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#126【簡単日記】『毛抜』観劇記

今日もお読みくださってありがとうございます!

はぁーん!
現実のホナミ(坂東彌十郎)をVRのホナミ(井桁弘恵)が止めに来たー!
なになにどうなるのー??
(『VRおじさんの初恋』第30話)

『毛抜』を見てきた

今日は、歌舞伎座の幕見で『毛抜』を観てきました。
大学の卒論で、歌舞伎を取り上げたときに市川團十郎家の歌舞伎十八番に『毛抜』という作品があると知ってから気になってはいたのです。
芝居の題名で「毛抜き」って……って思いません?
くらたは何それと思って、以来印象に残っていました。

でも実はくらた、歌舞伎好きだけど主に玉三郎様、中村勘三郎家と市川猿之助家、米吉さんに芝のぶ様、あとは演目って感じで、團十郎家あんまり興味がなくて、ついぞ今日までこの『毛抜』を見たことがなかったのです。

くらたの好みの役者論(どうでもいい)

当代團十郎白猿さんは、男前だし助六なんかほんとにぴったりだと思うけど、くらたはもっと愛嬌がある役者さんのほうが好みです。
例えば松本幸四郎さんにはこう……抜き差しがたい愛嬌があるんですよねー。
もちろんかっこいい役もありますが、なよっちいいじけたボンボンを演じさせたら、かわいくてかわいくて!
幸四郎が伊左衛門、七之助が遊女夕霧を勤めた『廓文章吉田屋』なんて本当に麗しかった。
しょうもない人物をあんなにかわいらしく演じられるのはほんとにすごい!
中村芝翫さんだって大俳優ですが二月猿若祭の『釣女』大変あいらしかったです。(『釣女』は先週NHK『芸能きわみ堂』で放映していました。今週金曜に再放送あります!)

ともあれ、團菊祭(歌舞伎座の毎年5月の興行のこと。團十郎家と菊五郎家メインで行う)を始め、團十郎さんの演目自体あんまり見たことがなかったのでした。
ちゃんと観に行くとお金かかるし長いので。

おすすめ幕見

ただ、今年の二月の猿若祭からくらたが装備したスキル「一幕見」。
なんと『毛抜』だけなら1,300円で見られる。
しかも前日予約ができる。
これは行くしかない。

なんでもこの『毛抜』、1742年に2代目市川團十郎が初演し、幕末に1度途絶えたそうです。それを明治42年、2代目市川左團次が復活させたそうです。

だから今回、四世左團次の追善として、息子の男女蔵さんが主役を演じられたのだそう。
團十郎さんは左團次さんにお世話になった恩返しとして、「後見」として出演されていました。名題役者が後見として名を連ねるなんて、それもレアリティが高い。

物語は古典らしくわかりやすいものでした。

文屋豊秀の家臣・粂寺弾正は、豊秀の許婚「錦の前」姫の屋敷に赴く。
姫が病にかかり祝言が延期されているため、ようすを見に来たのである。
姫との謁見を待つ間、髭の手入れをしようと弾正が懐から毛抜きを取り出すと、あら不思議、毛抜きが踊り出した。
聞けば、姫の病は髪の毛が逆立って踊り出す奇病で、ある家臣から贈られた銀色の髪飾りをつけた時から始まったとのこと。
弾正が屋根裏に潜む忍びを捕まえると、その手には巨大な磁石が。弾正の毛抜きも姫の髪飾りも、鉄でできていたのであった。
これらはすべて、破談からのお家乗っ取りをたくらんだ家臣の仕業であった。

ほーん。
なるほど、シンプルでわかりやすくて面白い。
二百年以上演じられている理由でしょうか。

特徴的な見得をたくさん切るから十八番に入っているのだとか。
確かに、寝転び頬杖で見得、みたいな萌え見得もありました。

卒論からもうすぐ二十年。
長いときを経ても、観ることができてよかったです。

余談ですが、人間国宝中村歌六さんが体調を崩されて代役が立っているそうです……心配。

その代役がくらたが大好き芝のぶ様と、『VRおじさんの初恋』で毎晩見ているやじゅパパとのこと。やじゅパパすごすぎる。

そして何より、芝のぶ様が歌舞伎座で『伽羅先代萩』の八汐なんて大役に抜擢されただと……?!そもそも歌六さんが勤めるような役なんて大役中の大役です。
さすが菊之助さん、芝のぶ様への信頼が激厚である。『ナウシカ歌舞伎』では庭の守り人に、『FF10歌舞伎』ではユウナレスカ様に、『マハーバーラタ戦記』では影の主役、悪女・鶴妖朶王女様に抜擢している。

はぁー、『伽羅先代萩』名作なのはわかるけど子どもが死ぬからあんまり観たくないんだけど、芝のぶ様の八汐は観たぁーい!!

歌舞伎沼はつくづく深いです……。

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