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本棚本ラジオ

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【本棚にある本を片っ端から紹介するラジオ】はじまります! 略して「本棚本ラジオ」 noteで連載中の「本棚にある本を片っ端から紹介する」のラジオ版です。 あなたのほんのちょっと… もっと読む
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#小説

【本棚本ラジオ第28回】オースティンの醍醐味は“視線”

【本棚本ラジオ第28回】オースティンの醍醐味は“視線”

*今回の本*
ジェイン・オースティン著 中野康司訳 『説得』(筑摩書房、2008)
(本棚本Season2 No.7)

*視線の先にあるもの*
オースティンの小説は、言ってみれば隣近所3軒と親戚友人一同の内輪の物語なのに、なんでこんなに魅力的なんでしょうね。
内輪の人間関係で重要なのは、なんと言っても「空気読みスキル」ですよ。
それはもう、現代日本では太刀打ちできないほどのスキルの高さ。
それが

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【本棚本ラジオ第27回】ヒトラーは脅威か、それとも娯楽か

【本棚本ラジオ第27回】ヒトラーは脅威か、それとも娯楽か

*今回の本*
ティムール・ヴェルメシュ著, 森内薫訳『帰ってきたヒトラー(上)(下)』(河出書房新社, 2016年)
(本棚本Season1 No21)

*現代に蘇ったヒトラーを、どう扱うか*
わたしものすごく大切なことを言い忘れたんですよ。
この小説、文章はヒトラー視点で進むんです。
そこにこの本の怖さがあります。
ってことを。
圧倒的な支持を得る人というのは、言っている内容よりもエンタメ性が

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【第10回】大人になって気づいた、「好き」がつまった本

【第10回】大人になって気づいた、「好き」がつまった本

*今回の本*
篠田真由美著『未明の家』(講談社、1994年)
(noteの本棚本ナンバー: Season1 #4

*気がついたら「好き」の要素がいっぱい*
不思議なもので、この本を読みまくっていた中学のころは、まさかあれやこれやがこんなに好きになるとは思ってもみませんでした。
昔から素養があったのか、読みまくったことで影響を受けたのか。
さて、どちらでしょう。

*このラジオは*
「本棚本にあ

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*今回の本*
恩田陸著 『ミツバチと遠雷』(幻冬舎、2019)
(noteの本棚本ナンバー;Season2 #3

*あまりにも純真無垢な人って
ある意味で恐怖。
あまりに無垢なものを見ていると、自分の汚さを突きつけられる。
「お前、無垢なだけで何も考えていない馬鹿なんじゃないか」という反抗心さえおこってくる。
でもそれらを全て上回る無垢さだと、もうどうしようもなくない?

*このラジオは*

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【本棚本ラジオ#2】天上の音楽ってどんなもの?

【本棚本ラジオ#2】天上の音楽ってどんなもの?

*今回の本*
恩田陸著 『ミツバチと遠雷』(幻冬舎、2019)
(noteの本棚本ナンバー;Season2 #3

*あまりにも純真無垢な人って
ある意味で恐怖。
あまりに無垢なものを見ていると、自分の汚さを突きつけられる。
「お前、無垢なだけで何も考えていない馬鹿なんじゃないか」という反抗心さえおこってくる。
でもそれらを全て上回る無垢さだと、もうどうしようもなくない?

*このラジオは*

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