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多忙により学ぶことを辞めてしまった教師たち

こんばんはこんにちわ。
元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。

みなさん学生時代に、先生からこんなことを言われた経験はないですか?
「勉強をしろ!」
「本を読め!」
私も学生時代に言われた経験があります。自分自身が教員になった時に、子どもたちに向けて本を読んだ方がいいよとこれに近いことを言った記憶もあります。
ではそう言っている教師は勉強しているのか?本は読んでいるのか?どうか気になるところですよね。

4割の教師が実は、月に一冊も本を読んでいない

横浜市立小中学校への調査(521人に対してアンケート)によると、教師の一ヶ月当たりの読書冊数は、0冊が32.4%、1冊が33.6%、2冊が16.1%とのことです。さらに3冊以上は2割もいない現状です。
この調査結果から、本を読んでいないという現状が、多忙によって引き起こされていると検証はできませんが、継続的に学んでいる先生が少ないということは事実のようです。

また教育研究家の妹尾昌俊氏による独自調査(教師の一ヶ月の読書量*小説・漫画などは除く)でも同様の結果となっています。(下図)

なんと小学校教員の約3割、中学校、高校の教員の4割以上が「0」冊と回答しております。多くの本を読んでいる教師も一定数いますが、大半が0冊または1冊という結果でした。おおよそになりますが、6〜8割の教員は本からの学びを得ておらず、2割弱の教員は、熱心に本を読んで、学びを継続している。そんな学びの二極化が教育界の現状であると見て取れます。
 さらに妹尾氏は、先ほどの教師の読書量の調査を年齢別にも分けています。その中で深刻なのが、29歳以下で読書量ゼロという教師が、4〜5割にも達していることです。教員としてこれからが伸び盛りという大事な時期に、1冊も本を読まない教員がほぼ半数いるというのは、問題なのではないかと思います。

学びの機会損失を防げ!

 教師が多忙なのはみなさん周知の事実だと思いますし、日々多忙な教師の方々は、「そんな本を読む時間なんてないって」というのが正直なところだとは思います。そんなことは私も理解していますし、現場で働いていたのですごくわかります。
 ただ教師の仕事のコアはなんなのかを今一度ちゃんと整理する必要性があると感じています。
やはり教師のコア業務は、「授業」だと思います。その授業というコア業務にかける時間があまりにも少ないというのが現状なのではないでしょうか。部活動や保護者対応、なんのためにやるのかわからない報告書などの雑務、ただの報告会となっている職員会議など、ありとあらゆる仕事が山のようにあります。ですから授業準備に割く時間が少ない。
そうすると本来のコア業務である「授業」の質そのものが低下していることを懸念しています。

 より良い授業を展開するためには、やはり本を読むなどの自己研鑽が必要不可欠だと感じています。幅広い知見や教養を身につけている人の授業は、興味関心を惹きつけますし、なんかおもろいなと感じますもんね。
 教師は、世間知らずで世の中の認識からズレているし、鈍感であると揶揄されることが多いのですが、こういった学びを放棄していることと関連しているような気がします。

 教員は忙しいのは重々承知ですが、教師が勉強しないことによって、自分の視野を広げる、または思考を深めるといった能力開発の機会を失っていることを自覚し、より良い授業のための自己投資を怠るべきではないと思っています。
「勉強頑張れよ!」
「お前もがんばれよ!」
そんなジミー大西のギャグが聞こえてきそうですね笑

それではまた。

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