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目的と手段のはざまで-6章 (4th Quarter) / ドリブル編

この章ではドリブルやパスといった技術について考えてみましょう。自分自身の経験からもバスケの大きな魅力として、ドリブルをすること、パスをすること、それぞれのスキルひとつひとつにも喜びや楽しさがたくさん詰まっています。そして、それぞれのスキルを完璧に自分のものにするための探究も、自分にとって楽しくて仕方のないものでした。
その上で原理原則としてドリブルやパスについて考えると、最終的に行き着いたのは…

・ドリブル、パスはチームとしてリングまたはペイントエリアへボールを進めるための手段
・ノーマークの味方(自分を含む)までボールを進めるための手段
・ディフェンスの目を集めるための手段

この3つです。ここで注目して欲しいのは『手段であって目的ではない』ということ。特にドリブルが上手くなってくると手段と目的を曖昧にしてしまいがち…あくまでもシュートを決めなければ勝利できない、ペイントに入らなければ勝機は減る、というのがバスケの原理原則であることを忘れてはいけません。ですから5章で紹介したMr. Whyを親友としてこの章でも側においておきましょう。

もう少し分かり易く説明するために、たとえ話をご紹介します。
例えば、あなたが家具を組み立てようとしているとしましょう。家具を作ることが試合に勝つこと=目的です。家具を作るにあたって大小、長さも様々なネジが必要ですね?さらにこのネジを締めてくれる道具、ドライバーが手段なのです。状況によってはマイナスドライバーやプラスドライバーを使い分けるようにレッグスルー、ビハインド・ザ・バックを使い分ける必要があるでしょう。パズルでは特定のピースしか上手く噛み合いません。パスをする時にどのようなパスを選択していますか?ある種のパスでは上手くいかなくても、別の種類は上手くいくかもしれない。
この原理原則と基礎の重要性を改めて確認した上で章を進めていきたいと思いますが、この章の最後には『世界と日本の差』として常々語られてきたフィジカルコンタクトについても少し解説していきたいと思いますのでお楽しみに。

1. とにかくボールと友達に!ボールハンドリングとは?

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