2歩目を踏み出すための20冊の本
私は現在博士課程の2年生であり、化学を専攻しています。
B1の時に自身を再建設すると誓い、7年半経ちました。
実際に意識的に始めたのは読書。
高校時代の全てのアイデンティティを失った私はとにかくこのままではいけないと思っていた。
そして、何をするかと考えた時、出てきたのが読書だったと思う。
大学生だから時間は大量にある。
そして、なんか読書はいいという風潮がある。
私は小学生の頃から読書が好きで、本に対する抵抗はなかったと思う。
両親に聞いても私はいつも本を読んでいたそう。
そんなに読んでいた記憶はないのだが、親目線ではそうらしい。
もう、高校時代までのように部活があるわけでもなく、受験勉強があるわけでもない。
今思い返してみても、今ほど意識下に本物だとか真理だとかといった、いわば高尚なものはなかったと思う。
ただ、自分を変えたかった。
ただ、もっと楽に生きたかった。
だから、すがるように読書を始めたのだ。
きっと、当時の私は本には何か答えがあるはずと思っていたのだろう。
実際それに関しては、半分正解、半分不正解だと、今となっては思う。
本を読むことで、感性が鋭くなった。
自分の垢が落ちてきたと思う。
おそらく、数えてはいないが年200冊くらいは読んだのではないか。
だから、7年半で約1500冊。
本に関しては1500回も決断をしたわけだ。
これを読むっていうね。
それが、きっとよかったのだと思う。
自分で自分の感性に従って本を選ぶ。
その中で直観が磨かれたのだと思う。
そして、直観が磨かれたと思えた今、次の一歩を踏み出そうとしている。
次は、その本を絞ることだ。
直観でそう思った。
限られた本を繰り返し読む。
それによってその本達を生活感情に落とし込み、次の景色が見えるのではないかと思っている。
だから、1500冊の中から20冊に絞った。
言い方を変えれば歴代のTOP20と言っていいだろう。
本を選定する時に、その本を買った時のことをそこそこ覚えていて面白かった。
また、20冊に絞る上でかなり悩んだ。
すぐに決まるものもあれば、最後まで悩んだものもある。
買った時期はバラバラだ。
学部生時代の時に買ったものもあれば、つい最近買ったものもある。
なんなら、これに組み込むためだけに買ったものもある。
20冊決め終えた時は、流石に感慨深かった。
私の7年半がここに集約されている。
並べて背表紙を見るだけで込み上げてくるものがある。
今回はその私の中のTOP20を示したいと思う。
1. 春宵十話,岡潔,角川ソフィア文庫
2. 人間の建設,岡潔・小林秀雄,新潮文庫
3. 学生との対話,小林秀雄・国民文化研究会/新潮社編,新潮文庫
4. 考えるヒント2,小林秀雄,文春文庫
5. 読書について,小林秀雄,中央公論新社
6. 小林秀雄の流儀,山本七平,文春学芸ライブラリー
7. 人間の生き方、ものの考え方,福田恒存/福田逸・国民文化研究会編,文春学芸ライブラリー
8. 人間・この劇的なるもの,福田恒存,新潮文庫
9. 芸術とは何か,福田恒存,中公文庫
10. 自分の壁,養老孟司,新潮新書
11. 老子,八谷邦夫訳注,岩波文庫
12. 方法序説,デカルト著・谷川多佳子訳,岩波文庫
13. 西田幾多郎随筆集, 上田閑照編,岩波文庫
14. 方丈記, 鴨長明・蜂飼耳訳, 光文社古典新訳文庫
15. 読書について, ショーペンハウアー・鈴木芳子訳,光文社古典新訳文庫
16. 私の個人主義,夏目漱石,講談社学術文庫
17. マティス 画家のノート,二見史郎訳,みすず書房
18. 14歳からの哲学 考えるための教科書,池田晶子
19. リトルラヴァーの探しかた, AKKO,角川書店
20. 飛鳥涼論 けれど空は青, 石原信一,角川文庫
この20冊に決めました。
しばらく、満足するまではこの本達でいこうと思います。
今日、歯医者に行った後、書店に行きました。
不思議なことに、どの本も買おうという気になりませんでした。
やはり、決めるという行為は強いものです。
私には今の私の最強の20冊がある。
古今東西の天才達の記した文字がある。
私はやっと2歩目を踏み出したのです。
それでは。