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イタリア全20州、マンマを訪ねて3000里@Palmi, Calabria

イタリア全20州、マンマを訪ねて3000里@Palmi, Calabria

悲願のカラブリア攻略。

カンパーニャ州の後、一度訪れたカラブリアですが、
訪ね先が家庭崩壊の危機で料理を習う所ではなく、プーリアのマンマの迎えを受けて帰ってきました。

その時の一部始終と徒然はこちら。

料理と家族の関係、「マンマを訪ねて3000里」の難しさ、これから成し遂げたい夢など、
攻めに攻めていたこの旅も、守りに入ったこの数日で、改めて考え直すきっかけをもらいました。

そして、束の間の羽根休みを終え、もう一度カラブリア州へ。

ご招待を頂き、今度はティレニア海側、シチリアの目と鼻の先の小さな町Palmiの家庭を訪ねます。

行ってみると分かりますが、南の太陽を沢山受けつつ、海と山に囲まれ平野の少ない地形に、
あらゆる岬に建つ城から見てとれる、古代よりギリシャ人、アラブ人、ノルマン人、スペイン人と様々な民族の侵略と支配を受けてきた歴史。

そんなカラブリア州の文化を反映した、マンマに習った郷土料理はいかに。


Strucatura

ライ麦やセモリナから出来た郷土パスタ。
貧しい時代が続く中、家畜用の色んな麦をかき集めてパスタにしたのが始まり。
⁡ソースは名産のアンチョビと唐辛子のたっぷり入ったトマトソースです。

茄子のポルペッテ

これもクッチーナ・ポーヴェラ(庶民料理)の代表
茄子とパン粉とチーズで出来たほわっと柔らかい揚げ団子が絶品。

⁡花ズッキーニのフリッテッレ

花ズッキーニのかき揚げ。
季節野菜を使ったフリッテッレはマンマの得意技。

烏賊の詰め煮込み

新鮮な烏賊に、詰め物をし、焼いてから煮込む。
手に入る材料を遊び心たっぷりに仕上げます。

他にも、Filejaという郷土パスタや、名物のメカジキのパニーニ、Pizzoという町のトリュフという名のチョコレートアイスなど、どれもシンプルですが美味しくて、カラブリアの食の魅惑は尽きませんでした。

カラブリアの闇

しかし、カラブリアは闇が深い。

失業率(EU最悪の40%との統計も)、離婚率も非常に高く、イタリアで最も貧しい州の1つ。

イタリア統一以来、構造的に産業が育たず、今もほとんどの地域では観光一辺倒。
そうなると、夏には超ブラックな働き方が蔓延し、表には出ない所で危うい生き方が常態化し、生活の色んな場面で歪みが見てとれるのが痛々しい。

今回私がお世話になったマンマも、若い時に両親を亡くし、4人姉弟の1番上として、16才で働きに出て、下の子たちを養ってきました。

20才の時に結婚し、娘さんが産まれましたが、程なくして旦那さんが薬に溺れ離婚。
今も夏以外は故郷を離れ出稼ぎに出て、夏場はこの村で働いています。

他の兄弟もそれぞれ家庭を持ったり別れたり、険しい状況の中で親族同士が助け合って生きている感じ。

カラブリアの複雑な一面を見て、なんというか、私たちの恵まれた環境は改めて「ギフト」だと身に染みますし、何ができるだろう、色々考えさせられます。

ぶらり途中下車

さて、この後、シチリアに向かうのですが、
オススメされて、シチリア一歩手前「Scilla」という町で途中下車。

これが素晴らしく良い街で。

晴れ女は前の晩から続く大豪雨を吹き飛ばし(奇跡)、意気揚々と歩みを進めます。

シチリア側のメッシーナを眺めながらメッシーナビールを。

気分はシチリア、ブリオッシュのジェラートを。

歴史に胸を震わせながら、メッシーナ海峡をフェリーで渡って、いざシチリアへ!


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