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私は1型糖尿病です。大学2年生だった19歳のときに発症しました。
 喉の渇きがひどくなり、気が付けば水を1日10リットルも飲む毎日。身体がダルくなりました。ただこの症状は、何か変だと思い内科を受診。けれど、私を診察してくれた医師は、症状を聞いて、「夏バテ」だと診断しました。確かに喉が渇いて、身体がダルいと聞けば、そう思うかもしれません。けれど、私の中で本当に夏バテ何だろうかという気持ちがありました。喉が渇いたからといって、1日に10リットルも毎日飲むでしょうか? とはいえ、どうしてこうなっているのかがわからなかったので、その場はそれで納得をすることにしました。
 それから状況が一変するのは、1週間後です。私は急に立てなくなり、救急車で病院に運ばれました。血糖値が1200mg/dlになっており、1型糖尿病の診断が出たのです。私はそのまま入院しました。倒れてから入院までの記憶は、あまりにも急な展開だったので、ちゃんとは覚えていません。一息ついた頃にわかったことは、それからの人生は毎日6回のインスリン自己注射をしなければいけなくなったということです。血糖値を毎食前と寝る前に自己測定して、判断をする必要があります。また病院では2ヶ月に1回の血液検査を行い、HbA1c値に一喜一憂するようになりました。
 1型糖尿病はインスリンが絶対的に不足しておりますので、ちょっとしたことで血糖値が変動します。また、例え血糖値が安定していても、なかなかHbA1c値は下がりません。HbA1c値は1〜2ヶ月前の平均血糖値を反映していますので、HbA1c値が合併症をきたす目安がいろいろな糖尿病の説明本には書いてあります。それほど、HbA1c値というのは重要で、1型糖尿病患者は常に気にしておかないといけない値ということです。
 1型糖尿病患者になると、これまで気にしていなかったものを気にしなくてはいけなくなります。当時、19歳の私にとっては苦痛以外の何物でもありませんでした。血糖値もHbA1c値も安定しない状況が続くと、いっそその値も見たくない、忘れたいとも思うようにもなります。ですが見なくても、忘れていたとしても、身体の中の変化は止まりません。自分の身体のことですから、変調があれば影響は出てきます。誰だって苦しむのは嫌なものです。だからHbA1c値が高かったときには、より厳密に自己管理をしようと自分に誓いました。合併症を引き起こして、これ以上自分の身体を痛めたくはないですから。
 私は1型糖尿病患者になってから、自分の人生を必死に生きようといつも考えるようになりました。健康について真面目に考えるようになったからだと思います。それに検査値が私を奮い立たせて元気づけてくれました。血糖値、HbA1c値といった検査値があるからこそ、自己管理ができます。私はこの先も自己管理を徹底し、必死に生きていこうと思っています。

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