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ミステリー朗読劇「クラーク博士とスープカレー」のご紹介

今回は秋葉原のカレー店「スープカレーカムイ」の店長である諸橋カムイ氏の脚本によるミステリー朗読劇「クラーク博士とスープカレー」についてご紹介いたします。

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朗読劇2話、挿入歌4曲収録。南雲堂より発売されています。

脚本家、諸橋カムイ氏について

スープカレー屋さんがなんで脚本?ミステリー?朗読劇?と頭に?マークが三連星で並んでしまうのですが、このスープカレーカムイの店長である諸橋カムイ氏は多芸なお方のようで、twitterを見る限りにおいても、

中野スタジオあくとれにて今夏上演朗読劇『陸軍中野学校』脚本担当。「南雲堂ミステリー大賞」受賞作家。最新作『クラーク博士とスープカレー』(南雲堂刊)絶賛販売中!シリーズ第2弾今春発売!『株式会社 御手洗カフェ』代表取締役。『スープカレーカムイ』店主。北海道出身。
(記載内容は2022.2/12のものです)

…とあるように、作家としても活躍されておられるようです。

あと、「小説家になろう」サイトでも氏の作品をいくつか見ることができますので、興味ある方はこちらもどうぞ。

小説家になろう - 諸橋カムイさんのマイページ

なお、普段はお店にてこのようなスープカレーを提供しておられます。興味ある方はぜひ秋葉原の店舗に足をお運びください。美味しいですよ!
(下の写真は2022.2/8~2/14限定の神田さきとさんコラボメニュー「大好きトッピングカレー」)

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ミステリー朗読劇「クラーク博士とスープカレー」の舞台

この物語の舞台となるのは明治時代の日本。文明開化を経て新たなる時代に突入した我が国は、欧米の列強諸国に対抗すべく様々な分野で改革を推し進めておりました。

その中でも特に農業分野に着目した政府は北海道に「開拓使」を設置。さらに開拓使長官である黒田清隆は全国からエリートを集め、「札幌農学校」を開校することとなりました。日本の未来を背負うこの新たな学び舎の教壇に立つ者こそ、「Boys, be ambitious.」(少年よ、大志を抱け)の台詞で知られるウィリアム・スミス・クラーク博士だったのです。

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ミステリー朗読劇「クラーク博士とスープカレー」とは、この札幌農学校に関わる人物-クラーク博士と愉快な仲間たち…もとい、黒田清隆長官、通訳の先生、そして生徒たちが織り成す(いや引き起こす)、我が国の歴史の裏にもしかしたら存在したかもしれない事件簿なのです。

注:CD内に「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません」と書かれているので、CDも本記事もそれを念頭に置かれたうえでご視聴くださるようお願いします。


物語と主な登場人物

ミステリーということで、ネタバレは極力しないように紹介します。

このCDに収録されている物語は次の2編。

第1話「玄武丸事件」
第2話「コロポックル事件」

第1話の「玄武丸事件」は、東京・品川から北海道・函館に向かう蒸気船「玄武丸」が舞台。クラーク博士、黒田長官、札幌農学校の生徒たち、そして一般乗客が乗るこの船の甲板にて騒動が勃発します。その真相は如何に?そしてクラーク博士はこの騒ぎを止めることができるのか?

第2話の「コロポックル事件」でいよいよ舞台は札幌農学校へと移ります。その新しく建てられた学び舎に、夜な夜な幽霊が出没するという。かくして真相を究明すべく生徒たち、そして通訳兼教師である恵中瞳先生が調査に乗り出すことになったのですが…。

主な登場人物は以下の通り。

ウィリアム・スミス・クラーク(クラーク博士)[CV:山﨑すずたろう
「Boys, be ambitious.」(少年よ、大志を抱け)の言葉で有名な、アメリカから招集された農業のプロフェッショナル。テンション高め。日本語は流暢だがたまに英語混じりになることも。実はかなり剛腕で、生徒たちを次々と投げ飛ばしてしまうほど。「日本の若者は栄養が足りていない!」との思いが、後にこの地からスープカレーを生み出すことにつながったとか…?
恵中 瞳(えなか ひとみ)[CV:恵中 瞳
仙台伊達家出身の娘。通訳兼教師。この物語のヒロイン。クラーク博士ならびに一部の生徒からは「ひとみん」と呼ばれ親しまれている。しゃべりは微妙に東北弁(英語も)。慎重でビビりな性格だが、ここ一番と言う状況では勇気を振り絞ることも。
黒岩 四方之進(くろいわ よものしん)CV:香寿美]
土佐藩出身。史実では札幌農学校を卒業後に新冠御料牧場(後の独立行政法人家畜改良センター)牧場長を務め、北海道畜産功労者として表彰された人物。この朗読劇では未成年なのにお酒大好きな学生。土佐弁。実はオバケの類が苦手らしい。
黒田 清隆(くろだ きよたか)[CV:南雲一範
薩摩藩出身。薩英戦争や戊辰戦争、西南戦争でも活躍した人物。開拓使長官として務めた後も我が国の政局に深く関わり、第1次伊藤内閣の農商務大臣を経て第2代内閣総理大臣となった。なおこの朗読劇では騒がしくて乱暴な単なる酔っ払いのオッサン…言い過ぎましたごめんなさい。
森 松吾郎【CV:古谷 蓮
西洋油彩画(油絵)の絵師。本来ならば絵描きになりたかったが、卒業後に開拓官吏というエリートコースの約束されたの農学校に進むよう親に強く説得されて札幌にやってきたという経緯を持つ。朗読劇ではベレー帽を被った大きな身体の男として描写されている。
伊藤 一隆(いとう かずたか)[CV:早さきえこ
江戸出身。北海道庁初代水産課課長として北海道の水産業界の発展に尽力した人物。ウィキペディア調べによると中川翔子は玄孫にあたる(中川の母方の祖母の祖父が伊藤である)んだって。ビックリ!!この朗読劇では前述の森松吾郎の油彩画のモデルをしている。劇中では女の子と間違えられそうなほど線の細そうな少年とされている。


朗読劇の感想など

舞台が明治時代に実在した札幌農学校(現在の北海道大学の前身)であり、なおかつ登場実物の大半が我が国の歴史に名を遺した人物であることから、それなりの現実感をもって視聴することができました。特に私は物見遊山で北海道大学の敷地内を歩いたこともあるため、より現場の情景を思い浮かべやすかったかも知れません。

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▲PHOTO ACより「北海道開拓の村 旧札幌農学校寄宿舎」

朗読劇においてはクラーク博士と黒田長官がえらくお茶目で騒々しいキャラとして描かれているのですが、実際に両者をウィキペディアなどで調べてみるとこの人らは明治の偉人なのだということがあらためて分かります。特に黒田長官。これを聴いた後で本人の略歴を見ると震えますよ。まぁ、酒乱が原因でいろいろな事件を引き起こしている御仁でもあるようなので、あのキャラ設定は妥当なのかもしれませんが(笑)。

CDトリミング

劇中で起こる事件についてはミステリーものなのでノーコメントとさせていただきますが、あえてひとつだけ言わせていただくとするとスープカレーはどこ行ったのと(笑)。とは言え、このミステリー朗読劇には続編が予定されているとのことなので、いずれスープカレーに迫るエピソードも語られることでしょう。と思いを馳せつつ、カムイさんのカレーなどいただきながら期待することとします。それではまた。


当noteのスープカレーカムイさん関連記事:


2022.2/16追記:

クラーク博士の人となりについて書かれたnote記事を見つけたので、ここに紹介させていただきます。クラーク博士はケンカも強かったとの記載が。なるほどこの朗読劇の設定は合ってたんですね!!


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