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日常の話

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最近読んだ本や見た映画など日常のことについてまとめています。
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#日常

語る「べき」ことはないが語られる状況にあるということ

語る「べき」ことはないが語られる状況にあるということ

言葉のキャッチボールをするのはたいていの場合、初対面の誰とでもできるが、それが自身の望む力加減や方向性かどうかは相手が限られてくる。思っていた反応がなかったり、何も言葉が届いていないと感じることもあれば、逆に相手の言葉がじぶんの耳からすり抜けて別のことに注意が向いてしまうことだってあるだろう。

それでも語ることを諦めず、向き合い続ける。そこに人間性が問われているのだと信じながら。



怒涛の

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たいしたことない日々のこと201015

たいしたことない日々のこと201015

たまたま散歩がてら訪れたモンマルトルの丘にあるサクレクール寺院で祈りの場所に少しだけ座っていたら突然ミサが始まったから、心の準備ができていないわたしはその勢いにうまくなじませるように慌てるそぶりを何一つ見せないよう、神父の声に耳を傾けた。10月第一金曜日の話。

ミサの構成はサンティアゴデコンポステラ巡礼のときと同じだ。神父からの言葉が始まり、賛美歌を歌い、聖体拝領があり。巡礼の道の途中、スペイン

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たいしたことない日々のこと201002

たいしたことない日々のこと201002

一昨日から起床後に気だるさがあり、いやな感じだなと思いながら可能な限り予定以外は家に戻ってゆっくりと休む時間を確保した。その日は各方面と口論したりもめたりした後だったので気持ちは殺気立っていたし、精神的に疲弊してぐったり。すると案の定昨日に発熱。37,6度、夕方には身体が熱く38,0度。久しぶりの8度台だ。

ここのところ、体力というよりも精神力ががりがりと日々削られている。何か手を伸ばしてこれだ

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たいしたことない日々のこと200920

たいしたことない日々のこと200920

ちょうど昨日、巡礼者を街で見かけた。家の前の通りで、まっすぐと前を見つめ重たいリュックを掲げながら歩く男性。そこは巡礼路のルートから外れているからたぶんそのひとは何か必要にかられてこの道を通ったのだろう。初老の男性、背負ったリュックの汚れ具合、上部に飾られた帆立貝、靴の姿からみてここから新しく歩き始めたひとではない。パリでそういう姿をみるなら、彼はいったいどこから歩き初めているのだろう?

彼から

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たいしたことない日々のこと200906

たいしたことない日々のこと200906

8月中旬に更新したブログを読んでみると、その頃はビザ取得に関する事柄で頭を抱えていたようだ。結局のところこれは長引いて、すべての書類の問題が解決したのは渡仏3日前くらい。とにかく時間がかかったし直前までは不安でならなかった。それでも今は無事にフランス・パリにいる。

ようやくたどり着いた、というわずかな安堵感があるものの、あまりにもシームレスにかつ滑らかに入国しPCR検査もせず、友人と再会、アパル

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たいしたことない日々のこと200814

たいしたことない日々のこと200814

6月下旬からずっと頭をなやませていたビザ問題。面接、書類提出を終えて落ちつくところまでの作業はひととおり終えた。あとは申請が降りるかどうか、パスポートが戻ってくるまで待ちの状態である。最初の頃は数日もしくは1週間程度で良くも悪くも片付くだろうと思っていたのだが、なかなかこない。届かないのだ。「郵便の宛先住所が間違っていたのだろうか」「書類に不備があったのではないか」。あれやこれや考えを巡らせていく

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たいしたことない日々のこと200802

たいしたことない日々のこと200802

毎回毎回、書くたびに時間の経過を感じる。

先週、今年初めての冷やし中華を食べて、曇りがちなじめじめした時間でもいよいよ夏だなあという季節感をようやく始めることができた。それから数日経った8月初日、朝目が覚めて、この数ヶ月のあいだずっと顔を隠していた日差しが、ベッドの頭上、机の横の窓から素知らぬ顔で当たり前のように差し込んだ。なんでだろう?と疑問に思った。なぜ今日は曇りではないのか?光があるのか?

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