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【ドイツ周遊】ルターの隠れ家にもなった山上の世界遺産・ヴァルトブルク城へ

こんにちは。

ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。


前回のノイシュヴァンシュタイン城に続き、今回もお城を攻めました。
ほかのドイツ周遊編はこちらから↓


お城巡りが続きますが、今日訪れるのはドイツ・アイゼナハにあるヴァルトブルク城。
様々な伝説の発祥の地、そして宗教改革によって世界を変えたともいえる人物の隠れ家としても活躍した、田舎の山の上に立つお城を探検してきました。




城訪問≒山登り


いつも飲まず食わずで家を飛び出る私ですが、今日は違います。

絶対にお腹がすいて変な買い食いをしてしまうので、それを防ぐために今日のお供は水とグミ。
水分補給、糖分補給ともにばっちりです。

ドイツと言えばHARIBO

いつも49ユーロチケットと言うドイツ全土の定期券だけ(特急には乗れない)を使っているので、今日の拠点フランクフルトからヴァルトブルク城の最寄り駅・アイゼナハまでは4時間かからないくらい。

そこからはバスに乗り換えて、山の上にある城を目指します。

紅葉が綺麗

思ったより城の手前で降ろされてしまったので、前回のノイシュヴァンシュタイン、前々回のホーエンツォレルン同様山登り開始です。

見てる10倍急勾配で超しんどい!

天気はあいにくの曇り。
もはやこうもどんより曇ってくれると、そのドイツらしさに愛おしさすら感じますね…

城が見えてきました。
山の上にそびえ立つ、と言うよりは城が山と一体化している感じ。

ところどころ使われている存在が違って、増築が繰り返されたのかな?


城の中へ


さて、入城です。

ドイツらしさ満開のあいにくの天気ですが、お城の周りの森が美しく紅葉しているのを一望できました。

チケットを買ってから見学開始まで冷たい風に吹かれて待っていると、だんだん空が晴れてきました。

ちなみにヴァルトブルク城は時間ごとに分かれた完全ツアー制で、チケットは8ユーロ。
おっ安いじゃん、と思いきや、日本のお城の入場チケットの相場と比べると1300円は高いほう。

私のポリシーとしてこういった史跡を見るお金は惜しまない!(代わりにお土産や食べ物はほとんど買わない)があるのですもちろんお支払いしますが、
ドイツに来て物価の高さに値段感覚が鈍っているのかもしれないと思いつつ。


黄金の間


遺跡などの展示を抜けて連れてこられたのが、黄金に光り輝く「エリザベートの間」。

初めて聞いたときは私も勘違いしてしまったのですが、このエリザベートは“シシイ”と呼ばれる絶世の美女、オーストリア皇后のエリザベートとは別人です。

テューリンゲン方伯のルートヴィヒ4世と結婚するため14歳の若さでアイゼナハにやってきたエリザベートは、結婚後わずか6年で夫を亡くし未亡人となり城を追われます。

その後修道女となって多くの人々を助けたのち彼女は24歳で亡くなるのですが、死後彼女のお墓の周りで様々な奇跡が起こり、ここヴァルトブルク城には聖人エリザベートのための黄金の間が造られます。

この家具はいつものだろう…?


黄金のタイルで装飾された美しい天井と、エリザベートの生涯を描いたガラスのモザイク画が壁じゅうに見られました。

天井を間近で見ることができましたが、ここが造られたのは比較的最近の事なので技術も新しくてめちゃくちゃ綺麗でした。


絵が先?部屋が先?


次の部屋に入ってみると、

壁に描かれた絵画と実際の部屋の壁がそっくり。

右側の絵と
この舞台の壁

これ実は、ワーグナーのオペラ「タンホイザー」のモデルにもなった歌合戦が行われた場所。

ヴァルトブルク城には多くの詩人が集まって歌合戦が行われ、宮廷文化が花開きました。

おそらく部屋が先でそれを描いた絵が飾られているのだと思うのですが、部屋が結構新しめに見えたのでもしかしたら逆かもしれない・・・
ガイドさんのドイツ語が早すぎてその辺がしっかり聞き取れませんでした。

ちなみにこの部屋にあったこの棚なのですが、ワーグナーを有名にしたパトロンであり夢想王と呼ばれたルートヴィヒ二世が建てたノイシュヴァンシュタイン城に、これとそっくりなものがあります。

ノイシュヴァンシュタイン城がモチーフにした部屋


そしてそのノイシュヴァンシュタイン城がほぼコピーと言えるまでにモチーフにしたのが、この祝宴の間。

築城にあたっていろんなところでヴァルトブルク城を参考にしたルートヴィヒ二世ですが、ノイシュヴァンシュタイン城では「歌人の間」と呼ばれるここはヴァルトブルクの「祝宴の間」と瓜二つ。↓

https://www.neuschwanstein.de/englisch/tourist/

ルートヴィヒ二世ファン、そして彼の築城コレクションのファンとしては、聖地巡りのような感覚。

私の大好きなノイシュヴァンシュタインについてはここでたくさんお話ししているので覗いてみてください↓


他にも様々な展示が


この城が持つ様々なものが展示されていました。

中には、宗教改革を始めたルターを帝国会議に召喚し、その後来なかったルターを帝国から追放したカール五世の肖像画も。

なぜルターの話が出てくるのかについてはのちほど。


またルターが旅行するときに使った折り畳み式のスプーンというレアものも。

ワーグナー作品のピアノ編曲を担当し、娘がワーグナーの妻となった、フランツ・リストについての説明のパネルもありました。


“現場”へ


そして、私がヴァルトブルク城で一番見たかった部屋へ向かいます。

お目当ては見学路の一番最後。


それがここ、ルターシュトゥーベ:ルターの小部屋。

先ほども少し述べた宗教改革創始者のマルティン・ルターですが、当時の権威である教会に歯向かった彼はザクセン選帝侯にかくまってもらい、ここヴァルトブルク城で聖書のドイツ語訳を完成させます。

というのも、ラテン語やギリシア語で書かれていた聖書は民衆には理解できず、いわば教会が自分の利益のために聖書を都合よく解釈していると言えなくもなかった、それをドイツ語に訳してみんながわかるようにしよう!というのがルターの作戦であり、宗教改革が推し進められた大きな要因だったのです。


入り口はとても狭く、中にはルターの肖像画と小さな机、いす、そして緑のキャビネットが一つあるのみ。

この部屋に、ルターが聖書翻訳中に見た悪魔にインク瓶を投げつけた時のインク跡が残っていたらしいのですが、観光客が持ち去ってしまって今は壁板が張り替えられてしまっていると、案内のおじさんが教えてくれました。

中央右側の鉄杭はルターが見た悪魔とされる。

ちなみに椅子の足元にある鯨の脊椎の骨は、ルターが足置きにしていた当時のものらしいです。


見学はここまで。

城を出ると見える、濃淡のある黄色が美しいこの絶景を眺めながら、山を下りようと思います。

晴れていたらもっと綺麗だっただろうな・・・


あまりにもお腹がすきすぎていたので、帰りに駅の近くのカフェでコーヒーとケーキで腹ごしらえ。

ところで、カフェでゆったりしていると父からラインが。

なんと私が中世の城をてくてく歩いている間に、我らが阪神タイガースが38年ぶりの“アレ”を果たしたとのこと。

阪神ファンの父はテレビで観戦していたようで、盛り上がっている写真が何枚も(笑)

おめでとう!


最近お城巡りの記事続きですが、まだまだ行ってみたい城が尽きません。

これからどんどん暖かくなるので、もっと山奥の城も行ってみたいと思います。


それではまた!

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