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読んだ本についてあれこれ語るマガジン

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2022年7月の記事一覧

八月の光

八月の光

非常におもしろかった。
人はなにかに憑りつかれると、どんなに遠くまで逃げても、逃げ切ることはできない。

宿命というのだろうか。自分も、それなりに生きてくると、人生においていろいろな符合や因縁めいたものにであうことがある。だから、本作で繰り返されるそういったものを見ては、登場人物に感情移入もできたし、その悲しみや苦しみも理解できた。

読んでいて思い出したのは、ダーレン・アロノフスキーの映画「レク

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資本論8

資本論8

本編はこれで読了。
正直にいってよくわからなかった。

マルクスが資本論という書物を通じて訴えたかったことは、当時の資本というものがいかにして動いているか、ということをあらゆる角度から考察することだったと思う。資本家たちが、超過利潤を生みだし、私腹を肥やしている。労働者たちの生活や生命が犠牲になっている。資本家たちは労働者を搾取するだけでなく、土地や水の流れなど、本来は自然にあったものも金儲けの道

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狂言のことだま

狂言のことだま

狂言は、もちろん娯楽なのだが、そこには人間が描かれていて鑑賞者も真摯な態度で臨む姿勢がある。人間とは何か。それを考えながら狂言を鑑賞する。何事も、本質を見つけようと考えて臨むことで深く理解することができる。深く理解することができれば自分が成長する。