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医療機関も「見た目が9割」

「今年こそは」と決意しながらも、前回の投稿から早くも2ヶ月が過ぎてしまいました。歳を重ねるごとに、時が過ぎるのは早いものです。

言い訳はこのくらいにしておきましょう。今回の内容は「世間は何を基準に医療機関の善し悪しを判断しているか」についてです。

ここで言う「世間」とは、患者さんや家族はもちろん、他医療機関や施設等のスタッフ、行政の職員や提携業者、地域住民に至るまで、全ての「自院に関わる人」を指します。言い方を変えれば「自院を知っている人みんな」です。

善し悪しを判断するベースとなる情報は、以下の2つです。

・私の渉外活動
半年程で約300の医療機関や施設等を訪れました。その時の印象や体験と、待合室での様子、さらにはGoogleでの評価やコメントです。

・某医療系出版社のライター
とある勉強会で、ライター歴数十年というベテランの方の話を聴く機会がありました。この方の話は経験から来るものであり、私の経験と重複する点が多くありました。

あくまでも個人的な観点なので、そんなに外れてはいないと思いますが、違っていてもご容赦ください。

では、入口を入る所から見ていきましょう。

1.建物の清潔感
医療機関によって新しい・古いはあります。それは大した問題ではありません。なぜなら、新鮮さと歴史の重みは比較出来ないものだからです。
清潔感とは「掃除をちゃんとしているか」「傷んだ所を修復しているか」「掲示物が整頓されているか」「駐車場二草やゴミは無いか」などです。
これは職員の力で幾らでも変えられるものです。これをする・しないで、人の動向は全く違ってきます。

2.受付の対応
以前に書いた事があるかもしれませんが、受付は「顔」です。「見た目で判断するな」と言うかもしれませんが、タイトルの通り「見た目が9割」なんです。
これは外見がカッコイイとかキレイとかではなく、対応が「親切・丁寧・分かりやすい・迅速」という事が重要です。
私が訪れた有名な某救急病棟は、受付で名刺を差し出して声をかけたのに、4人も居たにも関わらず「少しお待ちください」の声かけも無く、自身の仕事が終わるまでの数分間放置されました。
いくら需要があるとはいえ、これでは信頼感は下がる一方です。

3.職員の言動
2にも共通するかもしれませんが、患者さんや家族は、私達が思っている以上に、職員の言動を観察しています。
私語が多かったり、ダラけた雰囲気だったりは、自分では「見えていない」と思っていても、ひょんな事からすぐにバレます。本当に見えてなかったとしても、何となく伝わってしまいます。
日頃の行動は、いくら取り繕ったとしても、必ずボロが出るので要注意です。

4.医師の対応
当たり前かもしれませんが、医療機関の主役はやはり医師です。1~3がどんなに良くても、これがダメならリピーターにはなりません。医療機関に限った事ではないんでしょうが、偉そうだったり横柄だったりすると、対人関係は良くなるはずはありません。
ただ「丁寧で優しければOK」という訳でもありません。ある程度のラインを超えると「適当な感じがする」「営業的」という印象を持たれる事も少なくないようです。
人対人なので、好みや相性もあるでしょう。なので、何が正解かを導き出すのは難しいです。
共通点として「話をちゃんと聞いてくれて、それに対してちゃんと返答してくれる」という医療機関は、多少癖があっても、患者さんや家族は信頼を寄せる傾向があるように感じます。

5.患者・家族以外の対応
直接関係無いように思われますが、以外にも患者数との相関性があると、個人的には感じています。
例えば、患者さんには優しい声かけをしているのに、渉外に行った私にはマウントを取りに来るような職員(これは医師に限らず全職種)がいると、待合室はガランとしている事が多いです。
先述のライターさんも「自院の医師には挨拶するのに、出入り業者には挨拶しない」「私にはお茶を出すけど、紹介してくださった関係業者の方にはお茶を出さない」などといった経験があり、そういった所は、その時の状況は良くても、後々下がっていく傾向があるそうです。
人によって態度を変えるというのは「表裏がある」という事であり、こういう風評はどこからか自然に伝染していってしまんうんでしょうね


まだまだ挙げるとキリが無いんですが、主だったところは上記5点だと思います。もちろん全てが出来ているのが素晴らしいんでしょうが、パーフェクトの所は1度も出会っていません。ただ、患者さんが多い所は該当する項目が多いのも事実です。

また、上記5点が多く該当する医療機関は、Googleの評価やコメントが良い所がほとんどです(何故か異なる事も稀にあります)。それだけ患者さんや家族の方々は「しっかり見ている」という事なのだと思います。

近年は医療機関も「接遇の勉強が必要だ」「CSを重要視」という声もしばしば耳にします。もちろん良い方が良いんでしょうが、その前に少し視点をズラす事で、出来る事は幾らでもあると思います。ちょっとした気遣い・心遣いをする事で、すぐには難しいかもしれませんが、流れは少しずつ変わってくるのではないでしょうか。

ありがとうございますm(_ _)m精神科の風評向上のために使わせていただきます。