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ECF Game5 マイアミvsボストン

Game6を目前に控える、2020年イースタン・カンファレンスファイナル。いよいよシリーズも終盤を迎えますね。マイアミvsボストンは両チームともリーグを代表する知将に率いらているだけでなく、総合力が高く、かつディフェンシブなアイデンティティを持っています。それだけに細部にわたるまで細かい応酬をみせている...玄人ファンもグッとくる素晴らしい戦いですよね。

さて、Game6を楽しむためにもGame5を振り返りたいと思います!
このゲームに入るにあたって僕が1番注目したのはBOSがいかにMIAのアデバヨをコントロール下におけるか?という事でした。

ドラギッチやヒーローが超絶パフォーマンスを魅せながらも、そのPnRパートナーは常時アデバヨ、彼がリムを強襲出来る力、そして前回RakutenNBAで試合配信の最後に解説させていただいた、試合を決めた105点目を演出するポイントセンターぶり。

何度か試合中継でお話しして来ましたが、ここ5年で我々が見慣れたウォリアーズのD・グリーンの姿や役割と重なって見えます。
しかもこの105点目は4対3を崩す起点となったアデバヨから、そのウォリアーズでプレーしていたイグダーラをさらに経由してドラギッチのコーナー3Pが炸裂しました。

アデバヨはマンツーマンにおいてマイアミがボストンの強大なボールハンドラーたちにスイッチアウトすることも可能で、ここで起きる外郭でのアイソレーションをここまで4戦ほぼ抑え込んでいます。考えてみてください、ケンバやテイタムですら明確に彼を1対1で崩せない…
守備でも正にドレイモンドのような活躍、しかしその身体つきや背の高さを考えるとそれ以上の圧力かもしれません。この事がさらにマイアミのZONEを効果的にしていると思います。

アデバヨの活躍、Game1でのブロックは超絶!でしたし、ここまでシリーズ3試合続けて+20P, +10Rもさることながら、

さらに、特筆すべきデータは...彼が出場中(ONコート)とベンチに下がった時間帯(OFFコート)のNETレーティング(100回の攻撃権換算の得失点差)です!

2ndラウンドまでのNETレーティング ON/OFF
12.5(先発最高) / -3.1 = 15.6の開き
そしてvsボストンとのシリーズ4戦でのNETレーティング ON/OFF
8.7 / -29.8 = 38.5の開き

つまりこのNETレーティングの開きをみる限り彼が出場していないとマイアミは到底シリーズ突破は望めないようなパフォーマンスにになってしまっているということ。当然4戦での平均出場時間もバトラーを抑えてチームトップの平均39.2分。

翻ってボストンからすると驚愕のパフォーマンスとも言える彼を支配下に置く方法、それはヘイワードの復帰によってかけられていた鍵が解錠された「ベスト5ラインナップ」でした。

この5人で戦うことで、最もボールハンドラーとして脅威の小さなマイアミの選手にケンバをマッチアップさせつつ、アデバヨP&Rなどはオールスイッチで守る。
ヘイワード復帰戦となったGame3、7分の時間の間に+13もの効果を作った正にあれです。

しかしながらボストンはなぜかGame4にこのラインナップを5分代に減らしました。(この時間帯は+1、FG5/10、3P3/6、FT5/5、5A、2TO)
最初に書いた105点目の失点も、バトラーに直前に決められているとはいえ、トラップでアデバヨをフリーにするよりもスイッチが妥当では?と、プレーを改めて観かえすと感じてしまいます。(P&Rのポケットでこれだけのプレーができるセンターがどれだけ少ないことか…それもアデバヨの凄さ)

という訳で、僕も楽しみにしていたGame5はどうなったでしょうか?

結果は108-121でボストンの勝利。

1QではFG 5/20=25% さらにTOV4つから6失点と沼地にハマったかのような重たい攻撃を展開していたボストンが後半にマイアミを圧倒しての勝利。また、マイアミは主導権を握っていた前半に彼らの特徴的な2-3 ZONEを使うことはなく、このゲームで初めて使ったのは3Q 9:14 ボストンのスローインからの攻撃に対して。しかも1分後にはボストンが60-60 試合を五分に戻す直前でした。(因みに5試合を通じてマイアミは劣勢を跳ね返す為にも、主導権を握って畳み掛ける為にもZONEを起用しており、その試合、その試合の傾向を見極め変則的に使っています。)

さて、早速答え合わせをすると、この試合のMVPとも言えるキーマンはボストンから2人。それは"前半の"エネス・カンター、そして"後半の"ダニエル・タイス。2人は今日僕が注目していたバム・アデバヨの支配力をいかに削ぐか?という部分で想像以上の貢献度でした。
後半で見せた守備からの速攻がこのシリーズではボストンの最大の武器であることはGame3の勝利からもわかりますし、このゲームの後半にも該当するでしょう。しかし、チームとしてマイアミを攻略する鍵はまさにこの2人が握っていたように感じます。つまりそれは僕が予想した”ベスト5ライナップ”がアデバヨとマイアミを攻略した訳ではなかったということ。(試合を通じて併用は1Qに3分間のみで得失点は-6...)

ちなみにアデバヨ、このシリーズで出場期間中の±は
G1 +12
G2 +8
G3 +1
G4 +8 →4戦を通じてチーム最高の平均+7.3
G5 -15 !!! (13P、8R、8A、1S、1Bで...)

このような結果に。


冒頭に紹介したONコート/OFFコートのNETレーティングでみるとこうなりました
ONコート -18.3
OFFコート+31.3
これまでの傾向とは真逆も真逆、突出した数字です


それでは試合をもう少し詳しく、気になったプレーやデータをクォーター毎に紹介したいと思います。

1Q
1stプレー、マイアミの攻撃。スクリーンプレーをポジションに関係なくオールスイッチで守るボストンに対してマイアミはクラウダーからの手渡しパスからロビンソンがタイス越しに代名詞とも言える3ポイントを沈める。

これに対して、ボストンの1stショットはアデバヨをリング下から引き出す為に右コーナーに配置されていたタイスによる3ポイント、失敗。

9:48 ボストンの攻撃。自らのセットからTOPでテイタムとタイスのピック&ロール(P&R)。これをマイアミはスイッチするだけでなく、リングにダイブするタイスにコーナーディフェンダーのロビンソンがタグ(Tag=日本でいうバンプ)。テイタムはすかさずコーナーのスマートにボールを供給し3ポイント成功。これがボストンの初得点だが、Game4以降、TOPでアデバヨと1対1をするよりTagが少しでも行われればウィングに展開し、ロビンソンをアタックしようと伺っている。ここではドライブではないが似たような形。

8:55 ボストンの攻撃。TOPのケンバにスクリーンし、P&Rに入るかに見えたタイス。しかし狙いはスイッチの裏をとる”スリップ”、アデバヨはこれに反応せず、ケンバはTOPでズレがないまま3ポイントを放ち、これを外す。

8:33 ボストンの攻撃。セットプレーをスイッチして対応するアデバヨ、やはりTOPでは攻める気もないケンバ。ドラギッチにつかれた左スロットのテイタムに即座にボールを流すも、パスが乱れるとともに、マイアミはギャップをも狭くしておりうまく1on1出来ない。中継画面のフロアレベルではマイアミDEFのポジショニングがZONEにすら見える。→この場面ではストロングサイドのスマートを逆コーナーにシフトしてよりテイタムに左スロット(ウィング)でスペースを与えても良かった。

8:13 来ました!ボストン、ノーセンター(タイスout→ヘイワードin)注目のベスト5ラインナップ。恐らくこの時点でスティーブンスHCとしては守備の課題以上に攻撃のスペースの乏しさや起点の乏しさにテコ入れしたかったと考えられます。かなり早めにこのラインナップを投じて来たことや、これまで例に挙げたプレーからもボストンはP&Rをスイッチで守れてしまうアデバヨ攻略の糸口が見えていないことを意味するでしょう。

7:24 ボストンの攻撃。スピードでアデバヨを攻略しようとヘイワードがドライブを仕掛けるもターンオーバー。そこからロビンソン今日2回目のファーストブレイクレイアップ。ボストンは1対1を仕掛ける時にウィークサイドのアクションが乏しく、正にシリーズ初戦で破れたGame1の終盤の澱みかたをしていた。

この時点で僕が感じていたのは、戦術はともかくボストンはかなり重圧を感じているのか、OFFはぶつ切りで安易なターンオーバーが目立ったこと。4:30もの間得点が止まり、マイアミが12-0のRUN(攻勢に出る)。

残り6:14、マイアミはアデバヨを下げてイグダーラがセンターに。
イグダーラがセンター??と思われるかもしれないが、ここで少し脱線してGame1からの彼の出場時間の推移を紹介。

G1 14:36
G2 7:23
G3 7:11
G4 27:15
G5 19:27

ボストン勝利でGame3が終わった時点ではもはやイグダーラに出場機会はあるのか?というようにも見えました、ボストンのスモールラインナップに対抗することはもちろん、G4、G5、スポールストラHCはイグダーラをアデバヨの控えを担わせているように思います。

1Qでその象徴的な場面が、2:55 マイアミの攻撃。このシーンでイグダーラは通常アデバヨがエルボーでボールを受けてから始まるセットを、アデバヨの動きをなぞるようにやっています。しかも最初のアクションをボストンが守るとそのままポストに位置どりをかえ、ボールを受けた後にロビンソンとヒーローがウォリアーズの伝家の宝刀としても知られる”スプリットスクリーン”(知らない人はぜひ『てらこやNBA』をみてください!)、ロビンソンが3ポイントショット時のファウルを受け、FTを3本獲得しました。
このプレーはイグダーラのIQの高さと献身性、さらにゴールデンステイト時代に培ったシューターを引き立てることの心得が凝縮されています。

このイグダーラのプレーもあって、マイアミは
アデバヨ最初に下がった時点で+8
2:09 戻った時にチームは同じ+8

21-13でアデバヨをコートに送り出します。

その後マイアミの攻撃。24点目を3ポイントであげたロビンソン。そしてその次にはアデバヨ自身、チーム25、26点目になるFT獲得に繋がったプレーは連動しており、ボストンの頭の中にすり込まれた3ポイントの脅威を引力として、ディフェスのスイッチミスを引き出す素晴らしい共存関係。ゴールデンステイトのカリーが「組織化されたカオス」と呼んでいた正にそのもの。

このように特徴的なプレーで加点するマイアミに対してボストンはフルスピードでリングやペイントに向かっていける場面が少ない...

そんな中、残り42秒からのボストンの攻撃。ハーフラインを超えたあたりでタイスのトランジションスクリーンを受けたブラウンが推進力もそのままにアデバヨをアタックしてリングに進み、右から左への鋭い切り返しでフィニッシュ。チーム18点目をあげるとともにアデバヨ2つめとなるファウルを誘う。

1Qが終了しボストンのFG成功率は25%と極端に低く、特にペイント内は12-4と一方的になるほど締め出されてしまった。
一方で印象とは裏腹にマイアミのFGも40.9%に抑えていたボストン。ここでなんとか食い下がっているものの、やはりアデバヨを攻略できないかに見えた1Qでした。

2Q
マイアミはファウルトラブル(バトラー2つ、ヒーロー2つ、アデバヨ2つ)によって、ドラギッチ、ロビンソン、ヒル、イグダーラ、オリニクでスタート。どこが起点になるか?難しいラインナップであることは確かで、10:05までボストンの一連の守備は素晴らしい
しかしボストンは攻撃で相手に代償を払わせることが出来ませんでした。

そこで、9:48 ボストンはこのゲーム前半のMVPであるカンターを投入します。マイアミはイグダーラやヒルが入っている、つまりカンターがかねてから苦手とするP&Rディフェンスで彼を攻め立てる強大なボールハンドラーがマイアミには少なく、絶好の好機
攻撃のテコ入れのために期待されたカンターは入って早速ブラウンとのハンドオフからスコア。

しかし、カンター投入の本当の効果は6:54 ボストンが40-28と再び劣勢になったタイムアウト明けのプレーでした。TOPでケンバとカンターがP&Rをするとアデバヨはこれまで通りスイッチでケンバに対処。そこでバトラーとの身長差の優位性が生まれたカンターにパスをするためボストンはエントリーの角度を変えてパスを供給。フックショットを流し込みました。

なんてことないスイッチアタックの典型ですが、これはタイスではこのシリーズ皆無に等しいパターンでした。何せ彼は動いている状態からの合わせのプレーが選択肢のほとんどで、フックショットなどは今季タイスのFGAのうち1.1%しかなかったほどです。

このプレーがなぜそれほど重要なのか?それはもうお判り、スイッチでアデバヨが外郭に出ていくことを簡単に許さないためです。このタイムアウト前までに、テイタム、ブラウン、ケンバはFG合計4/17=15得点しかあげておらず、ボストンはカンターの働きが巡り巡って、ボールハンドラーたちをアデバヨから自由にさせたかったのです。
ボストンはスマートの速攻で2点を加えると、次の攻撃でもTOPでケンバとカンターがP&R、そこから流れが生まれテイタムのドライブからブラウンの逆サイド3ポイント成功と波及効果が見え始めます。

もちろん押し返してくるマイアミ。4:48にロビンソンがDEFでブラウンに対して気を吐くと、アデバヨがリバウンド、そのままセンターである彼がボールを運び、コート中央くらいでブラウンのプレッシャーをスピンムーブでかわすとコーナーを守っていたスマートを引き寄せ、クラウダーのバックカットを演出。真骨頂とも言えるプレーが飛び出します。

しかし、カンターが今度はアデバヨ相手にポストから1対1でスコアしボストンにこれまでみられなかった形が確実に生まれてきます。

すると3:04からのボストンの攻撃で遂に、しなり切った竹がバチン!と折れる瞬間が訪れます。再三スイッチでP&Rを守っていたマイアミでしたが、カンターを不気味に感じたかケンバとカンターのTOPでのP&Rにアデバヨが出てこれませんケンバは自身の大好物であるP&Rからのプルアップ3ポイントをこれほど気持ちよく放てたのは久しぶりだったのではないでしょうか?ボストンが48-44まで迫ります。

これに対してマイアミは1:50にいよいよアデバヨを下げる選択をします。ONコートはドラギッチ、バトラー、ロビンソン、クラウダー、イグダーラ。
ボストンはカンターそのまま起用していましたので、マイアミが狙うはカンターの守備...機動力で圧倒する考えです。
1:26 マイアミはカンターにつかれているイグダーラがバトラーにスクリーンのウィング同士のP&R、後ずさりして守る(Drop)カンターごしにバトラーは絶妙なフローターを沈める。その後マイアミはロビンソンの3ポイント、バトラーのドライブにカンターを絡めることでいよいよカンターにも限界が訪れます

それでもカンターが沼にハマったボストンの攻撃をレンチで引き上げ、チームという名のジープをオフロードから舗装された街道へと導いてくれた効果は計り知れないものだったと思います。確実に僕が期待したベスト5ラインナップ以上の効果はあったでしょう。前半終わって得点は58-51。FTの差14/18-7/10がボストンにとっては痛手でもあり、3ポイントショットに対するファウルが2回はありました。それでも2Qにボストンがあげた33点のうち22点分はペイント内からあげており、攻撃にパンチが戻ってきたことは確かでした。

3Q
このQが始まって間も無く現地ニコルズ記者からリポートが入ります。内容は、

ボストンのスティーブンスHCの指示としては『相手の身体にもっと身を寄せていけ』というシンプルなもので、後の話し合いは選手に託した

とのこと。

それでもボストンの修正は明確。試合開始当初、相手のP&Rはスイッチしていたものの、3Qは確実にスイッチを止めて、タイスが瞬間的にボールマンとアデバヨの2人を1人で守りつつ、後方のウィングを守る選手もアデバヨの飛び込みに身体をぶつけてTagをする手法をとってきます。これは後方側のシューターを瞬間的にフリーにするので一定のリスクが伴います。しかもマイアミはシーズンを通じて3ポイント成功率37.9%とリーグ2位のチーム。それでもアデバヨを抑えにきたのです。

確実に後半から運動量と激しさが増したボストンの守備。10:40にはトランジションでアデバヨを守ることになったブラウンも身体を張ってターンオーバーを誘うと一気に攻撃に転じて速攻で自ら加点。

直後のアデバヨが絡むP&Rからターンオーバーを誘ったボストンでしたが、特に9:41から始まるマイアミの攻撃、サイドP&RをICE(アイス)で守りきり、最後のリバウンドまでせめぎ合う姿はまさに研ぎ澄まされた集中力の賜物。

すると9:14 にサイドからボストンがスローインする際にマイアミがいよいよ2-3ZONEのカードを切ってきます。しかしボールが投げ入れられると、フレアスクリーンをかけたそのまま繋げてFTライン付近でタイスがボールを受けると即座にジャンパーを沈めてみせます。これまでの4戦を通じて2-3を攻略する重要拠点であるこのエリアでボールを受けてもパスをすることしか考えていなかったタイスが!これにはマイアミも虚を突かれたはず...

次のボストンの攻撃はマンツーマンに即座に戻していたマイアミ。しかしボストンはP&Rを行うと前半のカンターさながらに、なんとタイスがインサイドのミスマッチを攻めようとボールを受けます。結果シュートは外れますが、これもマイアミにとって一定のサプライズだったでしょう。

8:07には60-60同点に追いついたボストンがマイアミにタイムアウトを取らせます。しかし、このタイムアウト明けのボストンはこの日1番の守備。バトラーとアデバヨのP&RをICE(アイス)+Tagで抑え込み、最後はガードであるスマートが素晴らしいリバウンド。そこから速攻を繰り出すとこの日初めてボストンがリード

5:39にマイアミが次のタイムアウトを要求するまでにボストンは3Qの初めから、なんと20-3のRUNを演じてしまうのです。

この後はZONEに対してもP&Rからの3ポイントを浴びせ、マンツーならばスイッチの後にオフェンスリバウンドをもぎ取ってみせるボストンが圧倒的な攻勢に。

3:27にはボストンがこれまでセンターとして起用を分けていたG・ウィリアムズ、タイスを併用し、スイッチできるウィリアムズはアデバヨに、アリウープの脅威が少なく、3ポイントまで出ていく必要がないイグダーラにはタイスをマッチアップして守備で徹底抗戦の構えをみせる。
(実はカンターも一時G・ウィリアムズと併用されるのだが、あっという間にドラギッチに攻略され、後半の出場は39秒で終わってしまいます)

この併用とマッチアップの考えがそれぞれ的中したのが2:34と1:15のマイアミの攻撃。スイッチで分断された攻撃からドラギッチが3ポイントミスに誘われ、次はタイスがイグダーラの3ポイントをケアせずとも守れるため後髪引かれる要素もなくDROP、後追いのスマートが見事なスティールから速攻に繋げたプレーです。

このようなプレーでボストンが作った25-41のビッグクォーター。速攻とセカンドチャンスからの得点の合計でも0-14と圧倒

4Qに入ってもボストンは、10:24にマイアミの24秒バイオレーションを誘い、ZONEを連続して攻略。

最後のプッシュを狙う6:34、タイムアウト明けのマイアミの攻撃でヒーローがショットを外すと、タイスがアデバヨのORBを許さない身体を張ったプレー。

ちなみにヒーローが前回ゲームと同じようなインパクトを残せなかったのか?それは前半にベンチから勢いをもたらすヒーローがファウルを重ね、リズムに乗れなかったこと。そしてやはりボストンがアデバヨの起点を潰したこと。特に4Q 3:57のシーンで顕著にみることができました。

アデバヨが3ポイントライン沿いにヒーローにスクリーン、ヒーローが自由になったと思いきやスマートがギャップを埋めでヒーローのスピードを殺す。するとヒーローは自らのタイミングではなく、ボストンに仕向けられた形でアデバヨにポケットパス。このパスはアデバヨにとっては準備が整う前で、いつもより一歩リングから遠い位置で受けることになった。結果最後はテイタムとタイスに前後から挟まれてのタフショット...

どちらのチームも守備にプライドを持っているだけに非常に高度なせめぎ合いをGame5も観ることができたのは流石でした。そして毎回良い意味で期待が裏切られるシリーズとも言って良いでしょう。
ちなみにGame3以降、Game4も含めてやはりボストンがマイアミのZONEに対して放っているショットのクオリティーは及第点以上に感じます。ZONEを攻略し(G5では9回対峙して14得点)ターンオーバーも11に留めたボストン。次戦もボストンにとってマストウィンであることは変わりません。しかしシリーズの行方が試合ごとに変化をみせる中、やはり本当の勝負はZONE攻略か否かではないことだけは明確な気がします。

Game6、次はマイアミがアジャストしなければなりません。


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