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赤ちゃんの時の写真は1枚しかないけれど

写真がずっと、苦手だった。

どうしてだっけ?

思い出したのは、小さい時のこと。

「お父さんに愛されない子だからな・・・」
自分のことをそう思っていた。

父は、子どもを気分でかわいがるタイプ。
「お前は2番目の女の子だからなあ。男の子だったらよかったのにな」
と何度かいわれ。

私の1歳になるまでの写真は、1枚しか、ない。

姉は1歳までに、アルバムが1冊あるのに。

「2番目も女の子だから、もういいかと思って写真を撮らなかったんだよ」
平気でいう父。

悲しかった。

小学校で「小さい時の写真を持ってきましょう」という宿題が出たとき、ドキドキした。
でも、2,3歳の時の写真は何枚か、あった。

ほぼすべて、姉と一緒の写真だったけれど。


だから、だろうか。

写真を撮られるのがずっと苦手だった。
うまく、笑えない。
ポーズをとれない。

「私も入れて!」というのが苦手で、輪の外から見ていた。

それでいて、撮られないと悲しかった。
面倒くさいタイプ。


いつ、それがなくなったんだろう?

思い出してみた。

高校入学したとき。
クラスで記念写真を撮った。

そのあとで、「このクラスの女子、みんなかわいいねって評判だよ!」
と何度かいわれたのだ。
男子が見に来るんだって。
(今から思うと、微妙でもありますが)

実際、モデル事務所にスカウトされるようなかわいい子や、エキゾチックな顔立ちのクラスメイトが多かった。

クラスで席の近かった春奈ちゃんが、「うふふ、なんかいいね、そういうの」と笑っていた。
春奈ちゃんは、ちょっと色っぽいタイプの美人さん。

「そうだね、かわいい子が多いよね~」と、私が人ごとのようにぽそっというと、
「みんなだよ、みんな!」
といって貼られた写真を指差して
「みんな、かわいいよね~! 私も、ちーちゃんも!」

大きな声でいうので、クラス中で笑い声が起きた。

みんなの、明るい笑顔がかわいかった。
女子も、男子も。

うれしくなった。

そのあと、春奈ちゃんは何度か
「一緒に写真撮ろうよ!」といって写真を撮った。
運動会などのイベントのとき。
遊びに行ったとき。

「ねえねえ、これ、かわいくない?」
「こうしたら、もっといいかも」
研究に余念がなくて。

つられて、ポーズをとったり、表情を作ったりして。
おもしろくなっていった。

笑顔で映ること、ポーズをとること(ピースとかね)、「入れて」といって写真を撮る輪に入ることが、こわくなくなっていった。

笑顔が大事。
そう思えて。

ずっと苦手だった写真。

実は今も、得意ではなくて。
苦手。

でも、いやじゃない。
みんなで写真を撮ろうって、声をかけるのが、好き。

赤ちゃんの時の写真を思い出しても、もうあんまり悲しくない。

ありがとう、春奈ちゃん。

それに笑顔のクラスメイト達。


だから息子の写真は、いっぱい撮っている。
自分の、ためにも。

※イラストはモモリスウさんからお借りしました。ありがとうございます。

肩の力を抜いて、育児をしてほしくてメルマガを書いています。今日も配信しました。テーマは「自分ファースト」です。


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