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読んだ本についてあれこれ語るマガジン

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文藝別冊「望月ミネタロウ」(2023年)

文藝別冊「望月ミネタロウ」(2023年)

望月ミネタロウは「ちいさこべえ」が好き。
大火事で実家の工務店「大留」と、両親を失った茂次が、工務店を立て直すために奮闘するという物語。こぢんまりとした素敵な作品だった。
おはなしもよかったのだが、洗練された画面構成が特に好きだ。

ちなみに、「バタアシ金魚」や「ドラゴンヘッド」は読んでいない。「バイクメ~ン」は少し読んだ。嫌いというわけではなく、ただ読んでいないだけ。
望月ミネタロウの作品は登場

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太陽の地図帖31 諸星大二郎 『妖怪ハンター』

太陽の地図帖31 諸星大二郎 『妖怪ハンター』



諸星大二郎「妖怪ハンター」の解説本。
諸星大二郎のファンは必見。

諸星大二郎の説得力のある虚構が綿密な取材に基づいて形作られているのがよくわかる。
妖怪ハンターはあまり読んでいなかったのだが、一気に興味がわいてきた。

自分は入り口が歴史エンターテイメントの「西遊妖猿伝」だったこともあり、地味な印象のある「妖怪ハンター」にはあまり食指が動かなかったのだ。
しかし、この本を読んで妖怪ハンターに

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闇の国々 1巻

闇の国々 1巻



見事な構築。
冒頭に地図があり、そこにある国々でおこる物語が掲載されている。
1巻の時点では、それぞれの話はまだつながっていない。

読者は壮大なイマジネーションの中をさまようことになる。
巨大な建造物、奇想天外なストーリー。
スクイテンは昔、リトル・ニモを描いていたと記憶しているが、当時から建物を見事に描く作家だった。

徐々に時代が変わっていくのも楽しい。巻が進むにつれて、現在や未来が描か

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