佐々木クリス

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佐々木クリス

バスケットボール・アナリスト/解説者 twitter @chrisnewtokyo IG @chrisnewtokyo

マガジン

  • バスケのなかみ(解説書)

    マガジンのテーマは:バスケを愛して止まないだけじゃない、バスケットボールからも愛されるプレーヤーになろう! マガジンの目的 ・「バスケットボールの本質は何か」を知ることで、プレーや観戦、コーチングが何倍も楽しくなる。 ・共通言語の確立 ・バスケットボールをプレーする、コーチングする為のHOWを解説する本でありながら、WHAT、WHYの部分も理解を深める事で通常のHOW TO本では得られない気付きの深さと成長を提供すること。 ・新しく練習メニューを考えなくても、今やっているメニューの効果が格段に変わる!

最近の記事

チェイスダウン・ザ・チャンピオンシップ

時は2016年NBAファイナル Game7… 2016年NBAファイナルは"キング"レブロン要するクリーブランド・キャバリアーズとこの2015-16シーズンにNBA史上最高レギュラーシーズン73勝を達成したゴールデンステイト・ウォリアーズの対戦。2年連続の(のちに4年連続まで伸びる)対戦は世界が固唾をのんで見守る好カード。 シリーズは7戦を前に3勝3敗。6戦を通じてどの試合も10点以上の点差で勝敗が決まっていたものの、両チームの総得点は全く同じ610点。ともに放ったシュー

    • TOKYO五輪検証 -5人制男子バスケの大一番-

      1年の延期を経て開催された東京五輪に乗り込んだ”史上最強”バスケットボール男子代表。世界の先鋭12カ国が凌ぎを削る舞台で、結果男子代表は1勝もあげることなく、残念ながら予選敗退に終わりました。 それでも僕自身”史上最強“の触れ込みは一切間違っていないと今でも思っています。NBAにおいて正規の契約をもらえる450人のうち、約1/4はアメリカ国外出身選手。その中でアジアからは八村、渡邊以外にこの”正規契約”の選手はいないことを鑑みても何の疑いもないはずです。 実際、選手たちの

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      • 7章 ディフェンスのなかみ / (Over Time) -後編

        5. 必要の無い手助けはむしろチームを苦しめるでは毎日ハードに切磋琢磨しているみなさんが、ディフェンスでの戻りも良い習慣作りが出来て、相手をハーフコートに追い込むことに成功したとしましょう。ハーフコート、5対5というがっぷり四つ組み合った状態から例えばレイアップを許してしまったり、ノーマークのコーナー3ポイントを明け渡した時には何かボタンの掛け違いや、守備面での失敗があったはずです。 一定のレベルに達したチームの問題点として良く見られるのは過度のヘルプ、不必要なヘルプ=オー

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        • 7章 ディフェンスのなかみ / (Over Time) -前編

          みなさん、お久しぶりです。今年の春に連載を始めたシリーズですが、ようやく完結を迎えられそうです。お待たせしてすみませんでした。 さぁ、ここまで根気よく、マガジンなどで読み進めてきた皆さんはバスケットボールのなかみが理解できたのではないでしょうか?最後の章はディフェンスについて。なぜディフェンスに関する章が一番最後なのでしょうか? 一番地味だから?一番キツイことだから?重要ではないから? どれも誤り... 実は守備のことを考えると、非常にシンプルな結論に行き着くからなので

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        チェイスダウン・ザ・チャンピオンシップ

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        • バスケのなかみ(解説書)
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          2020NBAファイナルGame5レビュー

          Game5開始前にこれだけ壮絶なゲームが繰り広げられることをどのくらいの方が予想しただろうか...近年のファイナルではトップクラスの攻防が展開された至極の一戦...その熱きバトルはしっかりとNBA史と共に我々のハートに刻み込まれたと言って間違いないでしょう。 そして、具体的に試合を振り返る前に一言。レブロン・ジェームズ圧巻のパフォーマンス、40得点(うちペイント内18得点)に加えて13リバウンド、7アシスト。特筆すべきは3Pが6/9、これはヒートのディフェンスプランが成立し

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          2020NBAファイナルGame4

          Game1のレビューをnoteに投稿してから数試合、間が空いてしまいましたが今回は102-96でレイカーズが勝利したGame4のレビューをお届けします。 まず、このGame4の開始前に僕が注目した点を整理しましょう。 ・1つ目はヒートのアデバヨ復帰なるのか? ・2つ目はゲームの入り1Qは点差が開くのか?僅差でスタートするのか? ・そして3つ目にして最大の注目、レイカーズが守備的なアイデンテティを取り戻すことができるのか? 3つ目、これには驚かれる方もいらっしゃるかと思い

          2020NBAファイナルGame4

          2020NBAファイナル Game1 レビュー

          みなさん、こんにちはバスケットボールアナリストの佐々木クリスです。コロナ禍の影響を受けてNBA史上最も長いシーズンとなった2019-20シーズンのチャンピオンを決めるNBAファイナルが10/1にTipOffしました。 10年で9度目のファイナル進出、現役最強を未だに証明し続けるレブロン・ジェームズにリーグで5本の指に入るであろうA・デイビスを擁するレイカーズ。対するヒートは、ファイナル前の3つのラウンドでそれぞれ異なるスコアリングリーダー(ドラギッチ、バトラー、アデバヨ)が

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          ECF Game5 マイアミvsボストン

          Game6を目前に控える、2020年イースタン・カンファレンスファイナル。いよいよシリーズも終盤を迎えますね。マイアミvsボストンは両チームともリーグを代表する知将に率いらているだけでなく、総合力が高く、かつディフェンシブなアイデンティティを持っています。それだけに細部にわたるまで細かい応酬をみせている...玄人ファンもグッとくる素晴らしい戦いですよね。 さて、Game6を楽しむためにもGame5を振り返りたいと思います! このゲームに入るにあたって僕が1番注目したのはBO

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          目的と手段のはざまで-6章(4th Quarter) / スクリーン&フィジカル編

          第6章の最終回となります。早速どうぞ! 11. スクリーンは昔、本当の柱を使っていた?ここで少し、ドリブルでもパスでもない、スクリーンについて。既に1対1の原則でスクリーンには少し触れましたが、みなさんはスクリーンがどのように誕生したかご存知ですか? 諸説ありますが、一番有力視されているものは…かつてバスケが行われていた体育館にバスケ専用というものはなく、体操競技を行うような体育館にカゴをかけて行っていたため体育館の天井を支える柱が1つないし2つあるのが通常でした。 ある時

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          目的と手段のはざまで-6章(4th Quarter) / スクリーン&フ…

          目的と手段のはざまで-6章(4th Quarter) / パス編

          6.passing is a lost art(パスとは失われた芸術だ!) 僕自身、パスという手段は、ボールをペイントまで、そしてノーマークの味方まで運ぶのにこれほど効果的なスキルはないと思っています。それはいつどんな時でもパスのスピードに人間は追いつけないから。そうパスすることで空間を移動するボールは人より断然早いんです(笑)。ドリブルで進む人、全力疾走するディフェンス、誰よりもです。 当たり前に感じると思いますが、この本質を的確に捉えて、パスを適切に使える選手には、多くの

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          目的と手段のはざまで-6章(4th Quarter) / パス編

          目的と手段のはざまで-6章 (4th Quarter) / ドリブル編

          この章ではドリブルやパスといった技術について考えてみましょう。自分自身の経験からもバスケの大きな魅力として、ドリブルをすること、パスをすること、それぞれのスキルひとつひとつにも喜びや楽しさがたくさん詰まっています。そして、それぞれのスキルを完璧に自分のものにするための探究も、自分にとって楽しくて仕方のないものでした。 その上で原理原則としてドリブルやパスについて考えると、最終的に行き着いたのは… ・ドリブル、パスはチームとしてリングまたはペイントエリアへボールを進めるための

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          目的と手段のはざまで-6章 (4th Quarter) / ドリブル編

          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-後編

          みなさん、こんにちは。『バスケのなかみ(解説書)』木をみて、森もみる-5章の後編を新たにアップします。前編では観る、判断、行動のサイクルについてやコート上でオバケにならないことの重要性、常に頭に入れておきたい6人の小人たちについて解説しました。そして中編では常々言われる心技体の順番は正しいのか?全てのプレーヤーが今すぐNBAプレーヤーに勝てるもの...そして味方に送る信号、相手に送る信号についてお届けしました。ぜひこの連載を初めて目にした方で、ご興味ある方は遡って読んでいただ

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          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-後編

          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-中編

          4. 心技体ではなく、体心技日々バスケットに打ち込んでいる中でぶち当たる壁の一つに“メンタル”=精神力というものがあると思います。 これは行動や判断の質をも左右する重要な要素で、アスリートのメンタルの強さはどこからくるのか?これは永遠のテーマであり、数多くのスペシャリストが日々研究している分野です。 これはあくまでも1人のプレーヤーとしての意見ですが、僕が引退するまでに至った結論、それはよく耳にする心技体の順番ではなく、体、心、技。もしくは体、技、心の順番ではないか?という

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          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-中編

          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-前編

          1.やるべき事はディフェンスが教えてくれる。観る、判断、行動のサイクル2014年にNBAを制したサンアントニオ・スパーズの選手達。彼らを率いる名将ポポビッチHCが当時「0.5秒で判断しなさい」と指示をしていた事が有名です。あまりに早いボール回しと選手達の連動にレブロン・ジェームズ要するスター軍団のマイアミ・ヒートも完全に出し抜かれ、当時のファイナルは史上最高に美しいバスケットボールとも称されました。 ここでひとつ、「早い判断」について考えてみましょう。ボールを手にしてから0

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          木をみて、森もみる-5章(3rd Quarter)-前編

          ポパイのほうれん草-4章(2nd Quarter)-後編

          前回に引き続き4章『ペースとスペースのなかみ』についてお届けする後編です。個人的にはセットプレーを考えることや特定の技術の習得に非常に多くの時間が費やされている一方で、スペーシングの細部にまでこだわり抜いて考える時間は十分に使われていない印象です。この後編もみなさんにとって有意義なnoteとなることを願っています。 6. スペースを作る強力な味方、ペースとボールプッシュコート上、特にハーフコートでの攻撃の際に立つスポットを選択していく以外に、スペースを広く使える方法がありま

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          ポパイのほうれん草-4章(2nd Quarter)-後編

          ポパイのほうれん草-4章(2nd Quarter)-前編

          みなさん、こんにちは。佐々木クリスです。 バスケットボールの原理原則を探求する連載、遂に4章まで進めることができました。ここまで来るとさらに深い深海へと潜るような感覚におちいるかもしれませんが、引き続きみなさんの知的好奇心と探求欲を刺激しつつ、なるべく簡素化された、分かり易い解説を心がけたいと思います。 またこの章から僕のnoteを知ってくださった方。もちろん4章から読み始めていただくことは何も問題ありません。ですがみなさんの理解は1章からスタートすることで何倍も深まると思

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          ポパイのほうれん草-4章(2nd Quarter)-前編