見出し画像

【小児医療コラム】 早生まれは損? 小児科医が解説

■楽観的には考えられない「早生まれの子ども」の特性


早生まれの子どもを持つ親は「早生まれの子どもは損をするのではないか……」という思いを持っている人もいます。小さな頃は1歳の差がとても大きく出るため、不安があるのでしょう。

児童精神科医としても、そういった不安を持っている保護者に対して、「大きくなれば追いつきますよ」と元気づけたいのですが、そうはいきません。なぜなら、いくつかの研究によって、それは楽観的な考えであることがわかっているからです。

幼稚園、保育園や小学校低学年では、「3月生まれの子ども」と「4月生まれの子ども」にとって、その差(年齢相対効果)はあまりにも大きく見えることでしょう。しかし、小学校高学年ともなれば、その差も縮まってくるように思えるかもしれません。

ところがある研究で、同一学年の最年長者と最年少者の間にはおおよそ偏差値2~3の差がみられるほか、最終学歴にも差が生じると結論づけています。また早生まれの子は、学校の教師や友人と良好な関係を結べないと感じるなど「対人関係の苦手意識」が高いそうです。加えて、1~3月生まれの人は4~6月生まれの同学年の人と比べて、30~34歳の所得が4%低いと結論づけています。

ここから先は

2,158字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?