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たい焼き屋さんで約束しなかったこと

「たい焼き食べたい」
「もう遅いから今日は買わないよ」
「え~、食べたい~」
13,4年前、息子とやり取りを繰り返した。

お約束もいいし,毎回話して決めてもいい。
そのたびに決めることが違っていい。
そう思っている。

近所にも,会社の近くにもたい焼き屋さんがある。
ふわん、といい香りが漂うと、ふらりと立ち寄りたくなる。
おいしそうで,時々買いたくなる。

たい焼き屋さんを見るたびに、思い出すのは息子とのこと。

息子が3,4歳の時。
家から少し離れたスーパーに時どき行った。そのスーパーの外側にたい焼き屋さんがあって、いつも食べたがった。
夕飯がもう少しだもうすぐだったら、買わない。
お昼が軽かったな、とかおやつにちょうどいいな、と思うと買う。

その度に買ったり買わなかったりして、その理由を話をした。
ごくかんたんに「もうすぐごはんだからね。今日はなしね」とか、「お腹すいたかな、買っていこうか」とか。

「うちは絶対買わない」という友人がいた。
「一度買うと、絶対に次もねだられるから」ときっぱり。
「ついつい毎回買っちゃうのよね~」という友人もいた。

どちらもありだと思う。

毎回話をしてそのたびに決めるのは、ちょっと面倒。
決めてしまった方がいいのかなぁと迷った。
でも毎回状況が違うし、お腹の空き具合だって、時間だって違う。

結局決めないまま、そのたびに話しているうちに、そのたい焼き屋さんはなくなり、息子は大きくなった。

毎回違って、よかったんじゃないかな。

話して決めるのでいいって、今は思っている。
決める方が楽だけど、毎回違うから。
決まり事も約束も大事だけど、毎回子どもの状態も、時間も違う。

買わない時は拗ねていたし,ぐずったこともある。でもいつもは買えないよ,と言った。
根負けして、遅めの時間に一度買ったことがある。
その日は、やっぱり夕飯をあまり食べられなかった。

息子は自分でたい焼きのせいだ,とわかったみたいでシュンとしていた。
そのあとは自分でも無理を少しだけ、いわなくなった。たい焼き屋さんのことだけだけど。ほかの時は、いってたけど。

だから毎回違うのもいいなって思う。

思い出すな。ふたりでほかほかのたい焼きを並んで食べたこと。
「おいしいね」
「あったかいね」

また食べたくなってきた。
もう一緒に並んでは食べてくれないけど。


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冷蔵庫企画の続報は明日あたりにアップします。少々お待ちくださいね!



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