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「マイ・ディア・ミスター」総評 ただの不倫ドラマじゃない!
全て見終わった。前の記事はちょうど、9話目10話目に書いたが、16話を一気に観た。感動。心に残るドラマ。
ウソじゃない、本当の人間関係ってなんだろう。家族でも、結婚をしていても、ただの友だちでも、みんな違う。「家族だから」といって築けていない人間関係もあれば、「ただの友だち」と、家族以上の関係を築けている人間関係もある。
人間ドラマとして、とても素晴らしい内容だった。ストーリーや結末の秀逸さは言うまでもないが、それよりも、そこで伝えたいこと、「人の暖かさ」を、このドラマの製作者たちは伝えたかったんだな、と思った。
ひとつひとつの描写、ひとつひとつのセリフ、ひとつひとつの演技に練り込まれていて、すごく嬉しい気持ちでドラマを観た。昨晩見終わったのに、朝にもまだ、感動の余韻が残っていて、ずっと続いている。
個人的なお気に入りは、お兄さんだ。三兄弟の一番上。主人公は次男なのだが、このお兄さんのダメっぷりが良い。また、最後の流れも、とても良い。共感する。人間、みんなスーパーマンじゃない、でも瞬間、ヒーローになれることもある。それは、この世の中に生きる、みんな同じなんじゃないか。
不倫についても、見事な回収。果て、時間が解決してくれるのだろうか。彼女は逃げて、それはそれで良いのかも知れない。不倫相手の後輩は惨めなものだったが、少しそこに偏りすぎたか。
それよりも、ヒロインの最後は、何とも切なく、美しい。このヒロイン。笑わない。ドラマ16話中、笑ったシーンはほぼほぼ、ないのでは。だからこそ、最後は、美しい。素晴らしい。単純な色恋ではない、深い愛情表現。「すきだ」という言葉だけではない、深い愛情表現。ややもすると年の差カップルの恋愛話と片付けてしまいがちなテーマ。ちょっとしたことで縁が生まれ、それがいろんな事件を巻き起こし、愛情が深まっていく。その愛情が、お互いの未来、お互いの幸せにつながるかも?という。「愛」とは何か、「情」とは何か。
死生観にもつながる。劇中に出てくる、主人公のお坊さんの友だち。韓国ではお坊さんは妻帯しない。だからこそ、であるにもかかわらず生まれる感覚。これは日本とは少し違うかも知れない。「輪廻」「生まれ変わる」という普遍的な、でも現代社会で忘れられがちな感覚を思い起こさせてくれる。「生きる」って何だろう。
もう一度、またいつか、観たくなったドラマ。
オススメしてくれた、韓国の大学の先輩に感謝。
もう少し、余韻を楽しみたい。
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