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寒い日に思い出す、心細かった子どもと二人のとき

「おかあさん・・・」
「なあに?」
「・・・・」

うるんだ瞳で、見つめられる。
「ごめんね」って言いたくなる。
もう15年も前のこと。


今日、東京はみぞれになった。
つい先日は20度を超えたのに、今日は、3度とか・・・。
寒くて、凍える。

春といっても、急に寒くなる、こんな日。
よく風邪を引いた。
インフルエンザも、春までよく流行った。


「連絡帳を書いてない!」「お着換えの準備!」
わあわあいいながら朝の支度をしていたら、息子の食欲がない。

ぼーっとした顔、トロンとした目。

ハッとして、熱を測ったら38度を軽く超えている。

「ああ・・・」とため息をこらえながら、保育園に電話すると。
「わかりました。今インフルエンザが流行っているので、念のため病院へ行ってくださいね」

「うう・・・」
うめきながら、小児科へ。

こんな日は混んでいる。
30分くらい、別の場所で待って・・・診断を受けると

「インフルエンザAですね」
告げられて、意気消沈する。

2歳になる直前の息子を抱っこして。
ポカポカした体温を胸に感じて。

あちこちに電話して。
仕事先に謝って、頼んで。

薬を飲ませようとしたら、吐くし。
甘えるし。
寝ないし。
でもグッタリしているし。

今日の算段、明日の仕事。

あたふたしながら。

耳によみがえるのは
「病気のお子さんを預けるなんて、かわいそうですよ」の言葉。
私の母世代や、何とか評論家や、政治家の方や。

私は預けたかったけれど、当時はまだ病児保育が普及していなかっただけ。

預けられるなら、プロに任せてもいい、と思う。
働いていなくてもね(後に書いてます)


ゆったり座って、りんごをすって。ひと口ずつ口に運んで。
しょっちゅう冷えピタを交換して、冷たいタオルを絞って。
やさしく子守唄を歌って。

そんなお母さんはすてきだと思う。

私は、なれなかった・・・

でも、みんながそうじゃなくてもいいじゃない。
違う親も許してねって、いいたくなる。

いつも一緒にいられないこともある。

前にも書いたけれど。

色々なお母さんがいる。お父さんがいる。
それが大事なのだと思う。

違うから、いろいろな意見があって、考えがあって、世界が広がるから。


働いていなくたって、お子さんが二人(以上)いたら大変。
うつらないように注意して。
でも、うつっちゃうことが多くて。

看病していた親にも、よくうつっちゃって。
地獄。

働いていなくて、子どもが一人でもやっぱり大変で心細い。

そう、心細くて不安。

「病気の時、子どもを見るのは当たり前」なんていわないで。

だって心配で、どうしていいかわからない時も多くて。

友人のところの信くんは、体が弱くて。
小学校に入学したあとで、
「保育園の時、インフルエンザで2回も入院してたよね」と聞くと。
ニッコリ笑って、首を振り、
「いいえ、3回」
!!?

「今は笑えるけど、その時は泣きたかったな・・・」

今だって、心細さは変わらない。


声をかけてくれたら、うれしい。
私が声をかけたい。

近くに小さな子のお母さんがいたら
「大丈夫?」とか
「何か届けましょうか?」とか

できないことも多いけど、
気持ちだけでも
味方だって伝えたい。

それだけで、気持ちが楽になったことがあったから。

ひとりじゃないって。

病気じゃなくたってね。

「大変よね。一緒に寝ちゃいなさい、何にもしなくていいから」
っていわれて、泣きそうになった。


寒い日、いつも思い出す。
心細かったあの時。

息子のうるんだ瞳。

なぜか今も謝りたくなる。


※イラストはyukkoさんからお借りました。ありがとうございます。

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