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D2Cの派生系「P2C」ビジネスは、どうスケールさせるのか?

どうも、マーケターのエルモ(@elmo_marketing)です。

今日は、みんな大好きD2Cの派生系、「P2C(Person to Consumer)ビジネス」について。

2020年は、P2Cビジネス元年と言われています。インフルエンサーが影響力(と資本力)をつけ、個人でプロダクトを作り、直販で売っていくケースがちらほら出てきました。

D2C(Direct to Consumer)と飛び越え、P2C(Person to Consumer)に商売の形が変わってきているわけです。

本日は、、

・D2Cとの違いはなに?
・P2Cビジネスって本当に成り立つの??!
・個人がP2Cブランドを立ち上げるならどうスケールさせるの?


このあたりの疑問に答える形で、P2Cの事業成長、マーケティングのリアルについて書いてみたいと思います。

P2Cについての参考記事は、こちらもどうぞ。

遂にPerson to Cosumerが流行り始めた!

そもそもなぜこの記事を書こうかと思ったかというと、みのまわりで個人ブランド商品を売り出す人が実際に増えてきたからです。


とくに、イケダハヤトさんがサプリ販売をはじめて、一気にP2Cの流れが加速してきた感あります(笑)。
(※いちおう彼、サプリ販売の訴求で、薬機法違反が指摘されておりましたが、その話は横においておきます(笑))

冒頭で書いたように、D2Cが企業による直販だとすると、P2Cは個人による直販モデルです。

彼自身が「マーケティングはぼくひとりで回しています」と語っているように、既存のフォロワーや集客チャネル(Youtubeやブログ)を通じて、マーケティングすることで、販売コストを抑えられることがP2C最大の魅力でしょう。

つまり、自前でリストを持っているから、広告にお金をかけなくて済むわけ。


ではでは、実際にP2Cビジネスは上手くいくのでしょうか?? 

本業でP2CやD2Cに近いビジネスモデルをたくさん見てきたこともあり、なんとなくP2Cの未来が見えています。間違ってたらすみません。

ズバリ、P2Cはある一つの課題さえクリアすれば、スケールできます。(ある程度には)

P2Cビジネス最大の課題

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先ほど、P2Cビジネスの魅力は、自前のチャネルを活用することでマーケティングコストが抑えられることだとお伝えしました。

この長所こそが、P2C最大のボトルネックとなります。

売上を伸ばすには、突き詰めると「顧客単価を上げる」or「顧客数を増やす」の2択しかありません。

でも、今月1,000円落としてくれたお客さんが、来月は2,000円......、再来月は4,000円.......というように、顧客単価を上げていくのは現実的ではありませんよね?

さらに一定数の顧客が自社ブランドからは離れていくことを踏まえると、新しいお客さんを増やしていくことから逃れることは絶対にできません。

たとえば、D2Cブランドであれば、WEB広告を使って自社を知らないユーザーにアプローチしたり、マスブランドは流通に卸して、店舗の棚にプロダクトを置くことで、新規顧客と接触を試みています。

つまりどんなビジネスでも、新規顧客にアプローチすることが大事なわけで、P2C最大の課題は、限られたリーチ(フォロワーやチャネル)でしかマーケティングができないことにあります。


仮にフォロワーが5万人いたとして、「こういう商品を作りました!」と毎回おなじ5万人にコミュニケーションをしていても広がりはありません。最初の反応が2%で1000人が買ってくれたとして、その後また同じ5万人にセールスをかけても、同じように売れることはないでしょう....

もともとのリーチに限度があるので、必然的に売れる量も限られ、新しいアクセス先もない。これがP2Cの課題だと思います。

とはいえ、この課題を払拭して、P2Cをスケールさせる方法はいくつかあります。(ここから先は有料級情報です!)


具体的には、以下の4つが有効かなぁと、ぼんやり考えています。

①一等地のECモール・サイトをハックする
②紹介プログラムを導入する
③地道に自社発信とUGC獲得を目指す
④秘策

①一等地のECモール・サイトをハックする

P2Cの課題は限定的なリーチ量。

この課題を払拭するためにやるべきことは、流入の最大化と自動化です。

まず真っ先に狙いたいのが、ECモールやレビューサイトのハックです。

ECモールやレビューサイトには、すでに当該カテゴリーの商品を欲しがっている人たちが検索を通じて集まってきます。なので、そこで上位表示やオススメに入ると、購買確率は一気に高まります。「認知→購入」までワンストップで進むことができるわけです。


P2Cではありませんが、AmazonハックをひとつのKPIにし、事業成長を実現させているのが、モバイルバッテリーを中心に家電製品を販売しているAnkerです。

今年Ankerは日本市場で売上110億を突破したスタートアップですが、その爆発的な成長を実現した秘訣はAmazonハックです。


もともとのプロダクト力とスピーディな製品横展開が上手くいっていることはもちろん、ユーザーの流入が多いAmazonでつねに上位表示されてる体制を整えてきたことも、急成長の要因だと思います。

このように、自らのリーチが限られている状況では、もともと人の交通量が多い一等地に商品を置く。これが、D2CやP2Cでスケールする秘訣です。

(昔はそれがSEOだったと思うのですが、いまはその難易度が上がった感があります。)

余談:
いまフォロワーではない人にもアクセスできる、これがECモール・レビューサイトハックの肝ですね。ただし、Amazonや楽天は、業界No.1と戦わないといけません。もう少し規模が小さいレビューサイトやメディアを見つけることがP2Cでは必要になってきます。これからだと、Instagramの検索面が、一等地獲得の最優先候補になると思います。

②紹介プログラムを導入する

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(転載:ネットワークビジネスとは? 

次に、現実的にP2Cビジネスで流行りそうなのが、紹介プログラム(アフィリエイト)です。マルチっぽさが否めませんが、リーチを広げるための、最善・最良の手段だと思います。

P2Cでビジネスを始めると、自前のフォロワーにモノを売り込み続けるより、ほかのインフルエンサーに頼りながら新規顧客にリーチをしていくほうが、圧倒的に効率がよいです。

しかしながら、他インフルエンサーからすると、商品を告知するインセンティブがありません。

そこでアフィリエイトです。たとえば、売上の20%がインフルエンサーに入る仕組みになれば、インフルエンサーが紹介する理由も生まれ、P2C事業者とインフルエンサーがwin-winの関係になり、爆発的にリーチが増える可能性があります。

ネットワークビジネスっぽさが否めませんが、現実的に商売をスケールさせるためには、導入不可避といいますか、いろんな人がこの手法にかけてP2Cビジネスをスケールさせていく気がしています。

地道な自社発信でUGC獲得を目指す

3つ目が、地道な自社発信でUGC発生を狙うこと。

ハックもクソもなく、ただただ地道に良質なプロダクトとコンテンツを追求していくパターンです。(笑)

UGC(他者による発信コンテンツ)は、第三者視点で商品をプッシュしてもらえることに加えて、P2Cの課題である新規リーチ獲得にも貢献します。

やはり、ここでもポイントはいかにして自分のフォロワー以外にアクセスするか?でござます。


そんなUGCハックをうまく活用しているのが、豚肉ブランド「三右衛門」を展開している倉持(@yamanishifarm)さんです。

twitterをやっている方は、彼のツイートを一度は目にしたことがあるかもしれません。

自分がフォローしていなくても、三右衛門ブランドのUGCを頻繁に見かける、それくらいファンが多い状態になっています。


「UGCを生み出すためにコツコツ頑張れ」だけだと、あまりに抽象的過ぎるので、彼のブランドが多くのUGCを生み出している理由をお伝えします。(あくまで僕の仮説ですが)

ポイントは以下の2点です。

①様々なファネル向け(認知層、興味層、購入者層など)にコンテンツを用意していること
②UGCを生み出しやすいよう、ネットにコンテンツを投下していること

ひとつは、どのファネル層の人もUGCを生み出しやすい土壌作りをしていること。「このお肉を食べておいしかった!」だけでは、購入者しかコンテンツをシェアすることができず、広がりがあまりありません。

そうではなく、「この肉メッチャおいしそう」「このビジネスの考え方共感できる!」など、マーケファネル下位層以外からもUGCが生まれるようなコンテンツをおくことで、結果的に自社コンテンツのリーチを最大化させています。


もうひとつは、①と重なりますが、UGCを生み出す後押しをしている点です。実はUGCにもいろいろありまして、ユーザーが自らコンテンツを用意する(撮影だったり、感想だったり)ものもあれば、ただそこにあるコンテンツをシェアするだけで良いものもあります。

もちろん、後者の方が圧倒的にユーザー側の負担は低いです。倉持さんは、この後者のアシストコンテンツをネットにたくさん置いているんです

彼のブランド力もさることながら、UGCを生み出すハードルをとにかく下げる努力をしている、これがUGCを生み出す肝だと思います。

結論を言うと、「一億総発信時代は、ネットにいろんなコンテンツを置いておけ。それはあとあと何かの役に立つ」ということです。

④秘策(P2Cはクラファンの時代)

「P2Cビジネスをどうスケールさせるか?」を真剣に考えたときに、これから有効手段になるのがクラウドファンディングです。

というのも、P2Cにはリーチが限定的以外にも、「資本力に乏しい」「在庫をたくさん抱えられない」「一度売ったお客さんが離れるとサステイナブルではない」などなど、課題が山積みです。

これらの課題を一層できる可能性を秘めているのがクラウドファンディング。

ポイントは以下の通り。

クラウドファンディングですと、

・受注生産方式でスタートできる
  (集めたお金(需要)の分だけ作る)
・ファンとともにプロダクトを作り上げる
・ゆえに、エンゲージが上がり顧客が離脱しづらい
・顧客も参画者なので、プロダクトの伝道師となりリーチを広げられる

などなど、これまでのD2Cビジネスでは課題となっていた点を一気に解決できるうえに、LTVを伸ばすこともできる可能性を秘めています。

よくよく考えてみると、キングコングの西野さんは、このあたりのポイントを踏まえ、P2Cビジネスを数年前から展開しているように思えます。


彼は、うまくクラウドファンディングを活用し、フォロワーのエンゲージを上げながら一緒に映画や絵本を作り上げています。

「プロジェクト開始→ファンのエンゲージアップ→プロダクトローンチ→シェア→次のプロジェクトの参加者が増える」と、自前のフォロワーを焼き畑農業的に換金化することなく、うまく好循環ループをまわしているわけです。

限定的なリーチ量(フォロワー)でいかにビジネスを展開していくか?を踏まえると、顧客と長く付き合っていくことが大前提になります。

P2Cビジネスをスケールさせる秘訣は、中長期的な関係性を他のビジネス以上に意識することなのかもしれません。

【まとめ】P2Cビジネスをスケールさせる方法

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ここまでP2Cビジネスをスケールさせる現実的な方法について4つ紹介してきました。

①ECモールやレビューサイト、Instagramのハック
②紹介プログラムでリーチを広げる
③地道な情報発信でUGCを獲得する
④クラウドファンディングで伸ばす

それほど資本を持たない個人にとって、一番可能性があるのは③と④だと思います。とくに、誰でも超低コストでできるコンテンツ発信とそれに伴いファンをプロダクト制作側に巻き込んでいく③と④の掛け合わせが、P2Cビジネスを中長期的にスケールさせるやり方ではないでしょうか?

もちろん、実質芸能人レベルのリーチや資本力を持つ人は、これまで同様のD2C的な戦い方でもうまくいくのでしょう。

ただ、いまこのnoteを読まれている一般的な個人にとってチャンスがあるのは間違いなく③と④で、大きい競合を避けながらポジションを獲得していくことだと思います。

これからあらゆるモノ作りコストが下がり、いろいろな挑戦ができるようになり、個人×ビジネスのマーケットが大きくなることは間違いありません。

個人×直販の可能性と、その伸ばし方について、何かしらの参考になれば幸いです。

おしまい。

twitterでも情報発信をしているので、よかったらフォロ―してください。

@elmo_marketing


UGCを生み出す方法論については、このあたりにまとめているのであわせてどうぞ。



P2Cビジネスについて、その背景を知るのに適している本をいくつか並べておきます。


また、「マーケティング×キャリア」をトピックに、こちらのメディアでも情報発信をしております。

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