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色んなことは「ニュース」になる

今朝の「Yahoo!ニュース」の見出しに思わず失笑してしまった。

「バイデン氏転倒、米士官学校卒業式でつまずく」


いや別に、人がつまずいて、私がそれを喜んでいるというサイコパス的な話ではない。

そして当然、このニュースも「うわ~、この人、何もないところで転んでますけどぉ~、いや~ねぇ~、プププのプッ!」と嘲笑しているわけでもない。

各位もご推察のとおり、「こういった一面に見られるように同氏は明らかに高齢であり、健康面や体力的な問題も懸念されるところである。果たしてこのような高齢者が絶大な権力を持つアメリカ合衆国大統領のポストに座り続けることは適切なのであろうか?」という議論を展開するための材料提供になっているものと思われる。

さらには「体力の低下だけでなく、この様子を見るに、思考力や判断力もすでに大きく低下しているのではないか? 重大な決断を求められる立場にある身として、そのような状態で世界の舵取りができるのか? 潔く、引き際を見極められてはどうか? そう言えば、かのロシアとウクライナの問題についてもプーチン氏という高齢者が実権を握る立場に居ることにより、、、」などと議論はますます盛り上がりを見せることになるのかもしれない。


さて!


上に挙げたようなニュース配信の是非はさて置き、ラクガキnoterの私が政治的議論に深入りする筈もない。

ただ、、、何と言うか、「迂闊につまずけない仕事だな~」と思った次第である。

何たって、ニュースの柱が「つまずく!」である。

たとえば、これが「ハミングバード 足がつる!」とかだと、全くニュースバリューがないわけであるが、さすがアメリカ大統領である。

しかし、悲しいかな、バイデンさんのみならず、人には「決して転んではいけないとき」というのがあるものである。

道産子の私は、上記のニュースを見て、そんなことも強く再認識した。

たとえば、雪国を経験したことのない友人が冬の北海道に遊びに来るとする。

雪道を恐る恐る歩く友人に対し、道産子は「見て! 踵の方にこうやって体重かけて、、、」などと歩き方を(ときに偉そうに)アドバイスする。

そう! 雪道において、道産子は道外(※北海道以外)からの友人の前で決して転んではいけないのである!

各位のポカ~ンとした顔が見えるようでもあるが、道産子各位には伝わったことと思う。

あれっ!伝わってない?
ズッコケ~!
(めっさ古いタイプのギャグマンガ)

そう言えば、昔、香港に住んでいたとき、現地の「クイーン・エリザベス・スタジアム(Queen Elizabeth Stadium)」「PLANET BATTLE」というキックボクシングの大会が開催された。

前座で現地の格闘家の試合などがいくつか組まれていたが、メインは「ボブ・サップ (Bob Sapp) vs アライン・ンガラニ(Alain Ngalani)」という、そこそこ客が呼べそうなカードであった。

(どうでもいいが、「ンガラニ」という名前も実に「人名しりとり」で重宝しそうな名前である)

私は愛すべき中国人ソウルメイト「モンキーマジック」さんを誘い、大会を観に行った。

実は「モンキーマジック」さんは、格闘技の試合の面白さが全く分からないらしく、何度か試合観戦に誘ったが、本当に興味なさそうに観るので、最近は全然誘っていない(ラグビーやバスケットボールは結構楽しそうに観ていたのにである)。

さて、「PLANET BATTLE」の観戦のときは、何とか「モンキーマジック」さんを飽きさせないよう、私はメインイベントが開始するまで、彼女に対して懸命に「いやいや、最後の試合は楽しいから」と言い続けた。

そして、いよいよメインイベントの開始となり、まずはアライン・ンガラニが音楽とともに入場してきた。

アラインは香港在住、黒人の格闘家であり、股割りでピタッと180度の開脚が出来たり、身軽な動きをしたりという、やや忍者っぽい選手でもある。

スタジアムの観客はワ~ッと盛大な歓声をあげ、私もテンションが上がって、モンキーマジックさんに「ほれほれ、見ろ! アラインだぞ! 何かシュッとしてカッコいいねー」などと言った、、、が、彼女の反応は何とも薄い。。。

多くの観客が見守る中、アラインはリングの縁に立った。

そして!

トップロープを掴んで、勢いよくジャンプした!


持ち前の身軽さで、ヒュッ!とトップロープを乗り越えたアラインは、そのままリングに降り立った!

、、、と思ったら、少しバランスを崩して「アワワワ、、、」とずっこけそうになった。。。

その途端、モンキーマジックさんが冷ややかな目で「、、、あの人、何やってんの? 」と私に聞いていた。

そう! プロの格闘家もトップロープをジャンプで乗り越えてリングに着地するからには、絶対にコケてはいけないのである(優しい人は「コケてもいいじゃない、人間だもの」と思うであろうが)。

アラインなんかまだマシである。
コケてないんだから。

日本の格闘家で、ナジーム・ハメドみたいにトップロープを掴んで「前方宙返り」でリングインしたら、勢い余ってそのまま前のめりにスライディングみたいにリングの真ん中でずっこけた方が居られた。

とにもかくにも、人には「決して転んではいけないとき」があるという話である。


余談であるが、コケそうになったアラインをさて置き、私は「モンキーマジック」さんに「きっとボブ・サップが盛り上げてくれるから、ほらほら、今入場してきた、あの大きい黒人。強そうだねえ~」とヘラヘラして言った。

そして、ボブ・サップはリング脇に立ち、「ダダ~ン!」というBGMに合わせ、勢いよくガウンを脱ぎ捨てた!

私含め観客は「ウォ~ッ!」と盛り上がり、私はチラッと隣の「モンキーマジック」さんを見たが、、、案の定、テンションは低めであり、また私に「いや、服脱いだだけでしょ? だから、みんな揃って、さっきから何をやってるの?」と解せぬ様子であった。

ところで、ボブ・サップのガウン脱ぎ捨てで思い出したが、マイケル・ジャクソンがコンサートで登場直後、グラサン外しただけで観客が大興奮し、一部のファンがそのまま気絶して担架で運ばれていく映像、あれ何回見ても凄い。。。

ところで昔、冬のシカゴの駐車場にて、
正にこのイラストのように、下り階段で思いっきりスリップし、
体が一瞬宙に浮いた。

その後、階段の上に背中から思いっきり落下し、
数秒間、呼吸困難に陥った。
周りには誰もおらず、同情してくれる人もいなかったとさ。

、、、いよいよ脱線し過ぎて、全然「ニュース」の話じゃなくなっている。

ところで今朝は「つまずくバイデンさん」がニュースになったが、昔、スポーツ新聞の芸能ニュースの見出しにこういうのがあったらしい。

「広末涼子 後ろ髪切る!」


さすがにこれは「もうちょっとニュースはないもんかね!」と、当時ラジオで誰かがボヤいていた。

さすがにこれはどうなんだろうねぇ~、広末さんがめちゃめちゃ人気あったときとはいえ、、、前髪パッツンいったら、きっともう1回ニュースになったことだろう。


再度、香港に住んでいた頃の話だが、現地で知り合った日本人の男性と話していたときのことである。

そのコテコテ関西人の男性が、会話の途中、ふと傍に置いてあった現地の新聞に興味を持った。

その男性は中国語も読めるわけであるが、その新聞に載っていたニュースの見出しが以下である。

「沙田の民家にコウモリ入る」


(※「沙田」は香港の地名です)

その関西人のおっちゃんは、「なんやコレ? 香港は家にコウモリ入ったらニュースになるんか?」

確かに、、、って、、、えぇ~っ? これは微妙だ。
少なくとも、我が家にコウモリなぞ入って来たら、私にとっては大ニュースである。

とにもかくにも、実に色んなことは切り取り方次第でニュースになるものである。

私の記事だって、たまに「大したことない話」を上手く切り抜いて、さも「面白そうな話」のように編集し、、、って、これは書いちゃいかんやつだった。

(完)


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