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草野球とビジネスのチーム構築は似てる?似てない?

草野球チームを運営するのと、会社を運営するのは同じ。という人がいたり、草野球の組織とビジネス上の組織は似て非なるもの、という意見もあったり。どちらかが正解、というものはないと思うが、双方において手法や知識を活かそうという試みは大賛成。当チームとしての考え方を深掘りしてみます。

草野球とビジネスの「目的」に共通項はあるだろうか?

そもそも、草野球とビジネスの「目的」に共通項はあるだろうか?浅いところでは「趣味とお金儲け」の違いはあるにせよ、いずれにも関わる個人として、行動の源にあるものは「ウェルビーイング」であることは間違いない。いずれも、心身で幸せになるために「人が集まる=チーム」という点においては共通項はあるのだろう。

いつかのチーム公式twitterにも書いたが、チームビルディングの発展段階を示す「タックマンモデル」というものがある。1965年に提唱されており現代でも生き残ったモデルであるから、チーム構築における基礎となる考え方のひとつだと思う。 草野球チーム運営者においても、こうした状況を経験し、その多くが創設数年の【混乱期】で苦労した経験があるだろうから、このモデルの説得力は言わずもがなではないだろうか。

心理学者ブルース・W・タックマンが1965年に提唱した、組織の成長の段階を示したモデル

何かトラブルが起きたときに、こうしたモデルを知らない運営者は「揉め事が起きるなんて、このチームダメだな」「うまく運営できなかったな」と心が折れてしまうのではないかと思う(ただでさえ運営という存在は無知で孤独なのだから)。

もしその時に、こうしたチームづくりのプロセスとして当然の流れが頭にあれば、個人の主張や関係性から対立が生まれ始めるのはチームとして成長途中だからこそ!皆で対話の機会を作り、役割や人間性を理解し合う事がこの時期に必要なんだ。と前向きに切り替える事ができるのではないか。

実感としてこの混乱期に、運営(自分)を含めて各メンバーの【本性】を見極めて対処して良かったし、だからこそ今の最高のチームがあると思う。 そもそもどういうチームを目指すかを見つめ直し、チームや運営に意見してくる選手の本質がクズ(ただ自分勝手にチームを動かしたいだけ)かどうかを見極め、逆に意見の無い人=チーム愛が無いと安易に決めつけず、それぞれを正しく見定めるためには、1対1、シラフでの対話でこそ見えてくる。

草野球チームづくりに悩む全国の運営初心者の方々は、こうした困難を越えた先に、協力的なチームの姿がきっと待っているのだと信じて、「真にチームに貢献したいと思っている人だけが集うチームづくり」に向けてどうか頑張ってほしい。

チーム秩序を保つ、 釘の刺し方も少し異なる

混乱期以外でもチームをナーチャリングしていく際には小さなトラブルは付き物である。そうした状況下で求められる「秩序の保ち方」についても、ビジネス上の考え方が活かせるのでは?と思うのでぜひ参考にしてほしい。

チュウナマイツの運営上、自己満足で権限を振りかざさず、 相手が萎縮せず、相手に舐められず、 公平な態度と明確な理由を持ち、 相手に合うシンプルな手段で… と常に心がけてます。 工夫や苦労までは伝わらなくても、誠意は伝わって返ってくると信じて。

そうした対応の背景には、我々のようにWEBでメンバーを募集するチームとして、「開かれすぎず、閉じすぎない」チームビルディングを目指す上では、 特に帰属性(belonging)こそ重要なファクトであると断言できる。多様なメンバーが集まり、お互いを認め合い、活かし合うことで【自分の個性を活かせる居場所はここにある】とそれぞれが思えた時こそ、 誇り・責任感が芽生え、チームへのモチベーション・定着率が高まっているなと、実感している。

「ビロンギング(Belonging)」とは、所属、一体感、帰属意識のこと

そのために必要な基盤としては、

  1. 目に見えない思いやりやモラルを育てること

  2. 目に見える形にしたルールや約束を規定すること

  3. それらのバランスが偏らないように調整すること

まず、思いやりやモラルは目に見えず、強制できるものではないので、如何にそれを自然に育てる仕組みづくりが必要だ。単純な例でいうと、運営自身が誰からも尊敬される態度をとり続けることである。そうすることで、小さな共感が生まれ、同じ行いを真似るメンバーが徐々に自然と増えるものである。

性善説で済むなら上記だけで充分だが、そうはいかないのが現実社会。悪意さえなければ同じ価値観、認識で物事を運営できると思っていたなら甘すぎる。自分以外は他人なのである。同じ認識を作るために、言語が生まれ、文字が作られ、法律が整備されている。草野球チームにおいても重要な部分は必ず明文化しておくことをオススメする。なぜならトラブルが起きてから設定しても、もはや手遅れになることが多いからである。

そして、それらのバランスが特に重要。緩すぎると結果穴だらけで秩序が保てないし、厳しすぎても情報量が多くなり浸透しない/窮屈に感じるなどの弊害のほうが大きくなる。この割合はチーム毎のモチベーションや特性に応じて異なるものなので、方程式は存在せず、メンバーの意見を加味しながら調整すべきである。

色々とチームビルディングのヒントになることを実体験と共に述べてきたが、草野球とビジネスとは明確な違いはあるため、「趣味」の草野球である以上 「ダイバーシティ&インクルージョンだ!」と無理な理想を掲げて首を締めないために、自分のキャパを超えない明確な線引きが必要だと思う。それぞれのチームならではのD&Iを設定し、その環境下で感情が高まり合う工夫をしていただきたい。

ちなみに我々チュウナマイツは、選手マネ運営含めての「ウェルビーイング(草野球後の一杯が美味い)」を追求するために、独自の価値観で今後もチームビルディングを進めています。興味ある方はお気軽にご連絡ください。

(チュウナマ編集部)

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