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困り感や生きづらさを感じている子ども達

今日は真面目に教育関係のことを書こうと思います。

実は昨日、息子の同好会の新年会がありました。
そこで子どものことに悩みを抱え、涙を流す1人のママの姿を目の当たりにしました。

そのママは、どんなことで悩んでいるのかというと、

・最近学校に登校できなくなったこと
・学校の対応への疑問&不満
・今後どうしていけば良いのか

ということでした。

息子がこの野球チームに所属したのは昨年の10月頃。
彼と一緒に野球をしたのは約4ヵ月と短い期間ではありましたが、その間、彼が感情を抑えきれずに怒ったり泣いたりする姿を実際に私も目にし、“大丈夫かな!?”と密かに気になっていました。

このように、教師から見ると“気になる子”は、学級の中にたくさんいます。
その程度にはもちろん個人差がありますが、どの子にも共通して言えること。それは···、

環境を整えること、適切な支援を行うこと

が必要だと言うことです。

1.発達障害とは

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のかたよりによる障害です。
得意・不得意の凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生します。発達障害は外見からは分かりにくく、その症状や困りごとは十人十色です。

参照『LITALICOジュニア』https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/

上記にも書かれているように、症状や困り感は人それぞれ違います。
また様々な特性を併せ持っている人もいますが、発達障害には大きく分けて、以下の3つのタイプや特性があります。

参照『発達障害情報・支援センター』
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%81%99%E3%82%8B/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%A8%E3%81%AF/

近年は、困り感を抱えている子が本当に多いと感じます。
そこで、導入されたのが“インクルーシブ教育”です。

2.インクルーシブ教育とは

インクルーシブ教育とは、子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にかかわりなく、誰もが望めば自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べることを目指す教育理念と実践プロセスのことをいいます。

つまり、「一人ひとり丁寧に」と「みんなで一緒に学ぶ」の両方の実現を目指す教育理念であるといえます。

参照『LITALICO発達ナビ』https://h-navi.jp/column/article/35025729

では、このインクルーシブ教育を実現させるためには、具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか?

3.インクルーシブ教育における具体的な取り組み

基礎的な環境を整えること
インクルーシブの実現に向けて、文部科学省をはじめ、国や都道府県、市町村などの行政機関が主体となって行うべきことの1つが、多様な子どもが共に学ぶための基礎的な環境を整備することです。

例えば、肢体不自由があり車いすに乗って通学する子どもにとって、校舎内が階段ばかりでは自力での移動が困難です。ですが、校内の段差を減らしたり、スロープやエレベーターを設置することで移動することの障害を解消していくことができます。
②合理的配慮
国や都道府県、市町村などの自治体が整えた基本的な環境をベースとして、学校や教員が主として行っていく「合理的配慮」というものがあります。

合理的配慮とは、一人ひとりの特性や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、一人ひとりに合わせた調整や変更のことです。障害のある人が障害のない人とが平等にいられるために作られた仕組みです。

参照『LITALICO発達ナビ』https://h-navi.jp/column/article/35025729

4.教育理念と現実のギャップ

学校では、インクルーシブ教育を実現させるために、上記のような取り組みを進めているようですが、実際には先程のママのように学校の対応へ疑問や不満を感じている方は少なくありません。

その原因の主なものは、

①財政難
②人員不足
③特別なニーズを必要としている子への知識、理解不足

だと私は感じています。

まず、環境を整える上でお金が必要になることは言うまでもありません。
しかし、それに反して年々教育にかけられる予算は減少し、学校から教育委員会に要望を出しても見送られるケースが多々あるのです。

それに加えて人員が不足していると感じます。
もちろん、定められた人数の職員が各学校に配置されてはいるのですが、“合理的配慮”のように一人ひとりに合わせた調整や変更を実践するとなると、今のままの職員数では確実に足りません。

本校でも、個別の対応を行っている子がいるのですが、全職員でサポートしているにも関わらず、どうしてもその子についてあげられない時間というのが発生しています。
1人の子に対してだけで、この状況なのです···

さらに、私が一番問題視しているのは③です。
一言で教員と言っても、先生方には各専門性があり、全員が特別支援教育について詳しいかと言うと決してそうではありません。
また、新卒からベテランまでと年齢層が幅広く、先生方によって知識や経験には差があります。

そのため、特別なニーズを必要としている子への知識や理解がある先生とそうでない先生とでは、対応に大きな差が出てしまうのです。

5.困り感や生きづらさを感じている子ども達のために

では、親として子どものためにできることは何でしょうか?



それは、できるだけ早い時期から、子どもに合った支援を行っていくということです。

・学校に相談
・市や町に相談
・地域生活支援ネットワークサロンの活用
・病院に通院

など、子どものためにできることをまず始めることが大切です。

相談することへのハードルはそれほど低くないのかもしれません。
ですが、親のエゴとかプライド、認めたくない、自分の子は大丈夫という気持ちが、子どもへの必要な支援を遅らせることにつながってしまいます。

今まで保護者の方とお話してきて、実際に行動してくれた方からは

「もっと早く相談すれば良かった」

という声が多く聞かれます。

6.終わりに

私が見る限り、上記のママの子どもは、何かトラブルを起こす度に、まず“怒られる”という指導しかされてこなかったのではないかと感じました。

彼が感情を爆発させるのには必ず“理由”があるのに、その理由を聞いてもらえず怒られるだけ。

当然、その指導に納得がいかないし、納得がいかないから反抗的な態度になる。
でも、その態度を見た大人は“反省していない”と、さらに怒り出してしまう。

何もかもが悪循環の指導···

この環境、この指導が変わるだけで、彼の人生がどのくらい変わっていただろうかと考えると、とても悲しくなる。

困り感や生きづらさを感じている子ども達は、怒られることが多く、自己肯定感が極端に低い子が多い。

だからこそ、子どもの行動を振り返らせたいのなら、まずその子の気持ちを聞き、認め、共感すること。

その子のことをしっかりと受け止めてあげ、一緒に振り返っていくことが効果的だ。

『LITALICOジュニア』にも、困難さを軽減するための手立てとして以下のことが書かれている。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

凸凹ゆえの困難さは、環境を調整し、特性に合った学びの機会を用意することで、軽減されると言われています。お子さまと周囲の人がその子の個性・能力・希望など理解した上で、その子に合ったサポートをしていくことが大切です。

参照『LITALICOジュニア』https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/

子ども達に悲しい思いをさせないためにも、子ども達のことをよく理解し、環境を整え、適切な支援を親と学校とで協力し合いながら取り組んでいけたらと思う。

子育てに不安を抱えている父母の皆様。

1人で悩みすぎずに、身近な人や機関にぜひ相談してくださいね!

少しでも多くの人にこの記事が届くといいな⭐

36歳から始めたスペイン語。新しいことを始めるのに遅すぎることはない!強いマインドがあれば大丈夫! 私はここで日本と世界との情報を共有すること、また、自分の経験を通して一人でも多くの人に学ぶことの楽しさを伝えていきたいと思っております。 よろしければぜひサポートをお願いします。