基礎は前日の一夜漬けで過去問を3年分ほど解いて補強(絶対にマネしないでください)。当日試験前の時間も教室で過去問の解説を読んでました。

なんだかんだで共テを乗り切り、結果はこんな感じ。

日本史「「「68」」」

合計774/900。86%なのでまあ耐えでしょう!
需要があるかはわかりませんが外語大(言語文化学部)換算では390/450です。

なんだかんだで無事共テをクリアし、いよいよ国内大学の二次試験が始まります。

■受験生生活⑤国内大学受験

先に申し上げておきましょう。
私は国内大学の2次試験を、過去問をまともにやらずぶっつけ本番で乗り切りました。

東大推薦に落ちる気がしていなかったため、東大推薦の合格発表日まで当然勉強は全くしていませんでした。
しかし結果は不合格。合格発表日の2日後には慶應文学部の試験があります。

慶應はノー勉の日本史の配点が比較的大きいので、まあまず捨てです(絶対にマネしないでください)。英語のリードでワンチャン受かるかな〜って感じでした。(ちゃんと落ちました。)

その後1週間ちょいで国立前期。
言オリ関係のことで何かと縁があって、なんだかんだいい感じに言語学が学べそうな東京外国語大学言語文化学部に出願していました。
高3の春に仏検4級をとったからやるならフランス語かな〜、ぐらいのゆるい動機で専攻はフランス語に決めます。

外語大の試験は、まず共テの配点が約半分と非常に高くなっています。共テリサーチでは学科内2位だったのでここでは大きいリードがあるはず。
また、もう半分を占める二次試験のうち3/4が英語の配点になります。残り1/4の日本史は微小量なので無視できますね(絶対にマネしないでください)。実質1科目だけなのは怠惰な私にとってとてもありがたいです。
試験数日前にスピーキング試験があることを知るなんてこともありましたが、問題形式をチラッと見たところ「なんか半分ぐらいTOEFLみたいな問題じゃん!」となったので、余裕と判断してノー勉特攻しました(絶対にマネしないでください)。

前日に飯田橋のBritish Council本部でUCL留学のためのIELTSを受験し、英語のチューニングは完璧。(そもそも大事な試験の前日に受けてる場合じゃないって話もありますが…)
なんだかんだでクソ遠い多磨(府中あたりにある弱小駅)まで雨の中足を運び、ささっと試験を受けて帰宅。科目数が少なくて1日で終わるのはありがたい。

私の母校は2月末に卒業式があったため、国立二次が終わったこのタイミングで輩出されてしまいました。6年間ありがとう。

栄光学園に栄光あれ。

そうこうしているうちに3/6は外大の合否発表日です。
10時に発表でしたが余裕の11時起床。寝ぼけたまま照会をすると順当に受かっていました。
英語である程度のリードがあれば日本史を捨てても受かるみたいです(絶対にマネしないでください)。

流石に合格。やったね!!

その後、一応出願していた後期筑波の人文は受験せず、外語大に入学手続きをしました。
さて、いよいよ外大に通いながらのUCL受験が始まります。

■受験生生活⑥UCL受験

外大合格から息もつかずに、3月末に願書を提出。ドタバタのUCL受験が始まります。
Edinburgh University(エジンバラ大)等のファウンデーションコースへの出願も考えていましたが、必要な労力と、とにかくUCLに入りたいという気持ちから、UCL単願を決めました。
「UCLの学部に入りたいならファウンデーションもUCLのほうが良さそうだね〜」というイギリスの大学を出た高校の先生の助言が決め手でした。

ちなみに、「まぐれで受かっちゃった!」みたいな記事タイトルになってますが、ちゃんと本気でぶつかった結果として受かってます。

・イギリスの入試制度の話

具体的な受験プロセスの話の前に、イギリスの大学の入試制度について軽く説明しておこうと思います。

まず前提として、日本の普通科高校からイギリスの大学の学部には原則直接出願することができず、いくつかの大学がそうした留学生向けに設置している「ファウンデーションコース」という準備課程に1年間通ってから学部に進学することになります。
ただし、Alevelか国際バカロレアを履修した場合は、学部へ直接出願することができます。

「それだと1年間余分にかかるじゃん!」と思われた方もいるかもしれませんが、イギリスでは3年で学士を取得できるため、日本の大学生と比較しても入学時期のずれ(イギリスの学校は9月始業)による半年の遅れだけで済みます。
また、イギリスではマスターを1年で取得することができるため、院まで出ると今度は日本の学生より半年早く修士を取れることになります。

イギリスの学校は9月始業ですが、前の年の12月ごろから選考を始める大学が多いです。
UCLのファウンデーションコースも試験日程が3つあり、私はその最後にあたる3月〜5月にかけて行われる選考に出願しました。

・UCLの話

UCLという大学自体についても軽く紹介しておきます。
ちなみに正式名称はUniversity College Londonです。UniversityなんだかCollegeなんだかよくわかんないですね。

UCLはRussell Group(オックスブリッジなどを含むイギリスの24公立研究大学の連合)の一員で、2024年のQSの世界大学ランキングでは9位、THEのランキングでは22位となっており、心理学や教育学、人文科学をはじめとして各学部の研究力が高い評価を受けています。
キャンパスはロンドンの中心部に位置していて、医学から芸術まで幅広い分野をカバーする400を超える学部の専攻コースを提供しています。学生数も非常に多く、4万人以上の学生が所属する大学です。

実は国際言語学オリンピック2022に参加した際にロンドン観光の一環でUCLを見学したことがあるのですが、言語科学系のコースに1つの独立した建物(そして専用図書館!)が割り当てられていることに感動した覚えがあります。
それ以降なんとなくUCLへのあこがれを抱いていたのですが、東大推薦の不合格を機に本当に出願することになりました。
(↓IOL2022の話)

私の志望学部であるPsychology and Language Sciencesには心理学や言語学、脳科学など幅広い分野にまたがる学際的な(interdisciplinaryな)コースがあり、総合的な言語研究ができる点が魅力です。
日本ではこういうのってなかなかないですよね。少なくとも学部だと…

・試験の話

よく「海外大は入るのが簡単で出るのが難しい」とか言いますよね。
イギリスのファウンデーションコースでも、書類のみでの選考を行うところがあったりするのですが、UCLに関して言えば選考はだいぶしっかりしたものになります。
倍率も約6倍(例年160/1000程度らしい)と、かなりいかつくなっています。

私が受験したUPCH Mathematics(UPCH=Undergraduate Preparatory Course for the Humanities、文系科目を1つと数学を選択)では、試験は以下の流れで行われました。

①書類選考
(志望動機書、教員推薦状、英語力の証明)
②数学の筆記試験(→①②選考通過通知)
③数学の面接試験(→選考通過通知)
④最終面接(批判的思考力ほか)

書類の提出から筆記・面接試験まですべてオンラインです。便利な世の中だ…

①書類選考
学校の先生方と協力して提出書類を作成。志望動機書だけでなく教員推薦状も自分で監修をし、志望動機書ではカバーできないが特筆すべき課外活動の実績などを盛り込んでもらいました。
高3の担任がたまたま英語科の教員だったため直接英語で推薦状を書いてもらいましたが、人を褒める語彙の多さに感動した覚えがあります。褒められると伸びるタイプ。

志望動機書は500語以内と語数制限がかなり少なく、推敲を重ねて書きたいことをできるだけ多く詰め込みました。出願フォームに課外活動等の実績を記入するための欄があったほか、教員推薦状でもいくつかの課外活動について言及してもらったため、実績アピールよりかは「なぜUCLなのか」「何を学びたいのか」「将来それを何に活かすのか」に重点を置きましたが、面接官から非常に高い評価をもらえたことからこの方針が功を奏したように思います。(これについては受験Tipsでも少し触れます。)

英語力を示すスコアの提出も書類選考の際に必要とされます。
英語のスコアとして、イギリスではIELTS、アメリカではTOEFLが広く使用されています。どちらも使える大学もありますが、UCLのファウンデーションコースはIELTSのみを受け入れていたため、国立前期の前日にIELTSを受験。無事にオーバーオール7.5を達成します。
出願要件の「オーバーオール6.0以上、各技能6.0以上」もしっかりクリアしています。

IELTSや英語学習法に関しては以下の記事↓で詳しく書いています。

書類に不備がないか確認し、所属が高校から外大に変わらない3月のうちに出願を完了しました。

教員推薦状について、出願フォームには「書いてくれた先生のメールアドレス」の記入欄しかなかったためどこで提出するのかわからず不安になりましたが、メールで本人から直接受け取るという方式だとのことでした。そうやって本人確認するのね、なるほど…

担任の先生からUCLに教員推薦状が送信されると、すぐに「書類を確認したよ!指定の日程の数学筆記試験を受けで、その結果を加味して一次選抜をするよ!」というメールがアドミッションオフィス(入試課)から送られてきました。
1段階終えるごとにレスポンスがあると安心しますね。

出願を確認したよ!のメール


②数学の筆記試験

30問の択一式の問題があり、20問以上正解すれば合格点です。試験時間は1時間。指定された24時間の間のどこかで試験会場サイトを使って受験します。
ズルし放題に見えますが、電卓とか公式集とか見るだけでは太刀打ちできなさそうな感じの問題ばかりでした。ガチチートをするなら替え玉ぐらいしかなさそうです。やっても多分面接で弾かれますけど。
出題範囲はほぼ日本でいう数ⅠAに収まっていたと思います。新課程のことは存じ上げませんのでなんとも…
secとかarctanみたいな三角関数も範囲になる点だけは注意が必要ですね(多分イギリスの指導要領の問題)。定義と変換公式くらいは覚えておいたほうが良いです。

Web上で公開されていた練習問題2セットを事前に解きましたが、問題の難易度はそれほど高くないものの時間が結構カツカツでした(数弱基準)。時間内だと8割(24/30)くらい取れていたので、下振れたらまずいかな〜、ぐらいの感覚で試験に向かいます。

なんだかんだで本番は謎の覚醒を披露し29/30も取れました。そういうのやるなら共テでやってくれよ。

一次選抜通過!数学の面接に進んでいいよ!のメール
得点率は96.67%だったよ!のメール

送られてきた面接の日付はメールを受け取った26日の4日後の30日でした。めちゃすぐやん。


③数学の面接試験

数学の面接ってなんだよ。って話ですが、蓋を開けてみると説明しながら基本的な問題を解かされるだけでした。
そもそも試験の内容について全く説明がなかったため、とりあえずIntegtal Bee2024の解説動画などを観て数学用語の英語訳を数日間で叩き込みましたが、結構役に立ちました。英語でブツブツ呟きながら問題を解いたりするのもいい練習になりそうです。

試験内容についてどれくらい触れてよいのか分からないですが、1問とても印象に残ったのは「ln(x)って何?」という質問です。"e to the power of ln(x) equals x." と答えたら "I love that explanation!" をいただけました。やったあ。

数学についての質問の他に、志望動機書についてもいくつか質問がありました。「3月に卒業して今何してんの?」と聞かれ一瞬迷いましたが、正直に外大に通っていることを話し、「UCL受かったらやめてUCL行きます」と確固たる意志を伝えました。
結果受かったのでギャップイヤーに国内の大学に在籍していても大丈夫なようです。

数学面接通過のメール with 次の面接の準備資料

ちなみに、GWは北大に行ってしまった高校の一番の親友(かつ推し)の家に8泊しており、数学の面接は彼の家で受けていました。
無茶な試みに付き合ってくれてありがとう!


④最終面接

2個目の面接試験は、Critical Thinkingの能力を試す課題と、私自身の志望動機に関する質問で構成されていました。

Critical Thinkingとは何ぞやという話ですが、簡単に言ってしまえば「ちゃんと自分で物事について考えてその本質を見ようとする能力」とかそんなところだと思います。
そのまま「批判的思考」とか訳されたりもするらしいです。あんまり聞いたことないけど。

先ほどのメールのスクショに少し写り込んでいますが、面接に先立ってメールで短めの文章が送られてきて、「面接の前にこれを精読してね、文章の内容や文章に関するあなたの考えを聞く質問をするよ!」みたいなことを言われます。

面接では、筆者の言葉選びの意図や皮肉っぽい表現の意味などの修辞的なことから、テーマに対する筆者の立場を聞く内容的なこと、さらには筆者に対する反論を1分で考えて述べる、といった課題がありました。
おおかたメールで一緒に送られてきた「事前準備でやること」みたいなサイトに書いてあったことと同じだったので、焦らず対応できたと思います。

課題になった文章は「芸術作品の私有化と資本化」というテーマについて肯定的な評論文だったのですが、反論で例としてバンクシーの「風船と少女」シュレッダー事件を挙げたら受けが良かったです。イギリスだからかな(バンクシーはイギリス出身)。

志望動機に関する質問もいくつかありましたが、すべて想定済みのものでした。
「自分の興味はこれで、そのためにはUCLのこの学部がぴったりだぜ!UCLしか行きたくないぜ!単願だぜ!」と再度アピールします。

こうして面接は無事終わるかのように思われました。しかし…


おや!?面接官の様子が……?


「面接はこれで終わりだよ!ちなみに、オファーをあげるつもりだよ!」



完全勝利💪💪💪

ということで、面接終了と同時にオファーの約束を取り付けることに成功しました。

後日、フォーマルな形式のオファーの連絡を受け取ります。(記事のヘッダーと同じものです。)

🥳🥳🥳

オファーを受け取ってからも煩雑な入学手続きやら奨学金関係の色々があるのですが、これについては渡航が完了してから別の記事で書こうと思います。

ひとまずは、UCL合格にてハッピーエンド!!



以下、一般・推薦・海外大とあらゆる入試方式をコンプリートした私の受験Tipsを書き散らしていきます。


◯受験Tips①国内一般受験

①受験の2年以上前からコツコツやる
②シリアスになりすぎない

受験勉強法はそこらへんに溢れかえっているのであえて何か新しいことを書くことはしません。 

中高一貫でない高校の人にとって①はかなり厳しいかもしれませんが、1日1時間でもいいです。チャートでもポレポレでもなんでも(もちろん自分のレベル感に合ったもので!)ある程度しっかり頭を使う勉強をしましょう。

高3で背伸びがしたいなら、しっかり貯金がないと苦しいです。合計勉強時間が同じなら先に始めてるほうが伸びやすいと思います。
高3春からギア入れて夏から追い込もうとしてるそこの君!そう、そこのあなたです。頑張りましょう。


あとは②シリアスになりすぎないこと。週末に友達や先輩と遊ぶとか、家でちょっとゲームするとか、そういう時間は大事にしたほうが意外とラクに生きられますよ。病みかけた人からの助言です。

◯受験Tips②東大推薦

①高校の評定はちゃんと取る
②先生に根回し
③共テ対策ちゃんとする
④国立一般の対策をおろそかにしない
⑤自己アピール

①②③④は読んで字のごとくです。国立大の推薦を取りたい人は当然頑張りましょう。
複数の先生に事前に根回しをしておくと面接の練習や推薦状の準備がスムーズに進みますよ。


⑤は東大に限らず他の国内大学の推薦や海外大なんかでも要求されます。大事です。

個人的には、「自分の実績や興味関心→大学→将来やりたいこと」のプロセスに一貫性をもたせるのが一番大事だと考えています。
例えば、私の場合は

  • 実績や興味関心:言オリや日本語学の研究実績、脳科学オリンピック

  • 大学:東大→日本でトップレベルの言語学研究室(この主張はちょっと弱かったかも)

  • 将来やりたいこと:言語や絶対音感の獲得への複数分野からのアプローチ

といった感じです。

◯受験Tips③海外大

①下調べ、スケジュール立て
②出願前の準備
③評定マジ大事
④先生に根回し
⑤自己アピール
奨学金

海外大は出願前の準備が8割と言っても過言ではないと思います。

まずは①下調べ。国や学校によってかなり入試制度が違うため、志望校選びの際に出願要件・試験日程なども同時に調べ、受験の段取りを確認しておきましょう。
大学ホームページに入試情報が詳しく記載されている大学が多いですが、もし不明点や不満点があれば必ず問い合わせるべし。意外とゴリ押しが通用することもあるらしいです。


志望校が決まり、受験スケジュールを立てたら、②出願前の準備。

  • 高校の卒業証明書(あるいは見込み証明書)

  • 成績証明書(出願時までのもの)

  • 志望動機書(personal statement)

  • 英語力の証明

  • 推薦状

あたりが出願時によく必要になる書類だと思います。

卒業証明書や成績証明書はたいてい英語のものしか受け付けられないため、あらかじめ先生に問い合わせて英語のものを出してもらいましょう。(推薦状を学校の先生に書いてもらう場合は、これくらいの早い段階で依頼しておくと吉です。)
日本でメジャーな5段階評価の成績を受け入れる大学もありますが、GPAに換算することを要求している大学もあるため注意が必要です。必ず確認しましょう。

志望動機書は、大学によってかなりレギュレーションが異なるためこちらも注意が必要です。語数制限や盛り込まなければいけない内容などを確認してから書き始めましょう。
合否には関係ないとは思いますが、USスペル/UKスペルの違いにも注意。
草稿が完成したら学校の先生やネイティブに確認をしてもらいましょう。ダブルチェック以上が望ましいです。

志望動機書をより魅力的に見せる小手先のテクニックとして、「できるだけ目を引く書き出しを使う」というものがあります。
ただし、奇を衒ってヘンなことを書くのではなくあくまで自分のモチベーションと目標、その大学に入りたい理由を軸に置くよう常に意識しましょう。例えば、この文章は「奇を衒(てら)う」を漢字で書いてカッコつけたばかりにすべての人にとって読みやすい文章ではなくなっています。

ちなみに、私がUCLに提出したpersonal statementの第一段落はこんな感じです。最初の二文が「目を引く」ための要素に当たります。

How does human language recognition work? This question has so far driven my interest in linguistics, neuroscience and other related academic fields. My research goal is to discover the mystery of the cognitive ability of humans, particularly about language, and to provide people with better ways to learn languages. I believe that ‘Psychology and Language Sciences’ undergraduate degree in UCL will be the perfect place to pursue my goal, to share my experiences and knowledge with peers, and to inspire each other.

これらの書類に加えて、英語力を証明する外部試験のスコアもほぼ全ての場合で提出が求められます。
出願する大学が受け入れている試験の種類を確認して早めに受験し、スコアが基準を満たしているか確認しましょう。4技能それぞれにボーダーを設けている大学も多いため注意です。


③評定に関して、海外大は結構高い水準を要求してくるところが多いです。全科目4以上とかをボーダーに設定している大学もザラにあります。
海外大を目指す人は高1からある程度真面目に学校の授業に取り組みましょう。


⑤自己アピールについては、受験Tips②で書いたものと同じです。
一貫性のある自己アピールをし、実績や社会貢献の意志だけでなくその大学に入りたい理由もしっかりと伝えましょう。
面接の想定質問に対する答えなどもこれを意識して用意しておくと良いです。
私がUCL受験の際にベースとしていたスタンスはこのような感じです。

  • 実績や興味関心:言オリや日本語学の研究実績、脳科学オリンピック

  • 大学:UCL→PALS(志望学部)の学際的なカリキュラムが自分の興味関心とぴったし!

  • 将来やりたいこと:言語や絶対音感の獲得への複数分野からのアプローチ

参考までに。


奨学金はマジで必須です。

そもそもの前提として、海外大の学費はクソ高いです。3年、4年通ったら家買えます。マジで。
彼らはカモだとばかりに留学生の学費をなぜか釣り上げるため、国立大学であってもかなりの額を納入しなければなりません。奨学金必須。

国内の奨学金も多くは入試と同じく始業の前の年の年末から選考があり、大学の合否の結果を待たずに採択を決める(大学に受かればそのまま奨学金を受給できる)ところが多いため、注意が必要です。
大学出願時に「もし決まっているならどこの奨学金を受給予定か」を書かされることもあります。(推薦状まで書いてくれる奨学金財団もあるようです。)

私のように出願を決める時期が遅いと、申し込める奨学金が少なく大変なことになってしまいます。(大きすぎる1敗)
海外大出願を決めた段階で奨学金探しも始めましょう。お兄さんとの約束だぞ。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上、ClObがお送りしました👋👋



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