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あなたと私とホワイトスノーマンラテ

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑧

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑧

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑦

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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年度末だったこともあり、田所とリンは次の「デート」の打ち合わせができないまま4月を迎えてしまった。4月になればなったで人事異動の季節。お互いに社内全体がバタつき、なかなか時間が取れなか

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑦ -田所side-

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑦ -田所side-

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑥

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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「お疲れさまでしたー。お先ですっ」

いつもなら閉店後、ダラダラとキッチンの締め作業を行い、だらだらと店に残ってメニューにないドリンクを作る。それが遅番シフトの田

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑥

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑥

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑤

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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日曜日の夕方、リンはカフェの入り口に佇んでいた。12月25日にも同じようなことをしていたのだが、その時とは少し状況が違っていた。というのもこのカフェを訪れるのは1

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑤

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ⑤

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ④

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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数時間前に来た道を駅へと向かって歩いていく。朝は一人で通った改札を今度は2人で通り抜けた。

ホームへと続くエスカレーターを登りきると丁度よいタイミングで電車が到

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ④

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ④

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ③

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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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時刻は10時50分。リンにとって待ち合わせ場所に早く着いてしまうのは学生時代からずっと変わらない癖のようなものだ。相手を待たせるくらいなら自分が待つ! の精神でリ

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ③ -田所side-

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ③ -田所side-

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ②

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俺は何をやっているんだ……!

大晦日の夜、田所はかけっぱなしのテレビの前で携帯を握りしめ、自分自身に苛立っていた。

5日前のことである。一年前に客として出会った女性、紀平凛香と一年越しの約束、“デート”を無事に果たした。そのとき、勇

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(7日目)【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ #Xmasアドカレnote2019

(7日目)【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ #Xmasアドカレnote2019

はじめましての方もおなじみの方も、こんばんは!
ルミさん企画、『#Xmasアドカレnote2019』の7日目を務めます、ちよこ です。

有名なnoteの住人の皆様の中に混ざって書かせていただけるなんて恐縮です。(そして本当にありがたい。)私はnote界隈で有名じゃないです、ごめんなさい。だけど、かねてより仲良くしていただいているルミさんがせっかく誘ってくれたこの企画。そりゃ書くしかないですよね。

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【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ②

【掌編小説】あなたと私とホワイトスノーマンラテ②

こちら、続編になります。
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あなたと私とホワイトスノーマンラテ①

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仕事を早めに終えることができたリンはカフェの前に佇んでいた。時刻は午後4時50分。約束の時間には少し早いが遅刻するよりはマシだろう。しかしあまり早く入店してしまうのもなんとなく気が引けた。まるで子供がサンタクロースからのクリスマスプ

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